【開発秘話も】配管減肉モニタリングシステムをリリース
独自の薄型センサーをコア技術に持つ、株式会社CAST。
製造業の課題解決を目指して商品開発を進めてきましたが、2022年1月28日に「配管減肉モニタリングシステム」をリリースしました。
CASTにとって初めての商品である「配管減肉モニタリングシステム」。今回のnoteでは、商品の詳細や開発秘話をお伝えします。
配管減肉モニタリングシステムとは
工場内の配管は、長年使用していると「減肉」といって“管がすり減って薄くなってしまう現象”が起きます。この減肉を監視し、把握するためのシステムが「配管減肉モニタリングシステム」です。CAST独自のコア技術、"耐熱・フレキシブル・薄型”を最大限活かした商品となりました。
配管が減肉すると、内圧に耐えられず破壊されたり穴が開いたりするリスクがあります。とはいえ製造業で活躍しているみなさんにとっては、いつ・どのくらい減肉が起きているか、把握しづらいことも多いのではないでしょうか。
高所や狭所・高温部など、工場には立ち入るのがむずかしい場所がたくさんあるかと思います。
CASTの配管減肉モニタリングシステムは、そのようなアクセス困難部のエッジセンシングを可能にしました。デジタル上で配管の減肉状況をモニタリングできます。
怪我のリスクを減らして社員の安心感を高めたり、生産の安全性を今まで以上に確保してお客様への信頼感につなげたり……。みなさんの現場に潜む課題を、解決したいと考えています。
また最大8か所の減肉を1つのシステムで把握できるため、場所ごとの減肉傾向の違いを分析できます。メンテナンスを行う最適なタイミングを図る一助にもなりますので、ぜひお役立てください。
なぜ“配管”に着目したのか
CASTのコア技術はさまざまな分野への進出を検討しています。なかでもいち早く製造現場の“配管”に着目したのは、とくに課題やニーズが大きいと感じたからです。
開発者のひとりである堤は、高温部や狭所のメンテナンスが大変であることを現場で感じていました。足場を組んだり、手を伸ばしたり危険を伴う作業をしないと、生産の安全性は確保できないことを実感していたのです。
さらに、危険な場所でのメンテナンスや管理は1か所ではありません。限られた時間のなかで、細心の注意を払いつつ数多くの場所でメンテナンスを進める必要があります。工場の機械を止めて作業を行うときはなおさら、焦る気持ちを抑えて作業をしている人もいるのではないでしょうか。
常にモニタリングできるシステムを設置できれば、危険ととなり合わせの作業は最低限になるでしょう。CASTはコア技術を研究していた20年以上前から、主要な用途のひとつとして“配管減肉測定”を考えていたのです。
お客様のニーズとCASTのノウハウの一致もあり、配管に常設する商品から開発を進めることにしました。
開発するうえでのこだわり
配管減肉モニタリングシステムの一番のポイントは「高温に耐えられ、付けっぱなしにできること」です。設置したらほとんど触る機会はないからこそ、設置のときには「誰でも問題なく付けられるように」とこだわってきました。
というのも、CASTのセンサーはフレキシブル。正直壊れやすさは否めず、商品化する前には断線して信号が取り出せずに苦労していました。開発者の堤はセンサーの形を変えたり、金具のアタッチメントを自ら作ったりと試行錯誤。センサーの技術以外の部分に、多くの時間を費やしたのです。
リリースした商品の形状でテストを繰り返していると、何度触っても断線しなくなりました。自信をもって、商品化しようと思えた瞬間だったようです。
現在は100度に耐えられる商品としてリリースしています。ですが、アタッチメントをカスタマイズすれば、それ以上の温度にも耐えられるセンサーとして活用いただける可能性があります。
工場によって配管の状況や温度はまったく違うと思いますので、ご相談いただけますと幸いです!
また、製品及びCASTに興味をもってくださった方は、info@cast-sensing.comまで。
気軽にCASTについて聞いてみたいと感じた方は、深山まで、お気軽にご連絡ください。
次回は配管減肉モニタリングシステムの開発者のひとり、堤喬資のインタビュー記事を更新予定です。
コンテンツ設計・取材・執筆:小溝朱里
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