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休職したときに救ってくれた一冊。遠藤周作「沈黙」

こんにちは!みかんです。

今回は私の休職体験記です。


会社に行くのが嫌になった

入社6年目のころの話です。

私は役職が一つ上がり、部署異動がありました。

そのポジションの前任者は私の先輩で入社10年目の人でした。

彼は、なんとも仕事が抜群にできる方です。

彼が行っていた仕事を私がしてみたのですが、なんとも時間がかかる。

毎日残業の嵐。

それだけならまだ時間をかければよかったのですが、その時の上司が、まあめんどくさい人でして…。

・気分屋
・自分ルールの押し付け
・完全なる仕事人間

といった感じで、基本的にだれとでも仲良くできると思っていた私の自信が打ち砕かれました。

そう考えれば当時の上司すごい!(笑)

そんな生活が数か月も続くと思うわけです。





「アホらしい。」



何でこんな嫌な思いまでして仕事をしなければならないのか?

仕事なんてお金を稼ぐ手段でしかないのにメンタルまで崩す必要あるのか?

そんなことを毎日のように思い、どうすれば会社を休めるのか昼休みにネットで調べてみると…。

心療内科でそれなりの診断をもらえば休めることが分かりました。


いざ、心療内科へ

昼休みに調べ終えた私は、嫌な上司のもう一つ上の上司に噓をつきました。

私「会社のトイレで嘔吐してしまいました。早退させてください。」

早退を了承してもらった私は、そのまま心療内科に行きました。

先生に「仕事が辛すぎて死にたいです。」と言い重めの診断をもらえるように話した気がします。

病名、うつ状態

会社に電話し、すぐに休職できることになりました。


休職してみて初めて分かること

休職してみると相当無理をしていたことが分かりました。

当時の私は会社が全てだったような気がします。

・休日出勤なんて当然

・タイムカードを切って他の人のカードを借りて仕事。残業隠しなんて当然

・妻より会社の上司との付き合いが優先

会社での出世が価値観の最上位にきていたのでしょう。

そんな考えだったので休職すると絶望します。

「あ、出世終わったな。」

また当時は承認欲求を会社からすべて得ていたので、それが急になくなるとメンタルがズタボロになります。

承認欲求をなにか他のもので埋めたい。そもそもこの現実から逃げたい。

そんな考えから当時流行っていたゲームに課金。

その額100万円!

昼間から酒飲む!

ウィスキーの700ml瓶が1日でカラに!

そんな生活を続けていたので妻とは離婚の危機に!


そんなときに出会った一冊

そんな時に偶然、家に置いてあった遠藤周作の「沈黙」をぼーっと読んでいました。

ほとんど文章は頭に入ってこなかったのですが、ある文章のところで立ち止まりました。

「強い者も弱い者もないのだ。強い者より弱い者が苦しまなかったと誰が断言できよう」

遠藤周作 『沈黙』

涙が出ました。

私は会社を休む自分は弱い人間だと思っていました。

それは私が他の人に対して思っていたからでしょう。

この文章は、苦しさは他人と比較してどうというものではなく、その個人がどう感じたかという絶対的なものだと教えてくれます。

AさんBさんが同じ苦しい経験をしたとして、Aさんは何とか耐えた、Bさんは耐えられずに脱落した。

はたしてどちらの苦しさが大きかったのか?

同じ経験から受ける苦しさは人によって異なります。

耐えたAさんがすごいわけでも、耐えられなかったBさんがダメなわけでもない。

だってBさんが感じた苦しさの方が、数十倍大きかったのかもしれないのだから。

※Amazon のアソシエイトとして、この記事は適格販売により収入を得ています。


復職してみると見える世界が変わった

3か月休んで復職したのですが、出社してみるとそれまで見ていた景色と、全く違う景色が見えました。

・なんでみんなそんなに苦しい思いをしながら仕事をしているんだろう?

・結局のところ会社と私は契約上の関係でしかないよね

・心を壊してまで仕事をするなんてやっぱりアホらしい

そこから私は会社と一定の距離を取るようになりました。

会社は会社、私は私。

もちろん仕事はそれなりに頑張りますが、ぼちぼちでいいかという感じです。

また、自分の収入を会社に100%依存するのはリスクでしかないなと思いました。

そこから投資も本格的に始めました。

休職した経験、一般的にはネガティブな経験だと思います。

私の場合はその経験があったからこそ今がある、本当に貴重な経験でした。


この記事は相互フォローのきくちしんいちさんとのコメント欄のやり取りから書こうと思いました!

きくちさんとのやりとり。

きくちさん、ありがとうございました!

またいつもコメントしていただくみなさま。

みなさまとのやり取りが記事のアイデアに繋がっております!

ありがとうございます!



最後に、ダメな時期に寄り添ってくれた妻には感謝です!


こんな拙い文章を最後までお読みいただきありがとうございます!これからもサポートいただけるよう精進いたします!