見出し画像

#05【設計事務所】 軌道に乗るってどゆこと

「軌道に乗る」とはどういうことか?

独立して3年と9ヶ月。定期的に仕事の話が来るようになった。今思うとなんとなく「軌道に乗っている」感じがするのだが、独立する前は軌道に乗るということがどういうことなのかいまいち具体的にイメージできなかった。「やっと軌道に乗った」と思える今、何がどう結実してそう感じているのかについて紐解きたい。

実績 × 人脈 = 案件の数

これに尽きる。この2つは共に積み重なっていくもの。そして指数関数的に相乗効果が増していくものだ。だから、少しずつでも着実に実績を積み重ねることで気づけば仕事の声がかかる可能性が上がる(はず)。むしろ、声がかからなくても「仕事ありませんか?」と聞ける相手も増えているはずだ。つまり「仕事がなくてやばい状態」からほど遠くなるということだ。つまりこれが「軌道に乗る」ということ。

ここで話が終わってしまうのは勿体無いので、この「実績」と「人脈」について一つずつ考察しよう。

実績


建築の仕事は必ず終わりがある。建物が完成すれば一つの作例として写真を撮影し、私はそれを簡易的なWebサイトに掲載している(ただ写真と簡単なコメントを記載している程度なのだが)。仕事を依頼してくる人は「この人はどんな仕事をしてきたのかな?」って調べる人は結構いる。何ができるのか、この人に期待していいのだろうか。何かあったら相談できる相手かどうかを検討するための判断材料として、Webサイトで情報を集める。だから簡易的なものでいいのでWebサイトは作っておいて損はない。

人脈


仕事を続けていくと、プロジェクトごとに必ず人との繋がりが増えていく。本当に人との縁はどこでっどう繋がるかわからない。なぜ、どうやってこの人は僕を見つけてくれたのだろう?という人から声をかけていただき、今も継続的に仕事をいただけてるのだから。

今までどんな経験をしてきて、何ができる人なのかを認知してもらうことができれば、案件が発生した時に思い出してもらえる可能性が上がる。私の場合は特に建築以外の仕事をしていることもあり人脈の幅はより広がった。

これ以降は、実績と人脈をより強固にし、仕事を引っ張ってくる確率を高めるためのツールについていくつか紹介する。

名刺

自宅兼事務所で見せれる看板もない設計事務所であるが故に、名刺はやはり第一印象として大切にしている。名刺は今のところ自分で作っているが、活版印刷でデザインもそれなりにこだわって作ったものだ。大きさも一般の名刺サイズよりも少し小さめにして、厚紙にすることで重厚感を出している。デザインに自信がなければ、外注で安くやってもらう方法もあるようだ。設計事務所たるもの、決して「名刺の印刷用紙にプリンターで印刷したもの」を配ってはいけない。

Webサイト

最初はただtumblrで写真を投稿しているだけでも十分だと思う。ただし、デザインのフォーマットやフォント、色は慎重に選ぶこと。スモールスタートだからこそお金はかからない反面、手間はかかるのは致し方ないと心得よう。

掲載する写真


私の場合、ちょっと特殊なのが掲載する竣工写真を自分で撮影していることだ。普通ならカメラマンに依頼するところだが、機材がそれなりにあるので竣工のタイミングに合わせて自分で撮影した写真を使っている。

「あそこの物件、私が手がけました」と言っても見せれるものと見せれないものがある。実績としてしっかり「残す」ためには、本来カメラマンに依頼して写真を撮影しておきたいところだ。今なら趣味で本格的な写真やっている人もたくさんいるだろうから探してみてはいかがだろうか。色々とやり方はある。掲載する写真は最低でも「素人が撮った写真」にはならないようにすることが最低ラインとして考えておきたい。

仕事の軸を何にするか


私の場合はほとんどが人からの紹介、仕事関係のつながりからの連鎖によるものだ。一人だから作例もそんなに多くはないし、建築もやれば内装もやるので「一貫性がある」とは言い難い。だから、本来やりたい仕事、得意としている分野に軸を絞って掲載すればきっと飛び込みで問い合わせが来ることもあると思う。作例を見て連絡をもらえるのだから、そういう仕事の受け方ができるのが理想かもしれない。

ファッション

これはちょっと余談だが、私はスーツが嫌いだ。だからと言ってラフな格好で社長に会うのは気が引ける。私はある程度まとまった収入ができた後から、長年アパレルで働いていた知人に有償でコーディネートを依頼している。骨格診断と言って、顔や体つきなどから似合う服をチョイスしてもらうのだ。それなりにまとまったお金はかかるが、服は自分の自信にも繋がるものだし、相手への印象にも大きく関わるものなのでその道のプロに任せている。そのほかのメリットとして、失敗が少ないこと、自分に合った服の選び方を理解できることなどが挙げられる。そして、大事な日に着る服を悩まなくて済んだことも大きいかもしれない。

まとめ
書いてみると、「いや、それ当たり前でしょ」って思うことかもしれないが、基本的には実績と人脈、この2つの掛け合わせがベースになる。それについて少し解像度を高めた解説をしたつもりだ。きっと業態やどんな取引先かによってやり方、考え方は変わると思うので、その辺は好きなようにアレンジしてみるといいと思う。どこかの誰かの参考になれば幸いです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?