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テレビをボーと見る老人

 現在、私の親は母のみ存命です。父は私が子供の頃、亡くなっていますので、成人になるまで母は頑張って私たち兄弟(二人)を育ててくれました。
 その母ですが、現在、大阪市内の市営住宅に一人暮らしをしており、81歳になったばかりです。一応、私も大阪市内に住んでいるため、定期的に様子を見ています。

 母の様子がおかしいと気づいたのは、今年の7月頃のことでしょうか。認知症の最終段階であろう「あんた誰?」とまでは行かないものの、行政からの色々な手続の資料が放置されているというのに気がつき、あれ?ちゃんとできていないなと思ったわけです。
 色々と確認すると、市営住宅の家賃を減免してもらうための申請書類が提出できていなかったり、何かよく分からない保険料が引き落とされているため聞いてみると「そんな保険知らん」と言われてしまったりと。
 8月から、必要なのか必要でないのかよく分からない書類の山の片付けから入り、不明な保険料引き落としの詳細調査と解約手続、使っていないクレジットカード類の洗い出しから解約手続等々。
 キャッシュフロー表を作成し、家計の見直しを行い、不適切な出費を抑えるため、必要のない契約を打ち切り。最終的には、家族信託契約の作成なども行い、母の銀行口座の凍結に備えるなどもしてきました。

 もちろん、これで全て安心というわけではないのですが、やっと介護のスタート地点に立てたかな?、と言う気がします。

 しかし、これでも母の認知症の不安は拭えず、最近特に気になっているのは、日中テレビをボーと見ていることです。

 プレジデントオンラインに掲載された精神科医の和田先生の記事。この記事の内容と母のテレビをボーと見るというのが重なってしまいました。
 この記事でも書かれているのですが、テレビを見ることにより、幾つかの悪影響が発生します。

  • 座ったままの状態になることによる健康への悪影響

  • 運動量の減少(幸い、母は朝1キロ近く、散歩すると言うことをしているので若干ここはマシかなと思います)

  • 認知の歪み(思考の偏りってやつです)

  • 有害であるはずのアルコールのCMがなくならない事による視聴者への飲酒が良いというイメージの刷り込み

 上のような事が紹介されていましたが、私はこれ以上に「テレビはただただ見るだけのインプットのみで、アウトプットが伴わないため、頭を使うことがない」ことが一番の悪影響ではないかと思っています。
 視覚からのインプットのみではほぼ脳は使われることはありません。アウトプットを伴うことにより脳が使われていきます。例えば、同じ映画を見た知人同士で意見を言いあったり、小説を読んで、その情景を想像したり、などは頭を使うかもしれませんが、テレビで芸人がわちゃわちゃしているバラエティ番組を見たところで、脳を使うようなことはほぼ発生しません。
 このことからも、最近では私はテレビのことを「頭を使わない老人製造機」と呼んでいます。

 そのテレビを母は日中、ボーと見ていることが多くなっています。以前は、私がしつこく「テレビを見たらアホになるで!」と言い続けたので、一時ラジオを聞いていたのですが、ラジオは面白くなかったようで、つい先週ぐらいからまたテレビを視聴するスタイルに戻ってしまいました。

 母からテレビを引き離すため、デイサービスを申し込んでみましたが、気に入って通ってくれればいいのですが、どうなることやら・・・。

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