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母との日々

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2021年11月の記事一覧

インディアンサマー

インディアンサマー

秋から冬にかけて寒さが日ごとに急速に増してくる中で、ふいに穏やかで温かい陽気になることがあり、それを日本では小春日和といい、米国ではインディアンサマーと呼ぶのだが、確かそんな季節の移り変わりが書き出しになっている小説があったはずだ、と思った。

『英語歳時記』の「インディアンサマー」の解説にあっただけではないかとも思ったが、なにか物語が続いていたような気がしてならない。陽気な物語とは思えず、まさか

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桜の枝が折れた話(4)

桜の枝が折れた話(4)

隣家は、今は茶屋だが、昔は宿屋を営んでいたということで、広い敷地があった。わたしが幼いころは半分くらいが竹藪だったが、それを切って1階が駐車場、2階が居室の大きな鉄筋の離れを作った。もう五十年ほど前のことである。

離れは全部で十室ほどもあり、敷地面積だけなら母屋よりも広いくらいだったが、この二十年くらいは、ほとんど倉庫と化していて、人のいる気配はまったくなかった。少なくともわたしの実家の裏庭に面

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ゆめとうつつ

ゆめとうつつ

川というよりは、きれいなコンクリートの水路のようなところに泳ぐ無数の鯉と巨大な鳥居のイメージは、伊勢神宮とは関係がないようだった。

わたしは、自分で旅行するようになってから伊勢神宮に行ったことはないので、母も連れて行っていないというのだから、行っているはずがない。ということは、あのイメージはどこか別の場所ということになる。

夢ではないと思うのだが、まれに、夢と現実が混同されてリアルな記憶だと思

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桜の枝が折れた話(3)

桜の枝が折れた話(3)

わたし自身は、隣の屋根にかかっている先端部分はそのままにして、というのは隣のケヤキがこちらの庭に二メートル以上も張り出してきているからだが、残りの枝をわたしが少しずつ切っていけば問題ないのではないか、と依然として考えていた。

業者に依頼にするにしても、そもそも、どこに頼めばよいのかがわからない。母が、およその値段をきいたリフォーム業者は問題外だった。これまで三回頼んだ修繕がすべてボッタクリといわ

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