連作20句 夏の夜
小生が参加している俳句同人「ペガサス」の名物企画、錬成20句に提出したものを以下に記す。20句全て、季語は「夏の夜」という縛りを課した。ご感想賜れれば幸いである。
夏の夜の祖母のピアノの薄埃
夏の夜の祖母の愛したドビュッシー
本棚に数多の楽譜夏の夜
ぼろぼろの楽譜が一つ夏の夜
夏の夜や楽譜の裏に男の名
夏の夜の隠されていた古き文
コーヒーの雫の波紋夏の夜
筆跡の細く震えて夏の夜
まるで遺書めく恋文だ夏の夜
昔男あり夏夜に記す恋の文
夏の夜の男は今宵旅立てり
夏の夜の千人針の千人目
夏の夜のホームの隅で見届ける
託された楽譜の温み夏の夜
夏の夜の夜汽車は西へ向かいけり
夏の夜の明くれば八月六日かな
いつまでもあの夏の夜で待っている
夏の夜の祖母にも秘する恋のあり
夏の夜の燃える楽譜を眺めてる
夏の夜のやっと二人のドビュッシー
亀山こうき
・感想
「夏の夜」という季語縛りで連作。とても難しかった。うまくできた句もあったが、大半の句は詩情を欠いたり、季語が動いたりと、上手く作れなかった。季語の本意が分かっているようで分かっていなかったのだなと痛感。また、ペガサスの諸先輩方から今後の指標となるお言葉を多く頂戴した。ペガサス代表、羽村先生のお言葉の通り、自分を意図的に追い込んでの句作と言うのは勉強になるのだと実感。
今後個人的に、連作や季語縛りに挑戦して発表していきたい。
・ペガサスについてはこちら
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