『ヴァン・ショーをあなたに』近藤史恵
<ビストロ・パ・マル>シリーズ二作目。
一話完結の短い物語が何編か入っている。
ジャンルは推理小説だけれど、フレンチレストランが舞台になっていることで、事件の内容や解決方法が他にはなくて面白い。
シェフの三舟さんが探偵となって謎を解くが、それはシェフとして人のことを良く観察しているからなのかなと思った。
レストランの話なので料理の描写が出てくるが、グルメレポーターのような描写があるわけではない。それでも、それを口にした人の描写から料理の味が想像できるところがすごいなと思った。シェフがお客さんに出すヴァン・ショーが暖かそうで、飲みたくなった。(ワインはまだ飲めないのでしっかりアルコール分を飛ばしたものを飲みたい。)
シーズンは過ぎてしまったが、クリスマスの話が入っていたのが嬉しかった。
読み終わった後に、作者紹介のページを読んで驚いた。
小学生の時に好きだった『アネモネ探偵団』の作者と同じ近藤史恵さんだったからだ。時をかけて違う本で同じ作者に出会うとなんとなく嬉しいなと思った。
<今回読んだ本>
題名:ヴァン・ショーをあなたに
作者:近藤史恵
出版:2015年2月27日 初版
発行:創元推理文庫