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乳がん術後腕の上げづらさ・痛み改善を目指して~がんになって始めた運動~

ルネサンス運動支援センター、大阪国際がんセンター認定がん専門運動指導士の「ひとみん」です。
※名前をクリック頂ければスタッフの紹介に飛びます。

今回ご紹介するのは、40代女性術後腕の上がりづらさと痛みに悩まれ、乳がんセミナーにご参加されたことをきっかけに運動を始められました。
運動内容や体の変化などについてお話ししたいと思います。


【運動できる場所を探して】

今回一緒に運動をするきっかけとなったのは、私たちルネサンス運動支援センターで月に1度開催している「乳がんサバイバー向けのオンラインセミナー」に参加されたのがきっかけでした。
そこでは、乳がんの術後や治療中に起きる動きづらさや体力低下をどう改善していくかといったお話や、運動体験を行っています。

運動支援センターのホームページでセミナーがあることを見つけてくださり、実際に受けてくださいました。

一緒に動いてみて、やはり運動したほうがいいと改めて思ったそうです。
術後半年以上経つけれど、なかなか腕の痛みが取れない、家事や仕事の後、腕が痛くてつらいという状況でした。また、仕事(パート)に行く回数を増やせるように、体力も付けたいということでオンラインでの運動指導がスタートしました。

私自身も乳がんを罹患し腕の上げづらさを経験したこともあり、少しでも運動で改善してほしいと思う分、いつも以上に気合が入りました。

【運動の内容】

痛みも強く出ていたことからまずはほぐすこと、緩めることから始めました。
月に2回のペースでの運動指導だったこともあり、一緒に運動しないときはご自身で行っていただけるよう、ルネサンス運動支援センターYouTubeに載せている内容も入れながら行いました。(ご自身で行うときはYouTubeを見ながら運動を続けてもらいました)

具体的にご紹介しますと
<テーブル拭き体操>
 テーブルを拭きながら、肩回りをほぐし、ストレッチをする運動です。

小さく動かしたり大きく動かしたりと動かし方や可動域を変えながら筋肉の緊張を緩め、可動域を広げていきました。
腕が痛いと上げることが苦痛に感じたり、代償動作が入ってしまうことが多いため、腕を上げずに可動域を少しでも改善することを目的に行いました。

まずは、これをできるだけ毎日。食卓を拭くときなどに工夫しながら行っていただくようにお伝えしました。
その他、タオルや棒を使って腕を動かす運動なども実施しました。

<姿勢改善>
腕が上がりづらい理由は様々、人によっても違いますが、姿勢の崩れも腕の上がり辛さにつながることがあります。

痛いのをかばって、気づけば背中が丸くなっている。
ご自身でも「猫背姿勢が気になります」とお話しされていました。

姿勢を整えることが腕の動きやすさにもつながるし、姿勢を改善するための筋力をつけましょうということで、肩甲骨を動かす運動や、ドローイン、下肢の運動(スクワットなど)も実施し肩ました。

「がんになる前は、週に1~2回ジムで1時間くらいトレーニングしていたのに、すごく体力も筋力も落ちている」と感じられたようです。

<徐々に体力がついてきたと感じる>
一緒に運動を始めて1か月。
肩の痛みやツッパリ感はまだあるものの、運動することで気持ちも前向きになり、動くことのしんどさも少しずつ減ってきたようです。
「今までは長時間の外出もしんどくてできなかったけれど、不安なく外出できるようになりました。ちょっとずつ体力がついてきたことも感じられてきたので、来月からは仕事(パート)の回数を増やします。」と嬉しそうに話されていたのが印象的でした。

また、月に2回の運動だけではなく、仕事の合間にもう少ししっかり運動をしてみたいということで、ルネサンスオンラインライブレッスン(ルネサンスライブストリーム)にも、参加されるようになりました。
こちらで、乳がんの方向けの30分のエクササイズやヨガを週に4回受けられるようになりました。

運動を開始されて半年後には、肩の痛みやツッパリ感もずいぶん減り、腕も以前に比べて上げやすくなりました。

【可動域の変化】

どれくらい腕が上がるのか?を確認しながら、運動を行っています。
半年間、運動を続けてどれくらい変わったのかをまとめてみました。

<腕を前から上にあげる動作>
※本来の可動域は真上まで(180度)です。
運動開始時は75度(肩よりも下)くらいで痛みを感じてあげることが難しかったのですが、6か月後になると120度(斜め上くらい)まで上がるようになりました。

<腕を横から上にあげる動作>
※本来の可動域は真上まで(180度)です。
運動開始時は115度(肩の高さより少し上くらい)、 6か月後には140度なので、そこからもう少し上まで上がるようになりました。

<腕を背中にまわす動作(結帯動作)>
運動開始時は手がお尻のあたりで痛みを感じ、それ以上(腰の方に)上げることができなかったのですが、6か月後には、腰のあたりまで手をまわすことができるようになりました

腕を動かすと、胸や肩に痛みやツッパリ感がきつく出ていたのが、
運動を続けることでずいぶん痛みが弱くなったとおっしゃっていました。

【あとがき】

「ひとりでただ動くだけだとちゃんとできているかが不安なのと、やはり見てもらって動くと、体への効き方が違う」とおっしゃいます。

動きの癖や、動かし方をきちんと知って、正しく運動することが「動きやすくするための近道」だと改めて感じています。

動きやすくなることで、心も元気になり活動的な自分を取り戻すことができる、自分のしたいことができるようになる。
そんな目標を目指して、これからも多くのがん経験者の方の運動サポートをしていきたいと思います。

腕が痛いけどどうしたらいい?と悩むことがあればぜひ一度気軽にご相談ください。

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