『社会学と社会システム』という科目の攻略
▼こんばんわ。本日は、社会福祉士国家試験の『社会学と社会システム』という、くせ者科目(社会学者の方々すみません💦)の受験勉強の道しるべと小ワザを、僭越(せんえつ)ながらアドバイスさせていただきます😌
▼ちょっと長くなります🙏🙏 また、すでに社会福祉士国家資格をお持ちの方、対人援助関連資格をお持ちの方も、ぜひぜひ興味本位で、しばしお付き合いくださいませ🍀🍀🍀
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▼『社会学と社会システム』の受験勉強をしておられて、なんだか雲をつかむような、柱のない家に住んでいるような、ふわっとした感覚しか得られないという方々は多いのではないでしょうか❓❓
▼社会学という学問は、いちばん最初にどんなテキストを読むかによって、理解度が大きく変わってきます。
▼社会学は、取り扱う観察対象の範囲が広すぎまして、一冊のテキストにおさめるのがかなり難しいです。『社会学』と銘打った一冊モノのテキストは、たいていは内容を広く浅くカバーせざるを得ませんので、やや突っ込んだ内容が出題される(広く深く出題される)社会福祉士国家試験には対応できません🌀🌀🌀
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▼そこで、あくまでも受験勉強に特化する場合は、福祉士養成課程用のテキスト(中央法規、ミネルヴァどちらでもいいです)、またはワークブック丸暗記をオススメします👍👍
▼とくに、これから受験勉強を始められる方は、福祉士養成課程用のテキストやワークブックの範囲内に限って学習・暗記されるのがよいでしょう。てか、この時期になりますと、むやみに範囲を広げる時間がもうありません・・・
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▼つぎに、社会学を「社会を探究する学問」とお考えになりますと地獄です💀 そうではなくて、社会学は「人の『行為』を探究する学問」、もしくは「人の『行為』を決定づける要因は何かを探究する学問」であるとお考えくださいませ😌😌
▼政治、経済、文化、その他あらゆる社会は人の行為によって成り立っています。
▼人が2名以上になりますと、コミュニケーション(相互作用)という行為、もっと複数になりますと家族、集団、組織という行為の束(たば)、そして社会ということになります。
▼社会は、産業化、近代化、情報化という流れにしたがって、つねに変化し続けています。これらの流れも、人の行為によるものです。
▼人の行為によって集団、組織、社会ができますと、文化と規範、地位と役割、階級と階層が生まれます。そして、その中で人が生きていくためには労働や職業が必要です。
▼集団、組織、社会は、都市部と過疎地、また公か民間かでは仕組みも違えば文化も違いますので、人の行為の性質が異なってきます。
▼集団、組織、社会には、人の行為を規制する規範がありますが、必ず規範からの逸脱と、人同士の葛藤が生じます。それが社会問題です。これらも人の行為によるものです・・・
▼以上、社会学って、だいたいこんな内容です😌😌
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▼こんな学問、向こう3か月半でマスターするのはどう考えても無理・・・
▼私自身は、国試対策用のデータベースには以下のように分類・整理しています。頭出しをつけましたので、『社会学と社会システム』という科目ではだいたいこんな内容が出題されてます、また、社会学ってだいたいこんな中身ですよ、とご理解いただけますとさいわいです👍👍
⭐⭐⭐=第24回以降5回以上出題
⭐⭐=第24回以降3回以上出題
⭐=第24回以降1回以上出題
❌=第24回以降出題実績なし
