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きょうだい児

障害のある子どもの兄妹のことを、「きょうだい児」というらしい。

実際に、体験したわけではないけれど、私は彼らの気持ちが少し分かる気がする。







子どもの自己肯定感というものは、一説によると、親から「ひいき」されることによって培われるらしい。

「他の子どもに比べて、あなたが一番だよ」というメッセージを子どもなりに受け取っていれば成功、という感じだろうか。

兄妹がいたとしても、健全な家庭ならばバランス良く愛を伝えているのだと思う。

そう考えると、私は、母親からひいきされた経験がない。少なくとも、自分はそう感じている。
何故かというと、物心ついてからこっち、自分より手のかかる「父親」がいたからだ。

どんなに泣いていても、熱が出ていても、父に呼ばれれば母は飛んでいく。その度に、影でいくら悪口を言っていようとも、「母は父のことが一番好きなのだ」と感じていた。

今考えると、それは少し間違っているのだが。正確には、母が一番愛していたのは「自分自身」だった。

父が機嫌を損ねると、直接被害を受けるのは母である。母は、私たちを守るため、と言っていたが、実際は自分が叩かれたり罵られたりしたくなかったのだと思う。人間なら、誰だってそう思うだろう。

ただ、私は一度でいいから、父親より私を優先してほしかったのだと思う。どんなに父が怒り狂おうが、私の側にいて、私の方を見ていてほしかった。

結局、彼女が怒る父親を無視して逃げようとしたのは、自分が隠し通していた借金がバレた時だった。

急に家中の荷物が車に詰め込まれ、「おばあちゃんの家に行くよ!!」と言われた夜はびっくりした。まさか、自分の母親が夜逃げするとは思わなかった。

私は、何故かその時泣いて抗議して、結局、母の借金は父に露呈することになる。その借金も、母に言わせれば父のせいらしいが、私にはもう、分からない。






一度でいいから、自分が母の優先順位で一番をとってみたかった。でも、それはもう、過去の話だ。

私は、夫の一番になり、子どもの一番になった。子どもが「ママ〜」と私を求めてくれる度、何かが癒やされていく気がする。

これに依存しないためにも、自分の機嫌をとる選択肢をたくさん増やしたいと思う。

自己肯定感は、いつからでも上げられると信じて。





今日はこの辺で。
おやすみなさい。また、あした。



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