日本のステキなレンガの建築 vol.1
レンガ=ブリックというと、なんだかニューヨークとか、イギリスの街だったり海外のイメージが強くありますよね?
でも実は、日本でも昔はレンガを使った建築は結構あった。。。
今となっては、レトロ感が評価されて高級ホテルにリモデルされていたり、商業施設になっていたり。
日本にある、時代を超えて評価されてきたレンガ建築をいくつかご紹介していきたい。
横浜赤れんが倉庫
日本のレンガ造りの建築といえば、赤レンガ倉庫。
横浜市民のみならず、東京のシティーボーイたちがデートしにきたり。バイクでツーリングにくるライダーたちで賑わっていたり。行くだけでオシャレさを感じられるスポットとなっています。
上の画像は、旧税関事務所跡の朽ちたレンガの前に、山盛りCAN’BRICKをおいて撮影したもの。
ここは、関東大震災で消失して復旧しないでそのまま埋めちゃって、また掘り返して公園のように使っているようですが、私が気になるのは、積み方とかレンガの表情とかで、どうしてもそちらに目が向いてしまいます。
天端辺りのレンガが火災のせいなのか、ちょっと丸っこくなっている。レンガを溶かす火力って・・恐ろしいですね。
それと、左側の上から5〜8段目くらいのレンガ目地が、小口のイモ目地で・・・どうしてこうなっちゃうんでしょう??
きれいなイギリス積みです。(小口積みと長手積みを交互に段を違えて積む積み方)
イギリス積みは強度的にも優れているということと、廃材をあまり出さない点で多く用いられていたそうです。
割り付けの最下段部は小口からはじめて、天端は小口でおさめるのが基本ですが、ちゃんとそうなっていますね。
ところが、次画像。
柱部分とその左右の目地が1段ずれています。 左から右に勾配のある敷地です。
一番左下部分・・小口で始まっています。それを追っていって太い柱にかかったら、、、あら?長手が積まれている。
函館金森れんが倉庫
函館のれんが倉庫・・・金森れんが倉庫です。
観光ですっかり有名になった函館BAY Area。
枯れた蔦が覆っているのでわかり難いですが、イギリス積みの倉庫と、フランス積みをベースとした擁壁(「BAYはこだて」と言うそうです)があります。フランス積みをベースとした、と書いたのは上部がイギリス積みに変わっているのです。上の画像の上から12段くらいの所から下がフランス積みになっていますね。
(長手・小口・長手・小口・・・・・の順に積んでゆく積み方)昔は、フランス積みが主流だったそうですが、函館のこのエリアを襲った大火事で多くの倉庫が消失したということです。
そこで再建するにあたっては、不燃材のれんがを使うということとなったそうですが、積み方はイギリス積みに変わっていました。
この擁壁の上部分がイギリス積みなのは、積み増したから、という説があるそうです。
なんにしろ、いい表情をしたれんがであることに変わりませんね。
ガサガサっとしたれんがの表情とか、当社の製品作りにいい刺激を与えてくれています。
三菱一号館美術館
明治時代に建てられた洋風建築には、れんがが多く使われています。
今回最後にご紹介するレンガ建築があるのは丸の内。
今では構想オフィスビルが立ち並ぶ、丸の内にできた最初のオフィスビル「三菱1号館」です。ジョサイア・コンドルという三菱お抱えの設計者による、クイーン・アン様式の煉瓦造建築です。
目地は、ここでもイギリス積み。 そして目地幅は8〜10mmで深目地仕上げ。
れんがを積み上げた後に、目地コテで深目地に仕上げる手間のいった仕上げで、陰影の効果が大きく、いい表情をしています。
窓周りには役物が使われています。(コーナー部分の面がとられています) こだわりを感じさせる逸品ですね。ただ、オリジナルは1968年に解体され、現在見る「三菱1号館」(「三菱一号館美術館」)は残っていた設計図や資料をもとに作られたレプリカということです。
End…
キャン'エンタープライゼズにはブリックを始めとした、意匠性の優れた建材に非常にパッションを持っているスタッフが多数在籍しています。
スタッフの感じていること、ちょっと違う視点から建築物をこだわって見てみるそんな読み物を提供できる場にしていきたいと思っています!
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