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あの年の夏風邪

ひどい夏風邪に苦しんだ今夏。

昨年の今頃もそうだった。

そして、38年前のあの夏も…

1985年(昭和63年)8月12日。

ニュースになるような大きな出来事に巻き込まれたり、関わったりすることのなかった私が、唯一身近に感じた大惨事、日航機墜落事故。

偶然にも同日に、別便だったとはいえ飛行機に乗った私にとっては、忘れることの出来ない、毎年思い出すこの日。

無事に1人旅を終え、祖母の自宅に到着した小学校低学年の私は、この時の惨状を次々と報道するTV画面を、今でも朧気ながら憶えている。

………………

祖母の家に行った際の恒例行事だった先祖の墓参。

その年の墓参の日、私は夏風邪をひいていた。

墓参後の帰りの電車内でのこと。

喉が痛いにも関わらず、進行方向の窓から受けた、冷たくて気持ち良かった風。

「喉にさわるから。」と、向かい側の席に座っていた祖母が、私と席を変わろうとした。

それに従わず、冷たい風を浴び続ける私を、心配そうに見ていた祖母。

………………

今夏、夏風邪に苦しむ中、掘り起こした思い出と大惨事。

現在、日航の全社員のうち、約99%が事故を経験していないという。

遺族の高齢化。

進む世代交代。

けれど、決して風化させてはいけない記憶。

伝えていかなければならない、大事な歴史の1ページ。


昨年の記事です↓


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