甲子園ラボ

高校野球ライター/大阪/「勝敗の向こう側にある景色」をテーマに、独自の視点で勝ち負けとは別の高校野球の素晴らしさを伝えられたら嬉しいです。

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【2024センバツ】データ分析で考える投手力ランキング

まもなく開幕する2024年のセンバツ高校野球。 筆者は例年、開幕前に出場校の秋の成績データを分析している。 そのデータをご紹介したい。 今回は投手力編。 好投手の条件 「好投手の条件」を定義するのは難しい。 メディア等でよく取り上げられるのはMAX○キロという球速だ。 「どれぐらい速い球を投げられるか」というのは、投手の将来性を考える上では重要な目安と言えるだろう。 今大会のMAX球速ランキングは下記の通り。 MAX球速ランキングトップ10 154 平嶋(大阪桐

    • 【センバツ2024】準決勝 中央学院vs報徳学園 どこよりも詳しく見どころ徹底解説

      第96回 センバツ高校野球大会 準決勝 中央学院(千葉) vs 報徳学園(兵庫) 準決勝の第二試合は初のベスト4入りを果たした中央学院と、2年連続の決勝を目指す報徳学園の対戦となった。 中央学院は今大会の1回戦が甲子園初勝利。 豊富な投手陣の継投と積極的な機動力野球で、甲子園初勝利の勢いに乗り一気にベスト4まで勝ち上がった。得点力も高く、今大会では相手のミスにつけ込んで得点を重ねるケースが多く見られる。 対する報徳学園は激戦ゾーンを勝ち上がり、準優勝した昨年センバツに

      • 【センバツ2024】準決勝 星稜vs健大高崎 見どころ徹底解説

        第96回 選抜高校野球大会 準決勝 第一試合 星稜(石川) vs 健大高崎(群馬)ともに常連校ながら、甲子園では初対戦となる両チーム。ともにセンバツでは初めてとなる決勝進出を目指す。 星稜にとっては今年の元旦に発生した能登半島地震の被災地石川県の住民の期待も大きい大会となった。その中で石川県勢として初めてのセンバツ準決勝まで勝ち上がった戦いぶりは賞賛に値する。 健大高崎は「機動破壊」という言葉と共に勝ち上がった2012年以来12年ぶりのセンバツベスト4。当時ほど盗塁を

        • 【2024センバツ】新基準バット導入で本当に長打は減った?ロースコアは増えた?

          2024年の選抜高校野球も5日目まで計15試合が終了した。 32校が出場する今大会は合計31試合が行われる。 つまりここが大会の折り返しとなる。  センバツ前半戦を終えて、ここまでの傾向をデータから分析していこうと思う 今大会最大の焦点まず今大会、ここまで最大の焦点となっているのは 「新基準バットが試合にどう影響するか」 であることは間違いないだろう。 メディア・SNS等では ・ロースコアの試合が増えた ・長打が大幅に減少した ・とにかく打球の飛距離が出ない(飛ばな

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          【センバツ2024】広陵vs高知 どこよりも詳しく見どころ解説

          大会4日目 第二試合 広陵(広島)vs高知(高知) 中国王者vs四国王者 大会屈指の好投手対決 「現段階では今まで見てきた中でNo1」 センバツを2度制覇、夏は2度の準優勝の経験を持つ広陵・中井監督が珍しく手放しで褒める。 それが広陵の現エース、高尾響である。 1年春からマウンドに上り、昨年は2年生エースとしてセンバツ4強、夏は2回戦敗退ながら優勝した慶應を相手に好投を見せた。高校野球ファンにはもうすっかりお馴染みの投手だろう。 一方の高知も平、辻井の2枚看板が昨

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          【2024 高校野球】センバツ打力ランキング

          いよいよ今日から開幕する2024年のセンバツ高校野球。 筆者は例年、開幕前に出場校の秋の成績データを分析している。 前回は出場校の投手データを紹介させていただいた。 今回は打力編ということで、各校の打撃データを分析していこうと思う。 データ分析で大切なのは、成績の良し悪しよりも「そのデータから何を読み解くか」という点である。 よって分析者の咀嚼力によって導き出される答えは異なってくるという事をご了承願いたい。 まず今大会の展望を予測するにあたって、 ・長打力 ・

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          新基準バットから考えるセンバツ展望予想2024

          第96回選抜高校野球大会が3月18日から開幕する。 組み合わせ抽選も終わり、開幕を待ちきれない高校野球ファンも大勢いるのではないだろうか。 初戦から好カード目白押しの楽しみな大会となったが、今回は「組み合わせを度外視した視点」から大会の展望を占ってみたいと思う。 メディア等では優勝候補として 大阪桐蔭 広陵 星稜 作新学院 の4校がよく挙げられている。 尚、出場キャプテンへの優勝候補アンケートは 1位 自チーム(20校) 2位 星稜(4校) 3位 どのチームも強い

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          【2023 夏 高校野球】決勝戦 仙台育英vs慶應 どこよりも詳しく見どころ解説

          第105回 全国高校野球選手権大会 決勝戦 仙台育英(宮城)vs慶應(神奈川) 2023年の夏の高校野球もいよいよ大詰め。 決勝戦というのは我々高校野球ファンに一抹の寂しさを感じさせるイベントでもある。 それは夏を彩ってくれた思い入れのある選手たちとの別れを実感する、そんな「ドラマの最終回」のような寂しさに似ているのだ。 2023年夏の激闘のフィナーレは仙台育英と慶應という、センバツ1回戦を戦った両チームによる決勝戦で締め括られる事となった。 仙台育英vs慶應皆さ

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          【2023 夏 高校野球】準決勝の見どころを徹底解説

          第105回 全国高校野球選手権大会 準決勝 第一試合 仙台育英(宮城) vs 神村学園(鹿児島) 第二試合 慶應(神奈川) vs 土浦日大(茨城) 準決勝の見どころ大会もいよいよ終盤戦。 準決勝は「大会の沸点」とも言える。 激戦を勝ち上がり、投げ抜いてきたエースの疲労が蓄積し、チーム力の限界が見えてくるタイミングで、同じくここまで勝ち進んできた強豪校との対戦。 それゆえに実力差は拮抗しているにも関わらず、思わぬ大差が開く事も多い。 昨年は聖光学院の佐山投手、近江の山

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          【2023 夏 高校野球】準々決勝の見どころはここだ!

