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伝説のコージ!

エシカルパラドックス・コーチング伝説

【2042年】

2042年。

世界は大きく様変わりしていた。地球温暖化により海面は上昇し、多くの都市が水没した。また、気候変動の影響で異常気象が頻発し、人々の生活は大きな影響を受けていた。


梅田の高層ビル群の中に位置する「とまり樹」オフィス。そこで働くコージ・Dは、毎日のように重要な意思決定を下す。彼は仲間(クルー)と共に、「とまり樹」という鬱や孤独をなくすためのコミュニティを運営している。


彼はこのコミュニティの部長兼CEOであると同時に、優秀なコーチングコンサルタントでもあった。


彼の真面目な眼差しの奥には、かつてのラグナロクメンバーとしての厳しさが混ざり合い、途方もないカリスマ性を放っていた。



コージ・Dは、多くのクライアントから信頼されていた。


しかし、コージにはある秘密があった。それは、自分自身がコーチングという謎の存在だということだ。


【馬とコーチングセッション】


ある日、コージは仕事で馬小屋を訪れた。


「やっぱ自然って、オーガニックやなぁ」人工的な大自然にご満悦のコージ。


その馬小屋には、馬太郎という名の馬がいた。馬太郎は人の言葉を話すことができた。


「コージさん、コーチングはいますか?」


馬太郎はコージに尋ねた。


「コーチング?」


コージは首をかしげた。


ただ、自分が兼ねてからコーチングである自覚を持つコージは、後学のために、恐る恐る馬太郎に確認した。


「コーチングって誰?」


馬太郎は言う。

「コーチングの生物です。彼はあなたの身体に寄生しています。」


コージは驚いた、自分がコーチングに寄生されているという事実に。


コージが落ちつくと馬太郎は優しく語りかけた。


「コーチングは、あなたの力です。彼はあなたを助けてくれます。」


素直なコージは、馬太郎の言葉を信じることにした。


…次の日


コージと馬太郎は洪水に見舞われた。


コージは馬太郎と共に馬小屋に避難した。


洪水は激しさを増し、馬小屋は壊れ始めた。


「コージさん、助けてください!」


馬太郎は叫んだ。


コージは馬太郎を助けるために、コーチングの力を使った。


コーチングの力で、コージは馬小屋から馬太郎を助け出した。


コージと馬太郎は、洪水から無事生還した。


これからもコージは、コーチングの力で多くの人々を助けていく。


「世界をより良い場所にしていく。」



【イワシ&セッション】


駅のスタバでコージはいつものように、新作のフラッペチーノを賞味している。


「おいしいなぁ〜」ルンルン気分のコージ。


するとイワシがコーヒーを片手に、静かにコージの横に座った。


イワシは、コージに話しかけた。

「初めまして、見たところ…あなたはコーチですね?」


コージは、せっかくのティータイムの中、唐突に話しかけられ少し戸惑いながら

「そうですが・・・」と答えた。


だが、コージの鋭い目はイワシの目的をすぐに察知した。

「なにか、お困りのようですね。」


イワシはその言葉を待っていましたと言わんばかりに、コージに相談をし始めた。


「まずは決済です。」

コージはイワシを落ち着かせ、決済フォームを伝えた。


「コージさんすみません、そうですね。いますぐ、ネットバンキングで振り込みます。」


振り込み確認後、その場でセッションが始まった。


…幼少の頃から、空気が読めず、孤独に苦しむイワシとのセッション


だが、コージのコーチングの力(スキル)にかかれば解決することができた。


その後のイワシは、コージの運営する“とまり樹”に、たまに参加している。人との関わり方を覚え、過去の自分のように悩んでいる人のために活動している。


コージもコーチングの力を使いこなすことが上手くなってきた。

なお、イワシの味は星3つ。

ごちそうさま。


【コーチングの活用方法】


今日もコージは大忙し。


エシカルのために活動をする中、コージはクライアントからの依頼を右腕に受信した。


そのクライアントは仕事で失敗し、軽度の抑うつ状態となっていた。

この現状を変えたい一心から友人の勧めで、コージ・Dの元へ辿り着いたという。


早速振り込み確認を行い、クライアントとアポを取り、セッションへと向かった。


クライアントの話を受け止めながら、コージはコーチング・エネルギーを*伝説の右腕に集中させていた。(*コージの右腕は鉄でできている。)


