マガジンのカバー画像

創作の糧(皆様の気になった記事を紹介)

98
ライティングや創作のヒントになるような記事。特に再読したい記事をスクラップしています。素晴らしい記事を集めています。ご参考になれば幸いです。
運営しているクリエイター

#季語

「歳時記」活用の落とし穴

俳句入門の際にまず準備するものは「歳時記」であり、多くの方がこれで季語を調べて句を作る。「歳時記」に収録されている四季の季語を主題に句作するのは伝統的な方法である。 だが、「歳時記」を有効に活用し、俳歴を重ねるほど以下のようなマイナス効果も助長する。 1:季語を説明しただけの句を作ってしまう 2:例句の影響を受けた類句、類想句を作ってしまうおそれがある 3:季題趣味、季感中心主義になり、句から作者の顔が消えてしまう 4:季語以外への詩的感性が衰耗してしまう 季語の

ソーダ水について

こんにちは。ictmと申します。 私は、夏の季語であるソーダ水がときどき飲みたくなります。 それは、ソーダ水が喉を通っていく感覚にさわやかさを感じるからです。 今回は、角川学芸出版編『俳句歳時記第五版夏』 角川学芸出版、2018年 75頁75頁に載っている「ソーダ水」という季語について紹介いたします。 「炭酸ガスを水に溶かした、発泡性清涼飲料水。無味のものをプレーンソーダといい、 一般にはこれに種々のシロップを緑や赤の色を付ける。」 次に「ソーダ水」という季語が 使われ

古典文学に見る季語の源流 第五回「卯の花腐し」「五月雨」

五月号(注:本コラムは結社誌二〇二〇年五月号に掲載)であるが、陰暦ではまだ四月である。そこで、今回は「卯の花腐し(うのはなくたし)」から始めよう。 卯の花は陰暦卯月、今の暦でいえば五月中旬に咲く。その時期に降る長雨を「卯の花腐し」と呼んでいる。卯の花を傷める雨を厭う初夏の季語である。 この表現の歴史は古く、順徳天皇(一一九七~一二四二)による歌論書『八雲御抄』でも、第三巻の「雨」の部に、 卯の花くたし。四、五月。万十に、春されど卯の花くたしと詠めり。 と紹介されている

朝寝について

こんにちは。ictmと申します。 私は、春の季語である朝寝を知った時、 この感覚が季語になっているんだと驚きました。 今回は、角川学芸出版編『俳句歳時記第五版春』 角川学芸出版、2018年 88頁以下89頁に載っている 「朝寝」という季語について紹介いたします。 「春の朝は、心地よさからつい寝過ごしてしまう。 その眠たさが心地よく、寝床を離れがたい。」 次に「朝寝」という季語が 使われている俳句を紹介いたします。 「美しき眉をひそめて朝寝かな」 高浜虚子が作った句です

現代版・芭蕉の旅(解説06)

芭蕉が訪れた那須湯本温泉に、今の時代に行くとすれば、高久駅から1駅の黒磯駅までJR東北本線に乗ればよい。 黒磯駅からは那須湯本温泉方面のバスが出ていて、30分ちょっとで到着する。 さて、高久と那須湯本に滞在した芭蕉は、ほととぎす(郭公)を句の中に入れた俳句を詠んでいる。 【1つ目】 落ち来るや 高久の宿(しゅく)の ほととぎす 【2つ目】 野を横に 馬牽(ひ)き向けよ ほととぎす 《解説》 ほととぎすは、「郭公」と表記するが、この漢字は

俳句のススメ②〜作り方〜

前回は私が考える俳句の魅力について書きました。今回は、「じゃあ、どうやって詠むの?」ということについて書きたいと思います。 おすすめの作り方俳句には、いろいろな詠み方があります。「俳句、作ったことない!」という方には、「五音の季語」+「詠みたいネタ」の順に配置するのをおすすめします! 詠みたいネタを作る季語はいったん置いておいて、まずは七五のリズムで、「詠みたいネタ」を詠みます。今日あったことでも、印象深い思い出でも、なんでもOK! ○スマホ忘れて / 待ちぼうけ ○河