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近江vs鳴門 どこよりも詳しく見どころ紹介

第104回全国高校野球選手権大会
近江(滋賀) vs 鳴門(徳島)

打倒大阪桐蔭に燃える両校
勝ち残るのはどっちだ!?

ともに春のセンバツで大阪桐蔭に敗れた両校の対戦となる。

鳴門は初戦で大阪桐蔭と対戦。大阪桐蔭を相手に臆する事なく終盤まで僅差で競り合う熱戦を演じたのは記憶に新しい。終わってみればセンバツで大阪桐蔭が唯一の苦戦した相手が鳴門だった。

一方の近江はセンバツ準決勝まで全試合を1人で投げ抜き、準決勝で浦和学院と延長を戦い抜いてエース山田の疲労が蓄積された状態で大阪桐蔭との対戦となった。結果は1-18の大敗。

両校とも反省点とともに収穫も見つかったセンバツだったのは間違いないだろう。ともに県大会でダントツの優勝候補に挙げられ、各校が対策を練る中で見事に勝ちきり夏の甲子園切符を手にした。そのメンタルは賞賛に値する。

他校が「1回戦では当たりたくない」と思うであろう実力校同士。
1回戦屈指の好カードである。

投手力


近江は山田、鳴門は冨田と今大会を代表する右腕・左腕の好投手を擁する。

近江のエース山田は最速149キロのストレートとスライダーに注目が集まるが、何より特筆すべきはツーシーム系のスプリットの切れ味だ。勝負球としてだけではなく、この魔球でカウントを取る事もできるのが強み。ただカウントを取りに来る時は甘いコースに来る事もあるだけに、鳴門としてはストライクボールの見極めとともに早いカウントで甘い球を捉えられるかが重要になりそうだ。
リリーフ1番手はサウスポーの星野。近江の課題として山田に次ぐ2番手投手が挙げられるが、決して力のない投手ではない。この夏の躍進は間違いなく星野の左腕に命運がかかっていると言えるだろう。

鳴門のエース冨田は最速144キロのストレートと切れ味抜群のスライダーを武器に、非常に安定感がある。センバツで大阪桐蔭を相手にも臆する事なく右打者の膝下に投げ込んだ投球は見事だった。
球速よりもキレで勝負するタイプなだけに、近江打線は大振りになって詰まらされるようだと苦しくなる。
リリーフには4番を打つ前田が控える。冨田が注目されるが前田も長身から投げ下ろすストレートに非常に力のある好投手だ。ただこの夏は冨田が全試合完投しており、アクシデントが無ければ初戦で前田が登板する可能性は低いと見る。

打力


近江打線の中心は何と言っても4番の山田。ただマークが厳しく滋賀大会ではなかなか打てない試合が続いた。甲子園でも山田へのマークは厳しくなることが予測される為、山田以外の打者の働きが重要度を増すだろう。中でも俊足の津田、清谷の1、2番が出塁すると攻撃のバラエティが豊富になり、相手投手にとっては脅威だ。中軸の中瀬、横田は長距離打者ではないが非常に勝負強い。そこに山田の長打を加えて一気に得点につなげたいところだ。

一方の鳴門の打線も活発だ。徳島大会では4試合とは言え、セイバーメトリクスでチームの打撃総合指標を表すOPSでは出場校中10位の好成績を残している。トップの井川から三浦、前田、藤中と続く上位打線は力強く、ミートの上手い下位まで隙がなく相手投手は非常に苦労する打線と言えるだろう。徳島大会の盗塁は0個で、基本的には積極的な足攻めよりも送りバントできっちり進めるオーソドックスな攻撃スタイルと言える。ただ近江の山田と同様に徳島大会では4番前田の当たりが止まっていたのが気がかりではある。

この試合のポイント


両校ともに山田、冨田という大エースが君臨している。甲子園では初戦ということもあり余程の事がない限りは2人の投げ合いが続くだろう。

打線はどちらも得点力はあるがスイングの鋭さでは鳴門が上回り、スピード感のある攻撃では近江が上回る、というイメージだ。

近江のエース山田が万全の状態であれば、強力な鳴門打線と言えど攻略はなかなか難しい。それだけにこの試合は鳴門打線がどう山田を攻略するか、がポイントとなる。

鳴門は脚を絡める攻撃が得意なチームでは無い為、塁上から山田にプレッシャーをかけるというイメージは湧かない。それだけにボールになるスプリットを見極めて、時折甘く入るストレートを積極的に打ってプレッシャーを与えたい。

ただ気がかりなのは、鳴門の森脇監督が体調不良によりベンチ入りできず福本コーチが指揮を取るという情報だ。山田投手攻略は選手個々の対応では難しく、文字通り「線」となる打線で対応していく必要がある。
それにはベンチワークが欠かせない為、福本監督代行の采配が試合にどう影響するかにも注目したい。

近江としては横田、津田の二遊間のフットワークが素晴らしいだけに、守備でリズムを作って攻撃に勢いを与えたい。

ロースコアの接戦が予想される為、先制点が大きな意味を持ちそうだ。

甲子園ラボ

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