黎明期から最前線で挑戦し続け、成長市場をリードする存在――投資家から見たプロ人材市場の可能性とキャリーミーの魅力とは
こんにちは。キャリーミーnote編集部です!
キャリーミーは、ビジネス界に『プロ契約』を広めることで、個人の「挑戦」機会の創出、法人の「挑戦」へ踏み出すノウハウとリソースの提供をするためのサービスを運営しており、2022年3月までにシリーズBラウンド、累計5.8億円を調達しています。
2019年7月に実施したシリーズAでは、ピッチから3か月弱のスピード調達で1.1億円を出資いただきました。今回は、シリーズAのリード投資家として出資いただいたパーソルベンチャーパートナーズ合同会社にてPartner and Head of APACを務める石田真悟様にインタビューを実施。VCの視点から見たプロ人材市場やキャリーミーの可能性、課題、今後期待することなどについて聞きました。
ピッチイベントでの出会いから1か月弱で出資を決定
――まずは、パーソルベンチャーパートナーズ様の事業概要についてお聞かせください。
パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人材派遣、人材紹介、アウトソーシング、設計開発など人と組織にかかわる多様な事業を展開し、労働・雇用の課題解決に総合的に取り組んでいます。日本とAPAC地域においてビジネス展開し、昨期の全体売上収益は約1兆3000億円(IFRS)となり、7割が国内、3割が国外という内訳です。
パーソルベンチャーパートナーズ合同会社はパーソルグループのCVC(Corporate Venture Capital)となります。「HR Innovation」と「雇用創造」の2つのファンドを運営しており、国内外のスタートアップ60社ほどに出資させていただいております。
「HR Innovation」は、国内外の人材・労働力確保、人事マネジメントシステムなどをイノベーティブな手法で提供をしている企業に対して出資をするもので、中には協業や買収にいたるケースもあります。
「雇用創造」は、新しい産業の創出によって雇用を生み出すスタートアップに対して、ビジネスの成長を促すために、雇用の全面支援を含めて出資を行うケースです。
――キャリーミーを知っていただいたきっかけは何でしたか?
あるピッチイベントで代表の大澤さんと知り合ったことがきっかけです。「シリーズAの資金調達活動をしている」というお話をされていたので、個別でご相談したいとお声がけし、翌週にはお会いしてお話ししました。
我々としても、2017年にパーソルホールディングス株式会社およびグループ中核会社などに「パーソル」と冠した商号変更をしたばかりでしたので、まずは当社のことや、どういった領域に出資をしているかなどについてお伝えしました。その後、大澤さんからも改めて自社の事業内容や大澤さんご自身のご経歴を紹介いただき、早速シリーズAの本格的な議論に移ったことを記憶しています。
大澤さんはかなり前のめりの姿勢でいらっしゃったので、こちらとしても素早く話をまとめて、リードVCとして入らせていただくことになりました。通常、出資の合意までには2~3ヶ月程度はかかるものですが、3週間~4週間ほどで決まりましたね。
外部委託に馴染みのあるマーケティング領域と、代表・大澤の熱意が出資の決め手に
――キャリーミーに出資いただいた理由を教えてください。
キャリーミーの開拓している市場は「フリーランサー」「副業・複業」「スキルシェア」などの働き方の多様性を含めた個人サイドの観点、人材活用の多様性という企業サイドの観点の両面で、可能性を秘めているマーケットだと思っています。
特に、まだまだ当時はマーケット黎明期であったため、私たちが出資させていただくことで、このマーケットを創り、活性化するスピードを加速できるのではないかと考えました。
我々パーソルグループとしても複数の人材サービスを提供していますし、黎明期のマーケットに対しても積極的に、かつ全方位的に向き合うというスタンスではあります。実はキャリーミーがスタートする以前から、「フリーランサー」「副業・複業」「スキルシェア」マーケットに向け「HiPro」(前身は2011年に立ち上げをした「i-common」)というサービスを提供してきました。
