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お酒造りに魅せられた2人が語る酒造りと「酒粕ヘイジー」(後編)


阪神百貨店様とのコラボ商品として誕生した「酒粕ヘイジー」。こちらは、高知県香南市赤岡にある高木酒造さんの酒粕をたっぷりと使ったビールです。念願だった酒蔵さんとのコラボ、そしてそれが歴史ある高木酒造さんということで、素材や醸造方法にこだわり、日本酒らしい香りとともにTOSACOらしさも感じられる自信作が完成しました。
前編はこちら👇からご覧ください。


歴史と文化が息づく赤岡町で愛され続ける高木酒造

歴史ある酒蔵「高木酒造」のある香南市赤岡町は、古くから東の商都として重要な役割を果たしてきた商人の町です。現在でも、赤岡の街並みを歩けば歴史ある建物や蔵を見ることができ、当時の隆盛を伺い知ることができます。
また江戸時代には、人気を博した絵師・金蔵(通称:絵金)が赤岡で暮らし、創作活動を行なっていたことから、絵金の町としても有名です。絵金の芝居絵屏風を収蔵する「絵金蔵」では、恐ろしくて美しいこうした作品の数々を見ることができるほか、毎年7月には「絵金祭り」が開催され、地域内外から多くの人が訪れます。

写真提供:高木酒造

そして近年、赤岡町の代名詞となっているのが「どろめ祭り」です。毎年春に開催される「どろめ祭り」は、地引網で採れた生シラス「どろめ」を肴にお酒を楽しみ、豊漁を祝うお祭りです。
どろめ祭りの目玉イベントといえば、やはり「大盃飲み干し大会」。男性は1升(1.8ℓ)、女性は5合(0.9ℓ)を飲み干すタイムとその飲みっぷりを競うという規格外な大会です。豊能梅はその酒として、これまでたくさんの人に飲み干されてきました。

写真提供:高木酒造
大会で使われる大盃をみたら、このポーズを取らずにいられません。

高木酒造さんは130年もの間、赤岡町の隆盛とともに歩んで来られ、ずっと地域の人たちに愛されてきた酒蔵です。お話を伺っていると、そんな歴史ある酒蔵さんとコラボレーションできたことに改めて感謝の気持ちが湧いてきました。

32歳の蔵元杜氏が思い描く、高木酒造のこれから

酒蔵を見学させてもらいながらも、酒造りや経営者としての考えなど2人の話は尽きません。
一歩さんに、これから先の展望について伺いました。

瀬戸口:TOSACOは、元々ビールが好きではない妻をペルソナ(ターゲット)に設定し、飲みやすいビールを追求しています。一歩さんは、高木酒造のお酒をどんな人に届けたいですか?

一歩さん:20〜30代の方に届けたいですね。自分と同世代の方々に、日本酒って美味しいと思ってもらいたいです。日本酒というジャンルにはこだわりつつ、固執しすぎず柔軟に。今回のようなコラボレーションは既存のお客様にも新規のお客様にも楽しんでもらえる企画だと思うので、今後もさまざまな企画にチャレンジしていきたいと考えています。

瀬戸口:杜氏として、ご自身のオリジナルの銘柄を作られる予定はありますか?

一歩さん:自分の銘柄を新しく作るというよりも、現在ある銘柄を6代目の味にしていきたいですね。昔からの味わいを守りつつ、より高品質にすることが大切だと考えています。もしオリジナルの銘柄を作るなら…という構想は頭の中にありますが、それはまた今度。笑

写真提供:高木酒造
写真提供:高木酒造
写真提供:高木酒造

6代目蔵元杜氏による、「酒粕ヘイジー」正直レビュー

酒粕を使ったビールは、濁りがあって苦味が控えめなヘイジーIPAとして仕込みました。

グラスに注ぎ、最初に感じるのは柑橘を思わせる爽やかな香り。一口飲んでみると、甘みはありますがすっきりとしていて、酒粕や甘酒を使っているためか、ヨーグルトを思わせる酸味も感じられます。
と書くと、少しもったりとしたイメージを想像するかもしれないですが、そうした重さはまったく無く、飲み口は極めて軽やか。
アルコール度数は6%とやや高めですが、キツさは感じられず飲みやすい仕上がり
になっています。

今回は、一歩さんにも酒粕ヘイジーを飲んでもらいました。
気になる感想は…

一歩さん:苦味が控えめで、飲みやすいですね。濁りに米感と味わいの幅が感じられておもしろいです。日本酒であれば濁りから若草や杉の香りが出てくるのですが、ビールだとホップの香りを補強する感じになっているのでしょうかね。

瀬戸口:そうですね。柑橘的な香りが強いアロマホップをたくさん使っていますが、言われるように若草や杉のような香りも合わさって複雑みが増しているということかもしれません。酒粕や甘酒を使用することによって、ビールの原料だけでは出せない領域までアロマやフレーバーを伸ばすことができるのも面白いですね。

一歩さん:仕込みをしているところを、横で張り付いてずっと見ていたいです。日本酒は原材料が少なく、仕込みの段階である程度完成の予測が立ちますが、ビールは私にとっては未知です。また今回は、通常のビールの原材料に加えて、酒粕、甘酒、日本酒の酵母も入っているため、変数が多い。最終的な完成形を想像しながら作るのが難しそうでもあり、楽しそうです。

瀬戸口:確かに。悩みながらも、楽しんで試作をしています。

高木酒造とTOSACOのコラボレーションで生まれた「酒粕ヘイジー」。同じ酒業界で働く同志として、共感やお互いへの興味は尽きません。続きは、ゆっくりお酒を酌み交わしながら話すこととしましょう。

酒蔵へのリスペクトを込めて作った「酒粕ヘイジー」は、大阪の阪神百貨店とTOSACO TAP STANDのみの限定販売です。ぜひ見つけて、飲んでみてくださいね。

※2024.6.6現在、阪神百貨店(うめだ本店のみ)にて販売中です!
(在庫状況については店舗へお問い合わせください)
※TOSACO TAP STANDでは6/13(木)~から復活する予定です^^

💡高木酒造さん公式ホームページ

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