CHROやHRBPが必要な5つの理由
人事最高責任者がいない
CEO(最高責任者)、CFO(最高財務責任者)は浸透していますが、CHRO(人事最高責任者)というポストはあまりないのが現状です。
なぜなら人事部長、人事役員という肩書で、経営者が決済権を持っているのが、日本企業のほとんどだからである。
大手企業になれば人事部長決済ということで採用を完結することが多いが、
役職付の採用の場合は、役員が出てくるケースが多いというのが現状である。
CHROとは、「人事最高責任者」を意味して、経営戦略の一部として、人事戦略を推進する責任者のことをいいます。
CHROは、採用、教育研修、従業員の管理、福利厚生など、人事全般を専門としています。
CHROの主な役割としては次の3つです。
1:人事面から見た事業結果の予測
2:事業目標達成を阻む人事問題
3:経営戦略に基づいた人事の実施
雇用の崩壊がはじまり、どのように社員を獲得していくのか、辞めさせないのかということを考えるのであれば、早急にCHROを置いたほうがいい。
今後の企業経営においてどのような機能を果たすのかをお話していきましょう。
人事面からみた事業結果の予測
CFOが財務予算を策定するときには、必ず事業戦略を実施した結果を予測し、それにもとづいて計画を立案していきます。
これと同じように、自社の人的資源という観点から見て、事業結果がどうなるかを予測するのがCHROの役割です。
予測をたてる際に、CHROは事業結果に影響を与える人事面での要素を洗い出します。
具体的には、戦略実施のために必要な人材は確保できているのか、適切な人材配置ができているのかという点があります。
また、要職にあるリーダーたちが、ビジネス環境の変化にタイムリーについていけるのか、チームを纏めることができるのかなど、将来的な状況も考慮しなければなりません。
予測される結果をどう評価するのか、適切な指標を設定するのかもCHROの役割。
企業の業績評価は主に経営数値に基づいて行われ、数字としてはっきりとして出てくるから効果もわかりやすい。
従業員のパフォーマンスは必ずしも数値では測れないこともあります。
どのような指標を使うべきか、場合によっては新しい指標の導入も含めて、CEOに進言をしていきます。
事業目標達成を阻む人事問題
CHROは、なぜ事業目標を達成出来ないのかを、人事の視点から指摘する立場です。
企業の経営不振の原因は、経済全体の落ち込み、金利の低下や通貨価値の変動など、外的な要因がたくさんあります。
しかしながら、こういった外的な要因ではなく、自社の人事面に原因がないのかを追求するのがCHROです。
例えば部門間の壁がコミュニケーションをはばみ、組織が円滑に機能していないのではないだろうか、競合他社への人材の流出が増加していないか、従業員の職場に対する不満が生産性を低下させていないかなど、人に関わる問題を診断していくことになります。
経営陣のリーダーシップについても検証をするのがCHOの役割。
経営のかじ取りをするリーダー達が必要な資質をそなえているのか、
業績回復を図るべく、組織を導く行動を起こしているのかなどについてのチェック機能を果たしています。
経営戦略に基づいた人事の実施
CHROは、新しいビジネスモデルを構築したり、事業計画を立てたりする段階から、経営陣のひとりとして参画をすることになります。
経営戦略に基づいた人事計画を策定するためには、それが不可欠だからです。
今後戦略に沿った採用計画を立てる。
また、事業の展開に応じて「いま、どの部署に、どんな人材が、どれくらい必要なのか」を判断して、人材を投入するのもCHROの役割。
定期的な採用や人事移動だけではなく、能動的に経営にかかわり、その時々の事業戦略を実現するのに必要なヒトの体制を整えます。
どれほど資産があり、どんなに優れたCEOやCFOがいても、従業員たちのパフォーマンスが悪ければ企業価値を高めることができません。
人的資源の管理は経営戦略を形成、実現する上で重要な要素であり、CHROが果たす役割というのは、益々大きくなっていくでしょう。
CHROに必要なスキルとは…
常に現場と経営陣の間に入って、ネゴシエイトしていくことが求められるスキルです。
人柄と信用度、営業要素、商品企画要素、マーケティング要素、広報宣伝要素が集まった中心のスキルであり、戦力分布図ではキレイな五角形が出来なければなりません。
一番いい方法はトップ営業をCHROに就任させることも一つの方法です。
人事が人材の墓場といわれるのは、会社内の信用預金がないのと、社内政治ができない人が多いから。
現場が氾濫を起こす理由の一つは、人事が現場のことを知らずに言いたい放題いいまくること。
会社の方針ですから守ってくださいといわれても、事件は会議室で起きているのではなく、現場で起きていることがわかっていないから。
従業員の不満や不公平感の愚痴を聞いたり、離職しそうな人がいたら察知する嗅覚も必要だ。
経営陣に対して進言をするのであれば、現場100回というのは当たり前だろう。
自分の席に座って、パソコンとにらめっこして、評価を集計したり、給与計算だけではありません。
営業スキルが必要なのは妥協点を見つける嗅覚やコミュニケーション能力も必要になります。
採用の時にはクロージングの際にも必要なのが、ボルトネックを見つける嗅覚です。
どこに問題があり、何が問題であり、どうやって解決するのかを、話しながら組み立てることができるかどうか。
予定調和では終わらないですし、言霊が入っていなかったら、薄っぺらいクロージングになる。
そうすると、内定辞退率が50〜70%という異常値になる。
改善をするときには自分たちの内的要因を探らずに、外的な要因で片付けようとする。
これでは根本的に変わらないし、採用担当は歩留まりを気にしてしまうことになりオワハラが横行する。
商品企画、マーケティングスキルが必要なのは、差別化、コンテンツをつくる必要があります。
その時に発想力から仮設を作り、どうしたらいいのかを判断する材料を集める情報収集能力も必要です。
「流行っているからやりましょう」、「他社の真似をすれば人が集まる」という安直なかんがえではない。
広報宣伝力というのは、コンテンツをどうやって広めていくかということにもつながる。
プレスリリースやSEOを利用したり、ホームページを活用したりしなければならない。
CHROのスキルを身につけるには、人事異動で育てていくのではなく、営業、人事、商品企画、マーケティングの候補生をまとめてチームを作り、
実際に経営陣の直下で仕事をしてみることで適性を見極めたうえで抜擢する方法がいいのかもしれない。
外から招聘をするという選択肢もあるが、人事部長クラスの人材を招聘したとしても、社内のハレーションが起きるリスクが大きいと言えるポジションでもある。
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