キャリーミーは広義における競合関係にはなり得ると思っていますが、協業や出資をすることでマーケットが形成され、他の人材マーケットと同様、広がっていくことにつながればという思いで出資を決めました。
――人材関連のサービスは市場に数多ある中で、キャリーミーが他社と比べて際立っていた点、投資に至った決め手は何だったのでしょうか。
事業内容として、マーケティング領域に重点を置いて展開しているところがポイントでした。
マーケティング施策は多岐にわたり、例えばLP作成、SEM、タクシー広告など、各施策全てにおいて精通している人はほとんどいません。一方で、施策自体がタスクとして切り分けやすいのも特徴です。これが例えば経営企画の場合、どこからどこまでを任せればいいのか要件定義が難しく、企業側も外部委託しにくい現状があります。
加えて、マーケティング領域は、広告代理店や制作会社などの外部と協業して展開していく商習慣が以前からありました。そのため、プロ人材を活用したことがない企業も、外部人材に依頼するハードルが低く、マーケティング領域を起点にプロ人材の活用がより広がるのではないかと感じたことが決め手の1つです。
――投資の意思決定においては、起業家の人柄なども決め手の1つになると聞いていますが、起業家としての大澤の魅力はどんなところにあるとお感じでしょうか。
おっしゃる通り、経営者の存在も重要な判断基準です。大澤さんは過去、複数回起業し、2回の事業売却を経験されています。そんな方にもかかわらず、今でもご自身で先陣を切って泥臭く営業されている。これは大澤さん自身が、「プロ人材の活用が日本の労働市場に不可欠である」と強く認識しているからこその行動だと思います。
我々が1ヶ月かからずに出資を決められたのは、大澤さんのこの業界に対する思い、熱意を心底感じたからです。それは今でも変わりません。事業で上手くいかないことや試練もあったと思いますが、大澤さんの思いがトーンダウンしているところを見たことがないのです。黎明期の市場は、外的な要因等でいつ、どうなるか保証がない。そんな中で、「市場を創っていこう」「事業成長をしていこう」と気持ちを持ち続けることはなかなかできることではありません。
私が様々な企業に投資を行う中で感じていることですが、最前線で挑戦し続け、情熱が全く失われない大澤さんの姿は本当に素晴らしいと思います。市場や事業を大きくするためにどうするべきかという軸がブレないので、社員の方々も安心してついていけるのではないかとも感じます。
撤退も多い市場の中、最前線で戦い続け、成長もし続けている
――これまでのキャリーミーの成長について、どのようにお感じですか?
キャリーミーのいいところは、常に最前線に居続けようとしているところです。例えば、新しいマーケティング施策が出てきたら、まず自分たちで試みていますよね。開拓者であり続けているからこそ、変化にも柔軟に対応できるのだと思っています。
最前線にいると、もちろんリスクを被ることもたくさんあるでしょう。並の起業家であれば再起不能になるようなケースでも、事業を継続し、さらに最前線に居続けられているのは大澤さんの経営者としての手腕あってこそだと思います。挑戦できる環境に居続けられるように会社をハンドリングしているのは本当にすごいと感じている点です。
――業務委託市場の可能性と、その市場の中でキャリーミーに感じる可能性について教えてください。
出資させていただいた当時と比較すると、キャリーミーの顧客数、登録数、売上などの数値は大きく成長しています。市場という観点では、個人サイドの働き方の多様性は広がり、自分に適した働き方を選ぶ人はおおむね想定通りに増えました。一方で企業サイドの人材活用は、個人サイドと比較すると伸びが緩やかでした。
一般的な人材マーケットは今どちらかというと人手不足で、自社サービスを見てみても、転職市場、中途採用市場はどんどん伸びているのを感じますが、業務委託市場はそれとは逆の状況。つまり業務委託で働きたい人は増えているのに、企業での活用はそこまで進んでいないということです。そう考えたときには、まだまだ市場としては伸びしろが大きいと見ています。
