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センバツ2023 城東vs東海大菅生 どこよりも詳しく見どころ解説

第95回選抜高校野球
2回戦
城東(徳島)vs東海大菅生(東京)

大型右腕に立ち向かえ、24の瞳

21世紀枠で選出された城東が名門・東海大菅生に立ち向かう。

城東は部員が12名しかいない。
しかし昨年夏の徳島大会ベスト4の前チームのレギュラーが4人残り「力のある世代」として、徳島県内では注目の新チームだった。

秋の四国大会出場は叶わなかったが、秋季徳島大会でベスト4に進出し、センバツの21世紀枠を勝ち取った。

対する東海大菅生は「エース日當以外は例年に劣るチーム」と目された新チームのスタートではあったが、秋の東京都大会で見事優勝し、センバツ切符を勝ち取った。

ただ年明け早々に若林監督、宮原部長の暴力事件が週刊誌で報じられ、不本意な形で注目を浴びる事となった。

Bチームのコーチを務めていた上田新監督が甲子園では指揮をとるが、苦難を乗り越えて深まったチームの結束を武器に甲子園で躍動したいところだ。

投手力比較


城東は2年生エースの右腕・岡が秋に急成長を見せた。驚くような球はなくオーソドックスな右腕ではあるが、コーナーに丁寧に投げ分ける投球術が光った。
リリーフの1番手は3年生右腕の清重も驚くような球威はないものの、しなやかなフォームから投げるストレートのキレが良く三振が奪える好投手だ。甲子園では清重が背番号1を背負う予定だ。

ただ秋は守備が乱れた失点により、県大会で敗戦した。学校のグラウンドを6つの部活と共有して使用している為、なかなか守備を思い通りに練習出来ないという不利を跳ね除けて、甲子園での躍動に期待したい。

一方の東海大菅生は190cm、105キロの大型右腕・日當の投球がカギを握る。最速148キロのストレートにスライダー・フォークのキレも良い今大会屈指の好投手だ。秋はヒットを打たれても動じず、幾度となくピンチを抑えてきた。その強気なメンタルが1番の武器なのかもしれない。
1つ懸念点を挙げるとすれば、秋の明治神宮大会で肩の違和感により途中降板した点である。
出来るならセンバツでは、全力投球を全国の野球ファンにお見せしたいものだ。

打力比較


城東は試合序盤から球を見極めて、走者が出ると積極的に動くのが攻撃のスタイルだ。1試合平均盗塁数3と、盗塁数は出場校中1位の成績を残した。また秋の公式戦は全試合で2回までに得点をあげてきた。甲子園でも先制点を奪って逃げ切りたいところだ。
攻撃でも中心は4番の新2年生・岡である。秋は打率.421でホームランも1本打っている強打者だ。他にも1番のスイッチヒッター加統、3番白川は練習試合・公式戦ともに打率が4割を越える好打者である。やや弱い下位打線が奮起出来れば得点力はさらにアップするはずだ。

対する東海大菅生は例年強力な打線と機動力が武器だが、秋季大会ではちょっとイメージとは違う印象だった。チーム打率は.333とまずまずだが、長打・盗塁ともに少なく、犠打できっちり進めて加点するケースが多かった。
中心となるのは4番の北島と5番の新井だ。
ともに秋はホームランを打っており、チームのポイントゲッターである。秋は1番を打った沼澤が不調だっただけに、センバツでは沼澤の出塁がカギを握るかもしれない。
来年に比べるとややパワーで劣るものの、接戦を勝ち切る粘り強さこそがこのチームの最大の強みであると言えるだろう。

この試合のポイント


東海大菅生のエース日當のピッチング、これがこの試合最大のポイントとなる。

投攻守ともに実力はやや東海大菅生が上回るのは否めないだろう。ただ当然ながら城東に勝ち目が無いわけではない。

東海大菅生のエース日當は長身から投げ下ろす力のあるストレートが武器ではあるが、細かい制球力があるタイプでは無い。都大会、神宮大会の傾向を見るとカウントを取りに来るストレートを打たれて、走者を溜める場面が多かった。データ上でも1試合平均被安打数が多く、WHIPSのデータで見ると1イニングに背負う走者の数は出場校中ワースト5位の数値となった。

ただしこのデータ以上に大切なのは、東海大菅生は2試合を除いてあとは2失点以内に抑えていると言う点である。

つまり「走者は出すけど失点を許さない」というピンチに動じないメンタルが強みと言えるだろう。

野球という競技の性質上、城東は勝利する為には相手以上の得点を取らないといけない。

城東打線の強みは選球眼・機動力である。

その強みを生かして日當のカウントを取りに来る甘いストレートを積極的に打っていきたい。

そして走者を出すと、得意な機動力で塁上からプレッシャーを与えて東海大菅生投手陣に「普段と違う」感覚を与えたいところだ。

その強みを生かすことで勝機が見えてくるだろう。

逆に東海大菅生としては序盤に先制点を取って主導権を握った状態で試合を進めたい。

その為には先発が予想される城東の岡投手の緩急を付けた投球に大振りする事なく、センターより逆方向へ低く強い打球を打つよう心掛けたいところだ。

東海大菅生ナインには監督交代というアクシデントを乗り越えた強さを甲子園で発揮してもらいたい。

城東は21世紀枠ではあるが、過去に徳島県選出の21世紀枠の初戦成績は
2010年 ●川島2-3大垣日大
2011年 ○城南8-5報徳学園
2019年 ●富岡西1-3東邦

上記の通り、強豪校と接戦を繰り広げてきた。
今回も強豪の東海大菅生を相手にどのような戦いを繰り広げるのか見ものである。

甲子園ラボ

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