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「関わろう」「繋がりたい」と思う気持ちを育めることこそが海外生活の醍醐味なのかもしれない。

前回の記事に書いた『外国人が日本で生活する上で何が大変だったか』のリスト。

■東京でさえ英語が通じないことが多い。(英語で話してくれないことも)
■電車などの乗り換えが複雑。
■ゴミの分別が難しい。
■コインしか使えないようなアナログなままな物事が結構ある。
■外国人に関わろうとしてくれない。

このリストの最後の「外国人に関わろうとしてくれない」に妙に納得というか、今まで文字で表そうとしてもピタっと来るものがなかったけれど、

そうか!これだ!

と感じた私。

思うに、この知らない他人と「関わろう」「繋がりたい」とする姿勢や積極性こそが、海外生活で培ったコミュニケーション能力やグローバルマインドで、

昨今よく耳にする「ダイバーシティ・多様性」を受け入れるという点ではこのマインドは非常に大切。というか、これから生き延びていくには必要不可で、今の日本(特に学校が)欲している要素なのではないのかと思っています。

同じ日本人でも外国人でも、新しく人に出会うということは、今までに自分が見聞きしてきたこと以外の何かを知る良い機会で、新しい刺激をもらう事によって自分の中で新たに気付かされることも大いにあります。

なので、初めて会う人と話をするときは『この人の良いところはどこだろう?この人から私は何を学べるだろう?』と常に探りたくなる私。

と言っている私ですが、最初からこんな調子であったわけではありません…

さすが多民族国家のアメリカ出身というくらいに、どこでも自分から話しかけていくうちの主人。私自身も結構おしゃべりだと思われてますが、いやいや、主人の横にいると寡黙な感じにさえ見られてしまうくらいです…

そういう主人のやり取りを横で見続けているうちに、私自身も変わってこれたのだと思います。

そしてそんな親を見て育っているからでしょう、子供達にも同じことが言えまして、例えば12歳の息子にしてみれば、飛行機の隣に座る人には必ずと言っていいほど最初に軽い挨拶をするようになっているほどです。

余談ですが、前回アメリカへの一時帰国で、隣の席になったアジア系の方に息子が、「アメリカ行くのは初めて?」と突然質問すると、「あ、うちに戻るところなの。」と返された時は斜め後ろで苦笑しました。

しかしその後に、息子がほぼ10年ぶりのアメリカへの一時帰国で、デンバーにはたくさんの従兄弟がいて、雪がたくさん積もってるから今からワクワクしてるんだ!と話すのを「それは楽しみだね、みんな待ってるね!」と返してくれる隣の席の方にとても好感を持てたのは言うまでもないでしょう。

そうやって一見余計とも思える言動で、ギスギスしそうな雰囲気を和ませることができて、その後のやり取りも、全く話をしないままのそれとは数段に違う居心地の良い雰囲気を作れます。

その一歩を踏み出せるか。

それは、その先に広がる世界がどのようなものか知っている人ほど積極的に行動を起こせるでしょう。

特に小さな子連れのフライトなど『周りの人が実は理解があって笑ってくれる人だったんだ。』と降りる前でなく、乗ったすぐの最初から分かっていればもっとリラックスして過ごせたのに。と思われた方も少なくないのではないでしょうか。

この人と「関わろうとする」「繋がろうとする」姿勢、恐らくこれは海外生活で身についたことなんだろうと。

そして、今回この記事を書くきっかけになったエピソードがあるので、そちらをご紹介しましょう。

それはこちら⏬

3年間の日本滞在を終えて、この夏にシンガポールに戻ってきた外国人の友人は、子供達を日本のフレンチスクールに通わせていたそうですが、なんとも言えない違和感を感じた。と言っていました。

同じフランス語を話していても、海外生活を経験したクラスメイト(もしくは親)と日本国内で生まれ育ってきたクラスメイトでは、相手との「関わり方」が違うと感じたと言うのです。

「関わろうとする」「繋がろうとする」姿勢が全く違う。

これは何とも興味深く、日本人に限ったことではないのだなと思った瞬間で、帰国子女が本帰国後に日本の生活に馴染むしんどさがあるのも無理はない。と改めて腑に落ちた瞬間でもありました。

これを踏まえて自分なりに考えた持論は以下の通りです⏬

恐らくこれはホームアウェイという状況が関係していて、必要性に駆られるかそうでないのかで違いが出てくるのではないかと。

ホームは、自分のテリトリー内なので、特に頑張ったり無理する必要もなく、むしろ新参者の品調べをするくらいなのかもしれませんが、

アウェイとなると、全く知らない新天地で、必死に情報を集めたり、友達を作ったりと、自ら動かないと寂しさに負けてしまう…

そんな境遇の人が1人でも周りにいれば、同じ境遇を話しあい、分かち合い、そして高め合い、楽しみ合う。

そのような状況を突破してきた人たちは、その化学反応のような素晴らしさを体験しているから、その場がだんだんとホームとなったとしても、その価値を知っているので「関わりたい」「繋がりたい」と思う気持ちはあり続けるのだと思います。

また、アウェイの気持ちが分かるからこそ、そこがホームに変わったとしても受け入れる体制ができていて、更にまた全く新しい価値観の持ち主からあらゆる面で学ぶことができるのでしょう。

これこそ究極のコンフォートゾーン脱出なのかもしれません。
痛みを持って初めて気づき、そして変われる。
物事ってそういうものなのかもしれません。

私もこれまで異国の地で散々な目にあったことが何度もあります。
その度に「もう2度と日本を出るものか!」と思うものの、毎回見知らぬ誰かに助けられ、恩を感じる体験を重ねるたびに、次は私が助ける側にならないと、と『Pay it forward』の精神に駆られます。

そういう有難さを感じるたびに助けてくれた相手のことや文化や国のことを知りたいと思うようになり、そこから自分が考えもしないような発想の仕方を学ぶことにも繋がります。

結論から言うと、

若いうちに海外に出て視野を広げることは財産になるのでどんどん出て行って欲しい!!

出来るだけたくさんの若者が一度日本を出て海外を知り、その知見を持って日本の内部に新しい旋風を巻き起こし活躍して欲しいと切に願います。

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