          2023年 夏の甲子園 第105回全国高校野球選手権大会 準々決勝のみどころ大会でも最も面白いと言われるのが準々決勝。 1日で4試合が行われ、その日の登場校から必ず優勝校が出る。 そして各チームここまで勝ち進むと甲子園にも慣れ、そのうえ日程による消耗が比較的少ない為、好ゲームが期待できる。 これが準々決勝が最も面白いと言われる理由である。 今回は普段よりライトに全試合の見どころを解説しようと思う。 ①沖縄尚学(沖縄)vs  慶応(神奈川) 「好投手vs強力打線」 第

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          【2023 夏 高校野球 3回戦】神村学園vs北海 どこよりも詳しく見どころ解説

          2023年 夏の甲子園 第105回全国高校野球選手権大会 3回戦 神村学園(鹿児島) vs  北海(南北海道) 強打の神村学園に挑む、逆境に強い北海 ここまで打線が好調で大量得点を奪って点差をつけて勝ち上がってきた神村学園に対して、北海は二試合連続でサヨナラ勝ちと、対称的な勝ち上がりの両チームの対戦となった。 神村学園が序盤から得点を重ねる展開になるか、北海が得意とする接戦に持ち込めるか。 見どころの多い、非常に楽しみな一戦である。 鹿児島vs北海道鹿児島代表と北海

          【2023 夏 高校野球 3回戦】神村学園vs北海 どこよりも詳しく見どころ解説

          【2023 夏 高校野球 3回戦】仙台育英vs履正社 どこよりも詳しく見どころ解説

          2023 夏の甲子園 第105回 全国高校野球選手権大会 3回戦 仙台育英(宮城)vs  履正社(大阪) ここで対戦するのはもったいない 今大会の優勝争いを左右する大一番! 3回戦屈指の好カードとなった。 もはや説明はいらないであろう、優勝候補同士の対決である。 昨年の優勝校である仙台育英と、2019年の優勝校である履正社。 履正社は優勝した2019年以来の出場の為、「夏の甲子園連勝中」の両校の対戦でもある。 甲子園常連となった名門校ではあるが、両校の甲子園での対戦

          【2023 夏 高校野球 3回戦】仙台育英vs履正社 どこよりも詳しく見どころ解説

          【2023 夏 高校野球 3回戦】広陵vs慶応 どこよりも詳しく見どころ解説 

          2023年 夏の甲子園 第105回 全国高校野球選手権大会 3回戦 広陵(広島) vs  慶応(神奈川) 優勝候補、早くも激突! ハイレベルな打撃戦か!?  2年生エースの投手戦か!? 予測のつかない好ゲームに期待!! ともにセンバツに出場し、今大会でも優勝候補に挙げられる両チーム。 投打ともに力があるが、攻撃のタイプは少し異なる。 一言で言うならば、機動力の広陵vs破壊力の慶応。 今大会の流れを占う上でも、どちらが勝ち上がるか非常に興味深い一戦だ。 広島vs神奈川

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          【2023 夏 高校野球】文星芸大付vs八戸学院光星 どこよりも詳しく見どころ解説

          第105回全国高校野球選手権大会 3回戦 文星芸大付(栃木) vs 八戸学院光星(青森) 打線が活発な両チーム 投手力でわずかに八戸学院光星が上回るか 1988年 春 宇都宮学園 8-7 上宮(大阪) 1995年 夏 宇都宮学園 6-8 観音寺中央(香川) 2006年 夏 文星芸大付 11-10 関西(岡山) 2023年 夏 文星芸大付 9-7 宮崎学園(宮崎) 上記の通り、前校名の宇都宮学園時代から、甲子園で壮絶な打撃戦を展開してきた文星芸大付。スコア以上に、上記の

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          【2023夏 高校野球】智弁学園vs徳島商 どこよりも詳しく見どころ解説

          第105回 全国高校野球選手権大会 2回戦 智弁学園(奈良)vs 徳島商(徳島) 強力打線 vs 大会屈指の大エースともに高校野球ファンでは知らない人はいないであろう名門校同士だが、甲子園での対戦は初めてである。 奈良県勢と徳島県勢の対戦は夏に限ると過去に2回あり、1勝1敗となっている。春も含めると計5回の対戦があり奈良の3勝、徳島の2勝である。 直近の対戦は2016年で、この時は鳴門がセンバツで優勝した智弁学園を相手に5-2で勝利している。鳴門は日ハムの河野投手、智弁

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          【2023夏】甲子園出場校の地方大会データ分析 投手編

          2023年の夏の甲子園大会も1回戦が終了し、2回戦に突入している。 今更ではあるが、ここで一度各地方大会のデータ分析の結果を記しておこうと思う。 地方大会は各都道府県で試合数も対戦相手のレベルも異なるため、データからそのままチームの優劣を判断するのは危険である。 しかしデータ分析によって、各校が甲子園を手繰り寄せる勝因となったポイントは理解することが出来る。 今回は投手編。 投手データを分析するにはデータの少ない高校野球において投手力の分析は非常に難しい。 投手の総

          【2023夏】甲子園出場校の地方大会データ分析 投手編