●第24回以降を重視しているのは、第24回試験以降、出題科目が大幅に変更されたからです。
●カッコ内はキーワードです。
🟠 🟠 🟠 🟠 🟠
〔社会学理論全般〕
●システム理論(ホメオスタシス、定常状態、開放/閉鎖システム、創発特性、機能的等価性)⭐⭐⭐
〔行為〕
●M.ウェーバーの行為の4類型(価値合理的行為、目的合理的行為、伝統的行為、感情的行為)⭐⭐
●T.パーソンズの主意主義的行為理論⭐
●R.マートンの意図せざる結果、自己成就的予言⭐⭐
●G.ジンメルの心的相互作用❌
●E.ゴフマンの相互行為儀礼❌
●J.ハーバーマスのコミュニケーション的行為⭐⭐
●G.ミードの社会的自己⭐
●G.ミードのIとme⭐
〔集団〕
●C.クーリーの第一次集団・第二次集団⭐⭐
●W.サムナーの内集団・外集団⭐
●準拠集団⭐
●われわれ意識❌
●D.リースマンの社会的性格の3類型(伝統指向型性格、内部指向型性格、他者指向型性格)⭐
●E.フロムの権威主義的パーソナリティ❌
●C.クーリーの鏡に映った自己⭐
〔組織〕
●W.ホワイトのオーガニゼーションマン❌
●フォーマル組織・インフォーマル組織⭐⭐
●コミュニティ⭐
●B.ウェルマンのコミュニティ解放論⭐⭐⭐
●G.ヒラリーのコミュニティ⭐
●アソシエーション⭐
●R.マッキーバーのコミュニティとアソシエーション⭐⭐
〔地位〕
●社会階層(階層帰属意識、世代間移動、階層移動)⭐⭐
●M.ウェーバーの階級⭐
〔役割〕
●役割(役割期待、役割葛藤、役割取得、役割喪失、役割猶予、役割交換、役割形成、役割遂行、役割認知、役割分化)⭐⭐⭐
●E.ゴフマンの役割距離⭐⭐
●T.パーソンズの患者役割論⭐
〔官僚制〕
●官僚制の特徴(M.ウェーバーの官僚制、インクリメンタリズム)⭐⭐
〔政治〕
●権力(手段的機能、H.ラスウェルの『権力と人間』、W.ミルズのパワーエリート)❌
●階級(K.マルクスの階級・階層)⭐
●M.ウェーバーの支配の3類型(合法的支配、カリスマ的支配、伝統的支配)⭐⭐
●T.パーソンズのホッブズ問題⭐
〔経済システム〕
●経済システム(ホモエコノミクス、互酬性、シミュラークル)❌
〔近代社会・現代社会〕
●H.スペンサーの軍事型社会・産業型社会⭐
●E.デュルケムの機械的連帯・有機的連帯⭐⭐
●U.ベックの『リスク社会』⭐
●D.ベルのイデオロギーの終焉⭐
●ポスト産業社会(A.トフラーの『第三の波』、D.ベルのポスト工業社会)⭐
●科学化❌
●情報化(脱専門職化、操作主義)❌
●マスメディア❌
●ネットワーク❌
〔職業〕
●職業(均等処遇、職業階層、職業威信、成果主義)⭐
●I.イリイチのシャドーワーク⭐
●G.ジンメルの社会的分業⭐
●E.デュルケムの社会分業論❌
●大衆社会(中流意識)❌
●消費社会(W.ロストウ、K.ガルブレイス)❌
〔地域社会〕
●F.テンニースのゲマインシャフト・ゲゼルシャフト⭐⭐
●奥田道大のコミュニティモデル(地域共同体モデル、伝統型アノミーモデル、個我モデル)❌
●地域コミュニティ⭐
●町内会・自治会⭐⭐
●村落共同体⭐⭐
●農村❌
〔過疎〕
●過疎⭐
●限界集落⭐
〔都市化〕
●都市化(サバーバニズム、スプロール現象、インナーシティ、逆都市化、ジェントリフィケーション現象、グローバルシティ、コンパクトシティ、テクノポリス、情報都市)⭐⭐
●L.ワースのアーバニズム⭐
●E.バージェスの同心円地帯理論⭐
●リンド夫妻の『ミドルタウン』❌
●磯村英一の第三の空間❌
●鈴木栄太郎の結節機関❌
●A.トクヴィルの市民社会⭐
●スラム問題❌
〔文化〕
●文化(文化帝国主義、文化摩擦、文化伝播、文化的ヘゲモニー)❌
●W.オグバーンの文化遅滞❌
●P.ブルデューの文化資本⭐⭐
●R.ベネディクトの『菊と刀』❌
●社会化(一次的社会化、予期的社会化)⭐
〔宗教〕❌
〔民族〕❌
〔社会問題全般〕