ひとしきり、クライアントの事情を傾聴した後、コージはそのエネルギーをクライアントに向けて解き放った。


クライアントに放たれたコーチング・エネルギーは、クライアントに直撃した。


・・・セッション終了


クライアントは、これから生きていく勇気を得ることができた。


コージに気持ちを受け止められ、聞いていただいたことによる安心感と、コージから放たれたコーチングがクライアントの思考を変化させた。


その後、メンタルが回復し、仕事に復帰したのだ。

これからも、クライアントには多くの失敗と挫折をするのだろう。


…が、その失敗や挫折は、成長の糧として、クライアントをさらに強くしなやかにしていくのであった。


【刺身コーチング】


ある日、仕事帰りのコージはサウナで汗と共に、今日一日の疲れを流していた。


「やっぱ、サウナ最高やでぇ‼︎」上機嫌のコージ。


すると、隣に刺身が座った。

刺身は人の言葉を話すことができた。



「コージさん、お疲れ様です。」

と刺身は話しかけた。


「えっ刺身さんですか?」

コージは驚いた。


「あの時はお世話になりました!コージさんのお話を聞くと元気になれるんです。」


コージは少し照れながら

「ありがとうございます。」と言った。


「コージさん!またコーチング受けたいです!」

刺身は、続けてコージのコーチングを受けたいと申し出た。

よほど気に入っているようだ。


「かしこまりました、支払いはどうしますか?」とコージはにこやかな表情で言った。


「ありがとうございます。じゃあ、24回分割払いで」と刺身は言った。


刺身は、現状を打破するためのキッカケをコーチングに求めていた。

セッションを重ねるにつれ、刺身は常識に強く囚われていることに気がついた。


対照的に、コージのコーチングは、常識を置き去りにしていた。


過去、刺身はさまざまなカウンセラーやコーチングを受けたが、コージのそれ(コーチング)は、価値観を変えるには充分だった。


結果的に、刺身は現状を打破することができた。


コージと刺身の2人は、その後意気投合し、一緒に食事に行くことになった。


刺身は、とてもおいしかった。


星4つ。



【耳寄りな情報】


コージはある同僚から耳寄りな情報を得る。


「実は、、、君は大学時代、梅田で自分探しの中でコーチング寄生され、記憶を改竄されているんだ。」

同僚は言いづらそうに伝えた。


これにはコージは驚いた。


同僚が大学時代の自分が梅田で自分探しをしていたという、機密情報を知っていたことに。


それにしても、引っ掛かるのは、俺がコーチングではない、ということだ。


コーチングは寄生生物だったのか・・・。


また、寄生生物であるコーチングが自分の力(コーチングスキル)になっているという意味の理解が追いつかなかったが、どこか腑に落ちていた。


「・・・オレに秘められし力の正体って・・・」


コージは、ボソッとつぶやき


コーチング・エネルギーを両手に溜め、財布を忘れて家を出た。



【伝説のコーチ】


コージは考えた。

コーチングがクライアントの力になっている、成果も出ている。


だがコーチングの正体は解明されていない。


自分に寄生しているコーチング


・・・もっと知りたい。


コージは、調べた。


図書館やインターネット、2ちゃんねる等を駆使し、ご近所の井戸端会議に至るまでコーチングについて徹底的に調べた。


まず分かったことは、コーチングは、地球温暖化の影響で生まれた生物だと知った。


コージお得意の深堀りで、コーチングをさらに調べ続けた。


コーチングは、自分の思考や行動に影響を与える存在であるということ。


コーチングは、人間の潜在能力を引き出し、理想の方向に後押しするために存在しているということ。


また、オカンが言うには、コーチングは地球を救うために、人々に希望を与えるために生まれてきたらしい。


