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対談を味わう vol.1 元シェイクダウン後藤秀樹さん―藤井ペイジさん対談

対談動画を見て私が感じたことを記録する「対談を味わう」という企画を始めます。

私は、対談を見ることが好きでYouTubeでいろんな対談動画を視聴して過ごしています。(対談好きが高じて、自分でも「キャリアの聴き小屋」というYouTubeチャンネルを開設し、対談動画をちょこちょこ公開しています。)
特にお笑い芸人の方やスポーツ界の方の対談動画が好きなので、これらの対談動画を見て感じたことを記録していきます。

第1回目の今回は

藤井ペイジさんのYouTubeチャンネルの企画「辞めた芸人に話を聴こう」。

(ペイジちゃんねる)

現役芸人の藤井ペイジさんが元芸人の方に芸人だったころのこと、そして現在のことを聴いていく人気企画です。

今回は、元シェイクダウンの後藤秀樹さんとの対談を味わいたいと思います。

後藤秀樹さんは、お~い!久馬(現ザ・プラン9メンバー)さんとシェイクダウンを結成。大阪心斎橋にあった心斎橋筋2丁目劇場で千原兄弟さん、ジャリズムさんらとともに活躍。約10年間のコンビ活動の後、ピン芸人、吉本新喜劇の座員として活動し、芸歴22年で芸人を引退されました。

(【完全版】元『シェイクダウン』後藤秀樹さん【辞めた芸人に話を聴こう File.25】)

この対談を通じてお二人の聴き方、話し方に特徴が感じられますので、そこに注目して視聴いただくと、いろいろと発見があり面白いです。

まずは藤井さんから

相手の発言をアシストし、話を促す

この動画だけでなく、「辞めた芸人に話を聴こう」シリーズで一貫しているのは「相手の言葉に補足を入れたり、相手の言葉に相槌を打ちながら言葉を足してアシストして聴いていく」という藤井さんの話を聴くスタイルです。
このスタイルの一端を見てみたいと思います。
以下は対談の会話の一部分です。
(ぺ:藤井ペイジさん発言、ご:後藤秀樹さん発言)


ご①:僕、普通に、高校の同級生とNSC入りまして(ぺ:あ、そうですか、はい)、なんか、高校の時に二人で、その当時で言うたらダウンタウンさんに憧れてますわね。
ぺ①:あー、もう、我々世代ですから、はい
ご②:んで、NSC入って、俺らもダウンタウンみたいになろうやとか言うて(ぺ:はい)、ところが同級生と入ってすぐ辞めたんですよ(ぺ:おっ)。その子が(ぺ:あ、そうですか。はいはいはい)。無理やって。ネタもやらん、ネタ作りもようわかってないし、
ぺ②:もう、ちょっと圧倒されたんですね(ご:そう)。そのお友達は
ご③:ギャグする奴とかいっぱいおって、俺辞めるわっていうて(ぺ:早っ)。4月に入学して6月くらいに辞めよったんよ。
ぺ③:でも、あの、入ってすぐは結構辞める人多かったですよね(ご:多かってん)。僕らの代もそうですけど。

・アシスト1
最初の後藤さんのダウンタウンさんに憧れてNSCに入ったという話(ご①)を「我々、世代ですから(ぺ①)」と「ダウンタウンに憧れを持つ世代」という理解を示して受け止めています。
・アシスト2
一緒に入った友人がすぐに辞めた話(ご②)は、まわりに圧倒されたであろう様子を想像し(ぺ②)、さらに実際すぐに辞める人が多かったという事実も絡めて、話に補足を入れています。(ぺ③)

このように相手が話したいこと、話していることにそって、相槌を打ったり、補足を入れるようにして、話を聴いています。相手の発言をアシストするような聴き方です。

芸人人生を肯定する問いかけ

ただ、相手の話したいことだけを聴くばかりではありません。後藤さんの芸人人生の肯定的な部分を引き出そうと質問を投げかけるところもあります。
(ぺ:藤井ペイジさん発言、ご:後藤秀樹さん発言)


