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今年も情報収集の時期到来!?2022年度新入社員研修(オンライン用)設計チェックリスト

この記事を読んでいただきたい方
・2022年度新入社員研修の手配を考えている人事担当者や経営者の方
・新入社員研修の設計や実行者の方
・OJTの実施者となる若手リーダーの方

はじめに

早いもので、今年も2022年度の社員研修や育成施策に関して、社内での予算取りや方向性を決めるための情報収集を始められた人事ご担当者様からのご相談が少しずつ入る時期になってきました。昨年や今年に関しては、コロナの影響による社会情勢の変化により、従来の対面型集合研修が実施できず、前例がないことばかりで研修担当者のみなさまは大変苦労されたのではないでしょうか。しかし、最近は、リモートワークが普及とともにオンライン研修が当然のように行われ、スタンダード化しつつあります。

しかし、私は経験上、新入社員研修に関してはオンラインとオフラインのハイブリット型で研修設計をすべきではないか、と感じています。オンライン研修でのインプット、オフラインでのアウトプット、OJTでの実地など、取りうる形態を効果的に組合せ、一連の新入社員育成施策となる研修設計ができて、はじめて機能すると考えています。

ちなみに、オンライン研修が普及する以前から、社員研修に関する課題は多くは似ていると感じています。それは、研修が単発のもので終わってしまい効果が継続されない、やりっぱなしになってしまっている、ということです。これはオンラインでもオフラインでも、共通した課題として捉えている人事ご担当者様が多い印象です。そのため、研修設計の根本はオンラインでもオフライでも、そこまで大きく異なることはなく、あえて挙げるのであれば手段の問題でしょう。

とは言うものの、テレワーク導入企業様からは、「オンラインで研修を実施する場合、どのように手配や設計をしたらよいか」というご相談を、今年も受ける機会がありました。そのため、今回の投稿は、私が対人・組織支援職の人間として、研修講師や施策設計において新入社員研修に携わってきた際にベースとしていた大枠の考えをご紹介します。また、最下部に基本的なポイントをチェックリスト化したデータを掲載しておきますので、よろしければご参考ください。

1.新入社員育成と新入社員研修の意義を定義する

研修内容を具体的に考える前に、絶対外せない段階があります。それは、会社として、人事として、新入社員が配属後や1年後にどのようになっていてほしいか、新入社員育成計画のゴールを言語化です。それをしてから、新入社員研修のゴールを定め、研修を実施することの意義を言語化します。その後になってようやく、コンテンツや期間、手法などに着手します。

新入社員育成のゴールがブレたまま研修コンテンツの制作に入ってしまうと、何を伝えたい研修なのかがわかりにくくなってしまいます。新入社員研修を研修単体で捉えるのではなく、新入社員育成施策の1つの要素と捉え、育成計画と研修とが一貫性のあるストーリーを保てるように設計します。そのため、新入社員育成計画を立てる際には、経営層の方々や人事ご担当者様に、新入社員の配属後や1年後にあってほしい姿を言語化していただくワークショップや複数回のヒアリングなどを必ず実施します。

2.受講者の受講環境を確認する

オンライン研修の場合、受講者は自宅からPCやネット回線を使用し受講するでしょう。中には、有線環境がなく不安定な無線WiFiしか用意できない方もいるでしょう。また、現在の新入社員は、学生時代、たいていのことをスマホで対応できてきた世代でもありますので、自分のPCをもっていない方もいるかもしれません。そのため、オンライン研修実施前に、スケジュールに余裕をもって受講者の受講環境を一人ひとり確認し、環境が整えられない方がいるようでしたら、会社としての支援することも必要になるでしょう。

3.研修内容やコンテンツの検討

①マインドチェンジ

学生から社会人・企業人になるにあたっての心もちや意識の醸成、生活の送り方などを伝え、理解してもらいます。

②ビジネススキル

社会人としての挨拶やマナー、お客様応対、電話対応、報連相など、社会人として必要最低限の振る舞いができるよう、ビジネスマナーの習得を目指します。

③組織社会化

私は、これを新入社員研修において最も大切だと考えています。新入社員が会社や配属先に馴染むためにどうするか。最近は内定者の入社までつなぎ止めるための様々施策を講じている企業が増えてきましたが、その施策の延長線上で、一緒に働く社員や会社・組織の文化、雰囲気などを、より具体的に知ることができ、体感できる機会を研修の中に組み込むことが、配属後のスムースなオンボーディングにつながります。また、ここに力を入れることで、新入社員が自社・自組織を「自分はここにいていいんだ」という自分の居場所として捉えられることができます。それにより醸成される心理的安全性により、自社の社員としての自信や挑戦心、自律意識をもつことができ、新入社員個人の組織社会化が進みます。

また、組織とは別に同期の絆を育む取組みも、自社への愛着やエンゲージメントの醸成には有効です。新卒入社時の同期は、仮に配属先がバラバラになったとしても、情報交換や悩み相談、自慢などを気軽に話ができる相手にもなりますし、「あいつも頑張ってるから自分も頑張ろう」という励みにし合う関係性になります。同期との関係を育むコンテンツが、中長期的視点では新入社員研修で有効なものになりえると実感しています。

4.研修実施

オンライン研修の場合、オフラインでの集合研修では意識しなかったことを短スパンで意識する必要があります。たとえば、受講者が飽きずに集中して研修に取り組みアクティブラーニングの形にしていくためには、構成の段階で、45分-10分-4分の法則を意識して運営することが有効です。つまり、45~60分に1回の休憩を入れ、10分に1回の割合で講義形式からグループワーク形式に移すなどの形式転換を図り、4分に1回の割合で受講者にリアクションを求める、というものです。

また、レジュメを画面共有で使用することが多いと思いますが、レジュメ作成の際は、1スライドあたりの文字数を可能な限り少なく、フォントは大きく、画像や図、イラストなどを適度に挟み込んでいくレジュメ作成が必要です。また、スライド操作をするために、研修ストーリーを意識して、レジュメの目次や中扉、見出し、アニメーションなどを効果的に挟み込むことが必要でしょう。

5.研修後の継続フォローアップ

研修実施の効果として、4:2:4の法則というものがあります。研修を受講者の実になるようにするには、事前の意義理解などの準備に4割、実施に2割、事後の継続フォローアップに4割の力を配分していくことが必要というものです。

研修実施して終わりでは単発モノになり、翌日には学んだ内容の大半が忘れられてしまいます。研修内容の定着を図るためには、必ず継続的なフォローが必要です。たとえば、定期的な振返り研修や課題を与えたりすることです。

しかし私は、対人・組織支援職の人間として、研修後には短スパンの定期的1on1が効果的だと考えています。社員一人ひとりに向き合い育成するマネジメントが、社員のリテンションを図るためには非常に効果的です。できる限り一人ひとりに向き合った育成や関わり、つまり、ピープルマネジメントの観点で新入社員の育成に関わることが、彼らにとっても心理的安全性の醸成につながり、自信や自律心を身につけ、仕事に挑戦しやすい状況を生み出していくことになります。

今回は、オンライン下における新入社員研修設計にあたるポイントをかいつまんでご紹介しました。より具体的に確認してみたいという方は、オリジナルのチェックリストを下記に張り付けておきますのでご参考ください。また、研修設計や実行、1on1などでお悩みの方は、お気軽にメッセージなどいただけますと幸いです。

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