企業側には一度でもいいから「プロ人材」の活用を始め、自社内では解決できなかった課題をプロが解決できたという成功事例を増やしていただければ、より市場は活性化していくと考えています。
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その中でキャリーミーに感じる可能性は、繰り返しになりますが、今も最前線に居続けていることです。人材領域は全体として参入障壁が高くはないので、参入してくる企業は数多くいます。しかし、業務委託市場はまだまだ成熟していないがゆえに、入ってきてすぐ稼げる状況にはなっていません。似たようなサービスを始めて撤退してしまう企業もたくさんいる中で、最前線で戦い続け、成長もし続けている。ここに、マーケットのトップランナーになりうる可能性を感じますね。
黎明期からサービスを開始し、成功体験を得た会社さんと長くお付き合いが続いていることもアドバンテージになっていると思います。
――キャリーミーの課題、懸念点があればお聞かせください。
市場の成長は大前提として、キャリーミーとしては、組織化が課題になってくるフェーズです。今後、非連続の成長をしていくために、組織化・仕組み化は欠かせません。黎明期は突破口をこじ開けていく必要があるため、属人的な個人の力量が重要でしたし、これが成果につながってきました。
一方で、ここから50名、100名、300名と成長する企業になっていくためには、組織オペレーションの整備は必須です。これはキャリーミー経営陣との定例会議でも非常に重要なトピックスとして扱っているところです。
組織化・仕組み化に貢献してくれる人の採用も急務だと認識しているため、キャリーミーでも昨年以降、オフラインでの社員総会や、セールスのインセンティブの仕組みの構築など、徐々に着手していっているように見えます。
それに加え、我々も含めて、外部人材を活用することによるメリットを企業側にしっかりと示していく、これまで以上に啓蒙していく活動は必要だと考えています。賃上げや人的資本経営など、人に投資する意識が大企業中心に芽生えてきていますので、必要性をしっかりと訴求できれば、外部人材へのコストも出し渋ることは少なくなっていくと思います。
成熟市場での経験を生かせる「挑戦の場」としてのキャリーミー
――今後、キャリーミーに期待していることは何でしょうか。
一言でいうと、引き続き最前線に居続けていただきたいということですね。組織化によって強い土台をつくり、成長し続けていただきたいと思っています。最前線に立つことで情報がどんどん入ってきます。良い情報はインプットし、適切にアウトプットし、ダメージを受けてもその後ノウハウとして生かす。そこはキャリーミーのDNAになっている部分だと思うので、引き続き期待しています。
成長を続けるという意味では、プレーヤーとしてこの市場に飛び込んでみたい方や、そういったマインドを持つ方々が活躍できるような組織化・仕組み化をしていきたい方にぜひキャリーミーのメンバーとして入社し、キャリーミーがさらに強いチームになっていってもらいたいと思いますね。
――どんな人がキャリーミーに向いていそうでしょうか。出身業界、共通するマインドなどがあればお伺いしたいと思います。
企業と個人、企業間に入って仲介役を担っていた人は業界問わずマッチするのではないかと思います。例えば、人材紹介や旅行代理店などの経験があって、これまでの経験を生かして未成熟市場で挑戦してみたいと考えている人はマッチするのではないでしょうか。
また、付加価値のある提案力を伸ばしたい人にも適した挑戦環境があると思います。単に「これだけ優秀なプロ人材がいますよ」という説明だけで企業が活用してくれるようなマーケットの成熟度ではないのが現状です。だからこそ、ここでチャレンジすることで提案力を磨くことはできると思います。
石田様、ありがとうございました!キャリーミーが開拓している市場や、運営しているサービス、そしてキャリーミーにご興味をお持ち頂けたら、ぜひ以下よりチェックしてください!
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