読書の記録

読書の記録を書きます。

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最近の記事

『早稲女、女、男』柚木麻子

<内容>   自意識過剰で不器用で面倒臭い「早稲女」の主人公・早乙女香夏子と、彼女を取り巻く微妙な距離感の女子五人の青春、恋愛、成長、仕事小説。 <おすすめポイント> ・大学生活の話が読める。 ・章ごとに視点が違う。それぞれ思考や行動が違うので面白い。 ・苗字でどこの大学の子かわかるところが面白い。 <感想>   「早稲女」のように「○○大学の人は~な人」という大学ごとのイメージがあるなんて知らなかった。人の属性で、(特に学校名などで)ラベリングするのは好きじゃない

    • 『春、戻る』瀬尾まいこ

      <内容>  和菓子屋の山田さんとの結婚を目前とした主人公さくらの前に、「お兄さん」を名乗る男が現れます。しかし、さくらには妹以外の兄弟はいません。マイペースですぐに周りと打ち解けてしまう一回りも年下の「お兄さん」と過ごすうちに、さくらの記憶がよみがえってきます。  「お兄さん」の作るおいしそうな料理がたくさん出てくるのも魅力。 <おすすめポイント> ・温かい気持ちになれる。 ・人とごはんを食べたくなる。 ・読みやすい。 ・平和的な気持ちで読める。 <感想>   瀬尾

      • 『嘆きの美女』柚木麻子

        <内容>  「美人ならではの悩み」を共有するインターネットサイト、「嘆きの美女」のアンチ・耶居子はサイトの管理人であるユリエに勘違いされたことをきっかけに美女たちと同居することになる。幼少期から「ブス」といじめられてきた耶居子と「美女たち」による成長小説。 <おすすめポイント> ・いや~な始まり方だけど、最終的にはそこまでモヤモヤではないところ! ・構成が面白い。 ・「転」が2回も3回もある。 ・料理の描写が良い! ・主人公がただの「いいひと」じゃないところが良い。

        • 『小説家の姉と』小路幸也

          <内容>   大学生になった主人公の朗人は一人暮らしをしていた小説家の姉に頼まれてマンションで二人暮らすことになる。しかし、朗人は姉がなにか嘘をついているのではないかと気になっていた。姉弟とその友人、恋人を中心としたお話。 <おすすめポイント> ・大きな事件は起きないが、退屈じゃない。 ・主人公:朗人の一人称で語られるので、すらすら読める。 ・出てくる人の性格がみんな良いので、安心して読める。 ・温かい気持ちで読める。 <感想>   小路幸也さんは、小学5年生のとき

          『賢く生きるより辛抱強いバカになれ』稲盛和夫×山中伸弥

          <内容>  京セラ、KDDIを創業、JALを再建した稲盛和夫とiPS細胞を開発し、京都賞、ノーベル賞を受賞した山中伸弥の対談集。 <おすすめポイント・心に響いた言葉> ・稲盛氏や山中氏の考え方、人となりを知ることができる。 ・リーダー論を学べる。 ・「人類の未来は科学の発展と人間の精神的深化のバランスが取れて初めて安定したものになる」  ・「リーダーという存在は、相手が聞く耳を持っていようともっていまいと、自分の信じるところを諄々と部下に説いていき、心から納得させないと

          『賢く生きるより辛抱強いバカになれ』稲盛和夫×山中伸弥

          『コンビニ人間』村田沙耶香

          <内容>  36歳の古倉恵子は、18年間コンビニのバイトを続けている。古倉は、自分が思う「普通」でいると周りに引かれてしまうので、マニュアル通りに動き、周りの人の話し方や服装の真似をしながら生きることが楽だと感じている。そのため、自分は女性である前にコンビニ店員であると考えている。 <おすすめポイント> ・「普通」とはなにか考えるきっかけになる。 ・自分が感じている世の中への気持ち悪さの正体が少し明らかになる(気がする)。 ・短いので読みやすい。 <感想>  日本語

          『コンビニ人間』村田沙耶香

          『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』金間大介

          <内容>  近年の大学生を含む現代の若者たちを主な対象として、どのような心理を抱えているか、自身も大学教授である金間大介が解読していく。 <おすすめポイント> ・読者に向けた質問があり、それに答えると自分がこの本に書かれているような特徴に該当するのか知ることができる。→より当事者意識をもって読むことができる。 ・一般に、このようなテーマの本になると当事者(この場合「いい子症候群」の人)は耳が痛い話が続いて辛くなることがあるが、この本ではユーモアたっぷりに書かれているの

          『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』金間大介

          『ヴァン・ショーをあなたに』近藤史恵

          <ビストロ・パ・マル>シリーズ二作目。 一話完結の短い物語が何編か入っている。 ジャンルは推理小説だけれど、フレンチレストランが舞台になっていることで、事件の内容や解決方法が他にはなくて面白い。 シェフの三舟さんが探偵となって謎を解くが、それはシェフとして人のことを良く観察しているからなのかなと思った。 レストランの話なので料理の描写が出てくるが、グルメレポーターのような描写があるわけではない。それでも、それを口にした人の描写から料理の味が想像できるところがすごいなと思っ

          『ヴァン・ショーをあなたに』近藤史恵