ぺ①:なんか、こう、若い芸人さんにアドバイスとかあります?
ご①:はよ辞めろ。
ぺ②:いひひ、なんてことを、なんで、そんなこと言うんですか。
ご②:いや、違うんよ。それは、判断は22年かかったけど、もっと早くてもよかったかなと思うねん。
ぺ③:(天を見上げる)
ご③:勇気がなかった。
ぺ④:やめる勇気がなかった。
ご④:うん、最初は(ぺ:う~ん)。で、芸人ほどおもろい人生ないと思ってたから(ぺ:ほうほう、はい)。でも、今は、芸人やってる時よりも幸せやし、(ぺ:はい)楽しいから。あれ、あの時代、2丁目ブームの時、楽しかったけど、「良かったなあ~」じゃなし、「ああ、あんな時代もあったな、楽しかったなあ。でも、今の方が楽しいわ」って言えんねん。
ぺ⑤:あ
ご⑤:もちろん、子どももおって、嫁もおって、愛犬もおって、(ぺ:はい)で、ひらパーっていう自由にさせてくれている職場があって。だから、もっと辞める勇気があったらな、今が早かったのにな。
ぺ⑥:はあああ…
ご⑥:幸せがこんだけ(ぺ:うん)得るのに時間がかかったのは勇気なかったからやなと思って。でも、やってる人は、今若手の人でも(ぺ:うん)、辞めない人いるでしょ。すごいよ。
今やってる子は、やってるだけですごい(ぺ:うん、うーん)。辞めろ言うたけど、やってるだけですごい。まあ、あんな世界におれるなんて。

(一部省略)

ぺ⑦:うん、まあ、でも22年やってた意味もあるわけですよね。(ご:あ、)それがあったから、今みたいな
ご⑦:もちろん、もちろん。もう全然「やるんじゃなかった」感はないですけど(ぺ:うんうんうん)。だから、こうやってしゃべるのも(ぺ:はい)、緊張はしたけど、やっぱ楽しいもんね。

芸人時代も楽しかった。けど、今の方が楽しい、幸せと言い切る後藤さん。辞める勇気がなかったから22年かかってしまったと、もっと早ければもっと早く今の幸せにたどりつけていたかもと、どこか後悔のにじむ発言がありました。(ご②~ご⑥)
それに対して投げかけた「22年やってた意味もあるわけですよね。(ぺ⑦)」のひと言は後藤さんへの、また、後藤さんの芸人人生への愛情を感じられます。

後藤さんのサービス精神あふれるトーク

続いて後藤さん
後藤さんには盛り上がりどころを明示して話をしてくれるという話し方の特徴があります。
以下に例を挙げていきます。

「これ、どえらいことなったんよ(爆笑BOOING。第1回目合格事件)」
「これもね、えらい話があるんですよ(ABCお笑い新人グランプリ決勝。涙のお寿司)」
「忘れもしません(シェイクダウン解散のとき。プラン9結成の打診)」
「もう、忘れもしません(フォークダンスDE成子坂 村田渚さんに漫才コンビ直談判)」

等、この言葉の後に数々のエピソードが語られています。このように盛り上がりどころを明示して話をしてくれるので、聞き手の藤井さんも「何があったんですか」と自然に聞くことができますし、話を広げやすくなります。後藤さんの盛り上げよう精神を感じられるひと言とその後に続くエピソードに注目です。
それぞれのエピソードは後藤さんが臨場感たっぷりに語られていますので、ここでの紹介は割愛します。

聴きどころたくさん 芸人人生とその後の人生

NSC入学から現在に至るまでの歩みのほか、元相方で現ザ・プラン9の「お~い!久馬」さんへの想い、芸人引退後にダウンタウンのお二人と出会えた話など、聴きどころたくさんの対談となっています。ぜひ一度ご視聴を!

(【完全版】元『シェイクダウン』後藤秀樹さん【辞めた芸人に話を聴こう File.25】URL ↓)

(筆者のインタビューチャンネル キャリアの聴き小屋 URL ↓)


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