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鉄道会社の異常すぎる新入社員研修②

前回からの続きである。

ちなみにこの社員研修は6年くらい前の話である。昭和の話ではない。


研修施設にたどり着いた新入社員200人は翌日に行われる入社式に備えて、体育館で練習を行うこととなった。体育館にパイプ椅子が並べられており、集められた新入社員は50音順で席についた。まるで卒業式の感じである。


※入社式の練習ってなんやねん



そして壇上に講師(研修担当の人事部社員)が上がってきて、次のようなことを話しだした。


『弊社の入社式は地上波テレビや新聞に載るので気合を入れて取り組め』
『社会人は声出しが基本』
『鉄道マンは何かあったときにはとっさに大声を出さないといけないことが多い。大声を覚えろ。』
『全員が大声出せるようになるまで入社式の練習は終わらない』

戦慄した。
いきなり部活が始まったかと思った。
事態が飲み込めないまま、いきなり発声練習のコーナーがはじまった。講師が一人ずつ名前を読んでいくので大声で返事をするよう指示された。

講師『A山B男!』
A山くん『ハイ』
講師『声が小さい!やり直し!!!』
A山くん『ハイいいぃ!』
講師『A山B男!』
A山くん『ハ、ハイイイイイイイ!』
講師『声が小さぁぁぁぁあい、ナメとんのかぁぁあぁぁあ』

以下無限ループ。


※大声出せない人もいるよね

どんなに大声出しても終わらないのである。200人の声出しが終わるまで2時間くらいかかった。僕は生まれつき声がでかいのでなんとか乗り切れたが、特に女の子は可哀想だった。なかなか大きな声が出せない人たちは前に出されて謝罪させられていた。こんな公開説教が研修中に何回かあったし、泣いてる子もいた。講師も新入社員も、数人のデキない新入社員に対してイラついていた。今思うとこうやってパワハラが横行するのだと思う。

研修の終盤ではみんな喉を壊し、変な咳をしていた。僕も夏頃まで咳が治らなかった。コロナ禍の今では絶対に考えられない。
この経験からうちの新入社員はみんな声がでかい。礼儀正しい風には見えるが、無理してやってると思うとほんとやだね。

今思うにこういった一連のやり取りは、講師と新入社員の主従関係を明確にさせるための洗脳だったのではないかと思う。今の僕だったらブチギレ返してたと思うけど、新入社員初日の僕にはそんな度胸はなかった。思い出すだけでイライラしてくる。

翌日にあった入社式は特に問題なく終わった。次回は新入社員研修の中で行われた自衛隊研修や、研修中の日々の暮らしについて書きたいと思う。

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