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2024年3月の記事一覧

【ガルシア=マルケス】いやぁ、文学って本当にいいもんですね

【ガルシア=マルケス】いやぁ、文学って本当にいいもんですね

G・ガルシア=マルケス「出会いはいつも八月」読了。
晩年、認知症で書けなくなった著者の、最終的にOKにはならなかった「未完」とされる遺作。

ひとくちで言ってしまえば人妻不倫ものだろうが、ひとくちで言うのが目的で小説を読むわけではないのだ勿論。

例えばこんな文章が私は好きだ。

話としてはラストまでいっているものの、後半部分はまだ完成形ではないので、やはり完成作品というよりは小説の成り立ち方の研

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「ライティングの哲学」を読んで

「ライティングの哲学」を読んで

この本は山門文治さんのこちらの記事で知りました。

記事で一番目に紹介されているのと、表紙があらゐけいいちなのが決め手で購入しました。

私は文筆で身を立てている訳じゃなし、noteも本能の赴くまま書き散らかしているだけで、書けなくて困るということもありません。
だからこの本のメインテーマ部分は私にとってほぼ関係のないことです。
それなのに何故この本に引かれたのでしょうか。
この本の中で「書くこと

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「宇宙思考」を読んで

「宇宙思考」を読んで

Uniさんの読書記録で紹介されていた「宇宙思考」が面白そうだったので読んでみました。

量子

宇宙に漠然と興味はあるものの知識は小学生レベル(自分の)なので、天文物理学者である著者の説明文は難しかったです。

例えば、

という文章なら読めばどういうことかすんなり理解できますが、

という文章を読んでもすぐには飲みこめません。
これは、例えば画面にオシログラフ的な波形があってタッチペンで波形上の

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吉田棒一の文体について|議事録tweet分析

吉田棒一の文体について|議事録tweet分析

吉田棒一「第三のギャラガー」(2022年9月発行)読了。
前回読んだ「ブロッコライズド」(2019年8月発行)からさらにパワーアップしている。

◼️言葉遊び

偏執狂的に言葉の連想を繋ぐスタイルは一層度を越して止まらない。

ここだけ取り出されても不可解かもしれないが、とにかく言葉の泉が溢れ転じていく様は、読者の方も経験知識教養を試されることとなる。

◼️詩情

この詩とは詩情のことだと思う。

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