●R.マートンの順機能・逆機能⭐
〔逸脱〕
●逸脱(分化的接触理論、割れ窓理論、統制理論)❌
●H.ベッカーのラベリング⭐
〔アノミー〕
●E.デュルケムのアノミー❌
●R.マートンのアノミー⭐
〔社会病理〕
●犯罪(司法取引、組織犯罪、ホワイトカラー犯罪)❌
●E.ゴフマンのスティグマ⭐
●いじめ❌
●エイジズム❌
〔環境問題〕
●生活環境主義、コモンズ、ニンビー、エコロジー的近代化⭐
〔社会運動〕
●社会運動❌
●N.スメルサーの一般化された信念❌
〔属性主義・業績主義〕
●属性主義と業績主義⭐⭐
●アファーマティブアクション❌
〔ジェンダー〕
●ジェンダー(ジェンダーエンパワメント、ジェンダーギャップ、ジェンダーセグリゲーション、ジェンダートラック、ジェンダーバイアス、ジェンダーメインストリーミング、ジェンダーロール)⭐
●フェミニズム⭐
〔生活・生活構造論〕
●ライフコース⭐
●ライフサイクル⭐⭐
●生活構造論❌
●生活時間⭐
〔家族社会学〕
●家族・世帯の定義と類型⭐⭐⭐
●核家族⭐
●家制度❌
●T.パーソンズの現代家族論❌
●W.オグバーンの家族機能縮小論❌
●現代の家族(女性の社会進出、家族機能の外部化、家族の個人化、DINKS、DEWKS、ステップファミリー)⭐
〔社会政策〕
●R.パットナムのソーシャルキャピタル⭐⭐⭐
●社会計画❌
●総合社会政策❌
●SDG⭐
●P.コトラーのソーシャルマーケティング⭐
〔社会指標〕
●社会指標(社会指標の目的、社会指標の開発、客観/主観指標、インプット/アウトプット指標、よい暮らしイニシアチブ、人間開発指数、満足度・生活の質を表す指標群、幸福度)⭐⭐⭐
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▼ちなみに、上記の内容で人名が重複している項目がいくつかあります。A.コント、G.ジンメル、M.ウェーバー、E.デュルケム、H.スペンサー、T.パーソンズなどです。
▼これらの人は初期の社会学者で、ひとつの社会現象を深くえぐるのではなくて、社会全体を(自分ひとりで)広く浅く説明しようとしたので、あちこちに項目があるというわけです😌
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▼以上にみますように、⭐と⭐⭐が多いことがご理解いただけましたでしょうか❓ つまり、広くまんべんなく出題されるという、非常に厄介な科目なんです、『社会学と社会システム』って😭😭😭
▼ただ、四の五の言っている場合ではありません。あらためて、福祉士養成課程のテキストもしくはワークブックをマッハで取り組んでくださいませ❗
▼まとめとして、『社会学と社会システム』攻略のポイントは以下のとおりです🌷
●福祉士養成課程のテキストないしワークブック以外に手を出さない❗
●問題は、広く深く出題される(広く浅くではない)
●出題される問題の圧倒的多数は、人名、事項とその内容を入れ替えてその正答を問うものである(項目と内容を一致させておくこと)
●項目の意味を調べるときは時間がかかるので、社会学事典のようなHPをお気に入りに登録しておく(私はいまも有斐閣『社会学小辞典』を使っていますが、この時期からはじめる方はオーバースペックです)
●過去問を十分吟味のうえ、ある内容を集中して学習し、ある内容は学習しないという取捨選択もアリかも
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▼『社会学と社会システム』以外のくせ者科目としましては、『福祉サービスの組織と経営』があります。また時間を見つけて、それこそマッハで要点を整理するよう鋭意努力してみます💪💪 おつかれさまでした🍵🍵🍵
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