コージは、使命を果たすため、コーチングで人々に希望を与えていくことを決意した。


コージは、多くのクライアントを助け、地球を救うために活動した。


コージの活躍は、これから世界中に知られるようになる。


地球温暖化問題を解決し、人々に希望を与えることに成功した。


ファインダー越しの世界の#おしゃれさんとも繋がることができた。


コージは、人々の英雄となった。



【別れ】


ある日、コージは、コーチングからあることを告げられる。


コーチングは、コージの身体から離れなければならないというのだ。


コージは間髪入れずに返事をした。


「え?なんでなん?」


コーチングは言った。


「役目は終わったんだ。もうコージは一人前だ。コーチングの力は必要ない」


コージはコーチングが離れてしまうことを悲しんだが、コーチングの決断を受け入れた。


コーチングは、コージの身体を離れ、惑星エシカルへと旅立った。


コージはコーチングを見送りながら、感謝した。


コージは、コーチングがいなくなったことで、一人で生きていくことに不安を感じていたが、コーチングから教わったことを忘れずに、人々を助けていく決意をした。


コージは、コーチングの教えを胸に、人々を助け続けた。


その後、コーチングコンサルタントとしてさらに成功を収める。


彼はコーチングから学んだことを、多くの人に伝えた。


コーチングのおかげで、世界をより良い場所にすることができた。


だが、それはコージの人並み外れた努力があったからなし得たことだ。


やがてコージは、世界で最も有名なコーチングコンサルタントとなった。


おわり


【登場人物紹介】


【登場人物①】

名前:コージ・D(別名:コージ・B)*Bとは、BusinessのBです。

性別:男性

役職:部長兼CEO

性格:生真面目で優秀なコーチングコンサルタント。自分のことをコーチングと思い込む癖がある。元ラグナロクのメンバー。エシカルな活動に関心がある。大阪出身。大学時代に自分探しをしている中、コーチングに寄生された。

趣味:サウナとシーシャ、スタバ、カフェ巡り、インテリアデザイン

決め台詞:「#オシャレさんと繋がりたい」

事業:コーチングセッション、社会人向けコミュニティ、とまり樹という鬱や孤独をなくすためのコミュニティ運営。



【登場人物②】

名前:コーチング

性別:不明

性格:コージ・Dに寄生している謎の生物。惑星エシカル出身。


【登場人物③】

名前:クライアント

性別:不明

性格:コージ・Dを信頼している



【登場人物④】

名前:馬太郎

性別:不明

性格:コージ・Dを信頼している。今日も元気に馬小屋にいるぞ。人ではなく馬。人の言葉を話せる。

趣味:カフェ巡り、筋トレ

好きな食べ物:にんじん


【登場人物⑤】

名前:イワシ

性別:不明

性格:コージ・Dを信頼している。魚類に詳しくないので、実はイワシではない可能性を秘めている。味は星3つ。人の言葉を話せる。

趣味:サウナ、シーシャ、古着



【登場人物⑥】

名前:さしみ

性別:不明

性格:コージ・Dを信頼している。味は星3つ。人ではなく刺身。人の言葉を話せる。

趣味:サウナ、シーシャ、カメラ



【登場人物⑦】

名前:同僚

性別:不明

性格:コージ・Dの同僚。今日も労働中。

趣味:コーヒー・労働



【おまけ:RAPコーチング】


リアルにコミット

お客様に提供

自信がMOTTO

みんな最高 Year!!


【おわり】


タイトル:伝説のコージ

サブタイトル:エシカルパラドックス・コーチング伝説


ジンジャー・キャット 著

発行日:令和5年7月15日(第2版)

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