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読書感想文

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2022年9月の記事一覧

「金魚と日本人」を読んで

「金魚と日本人」を読んで

日本人に親しまれ愛されている金魚。そもそもは中国から伝来したものだそうだが、今では最も日本的なアイコンの一つと言っていいだろう。
その金魚が日本で一般的になった過程を主に江戸時代のブームに視点を据えて探る。
日本に於ける金魚の歴史を紐解いていくが、結局のところ「はっきりしない」
まず金魚がフナからできたというのは知られているが、フナという魚は存在しなくて、「どのフナ?」というところからわからない。

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「手の倫理」を読んで

「手の倫理」を読んで

感覚のヒエラルキーとは
視覚、聴覚……精神的、上位
嗅覚、味覚、触覚……動物的、下位
ということらしい。確かに人は視覚に大きく頼っているし、失った場合の重大さを考えても視力>聴力>嗅覚・味覚、というのはわかる。
触覚に至っては失うことも持ってることも意識にのぼることは少ないのでは。
そんな「触覚」の大切さについて、とくに人に対して「さわる」「ふれる」ことについて深く考えてみる本。

日本人は体に触

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死んでから花をほしがる奴なんているもんか問題

死んでから花をほしがる奴なんているもんか問題

ありてなければ 「無常」の日本精神史/竹内整一

読了。

はかなさとは何か。
花火のはかなさを愛でる日本人の精神性はどこから来るのか。
万葉から近現代まで思考されてきた「はかなさ」の正体に迫る。
付箋が山盛りになってしまった。
それもそのはず、巻末の解説にある通り、この本は「竹内流の引用の万華鏡で諭す言葉の小宇宙」「言葉の玉手箱のような珠玉の一冊」なのだ(彦摩呂?)

はかなさを知るのはいつだろ

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