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認知症の母の浪費対策 守られない“約束“1

 認知症であるとわかった2019年、母は認知症であることを一切認めず、カードや公共料金の督促状が届いてましたが、お金の管理は自分でできると言い張りました。持っている2社のカードの解約を拒否、通帳は私には絶対に預けない、と逆ギレする状態でした。(当時の様子は「認知症の母の浪費をやめさせるために」ご参照ください。)

 お金の管理を私ができなくても、まずは、今の浪費をこのまま続けてはいけないことを理解し、買い物をやめてもらわないといけません。
 収入から固定支出(マンション管理費、公共料金、固定資産税等)を引き、さらに最近のカードの支払い額を引くと僅か、もしくは赤字であることを、紙に大きく書いて説明します。
 元々母が月々固定支出として把握していた金額が間違っていたので「そんなはずはない」と言い出し、カードの支払い額の月総額は「支払い額を抑えるために分割払いにしているから、そんな大きな金額にはならない」と言い出し(分割払いが7件もあったら、分割払いの意味が無いのよ~)、説明は先に進みません。途中忘れもするので、説明は後退もします。
 母は自分の浪費を認めようとはせず、自分はお金の管理ができると言い張るばかり、私のイライラは頂点に達し、爆発寸前になったところで、私のパートナーが見かねて補足説明を始めました。

 母は他人が自分のことをどう思っているかが最大の関心事で、年齢より若く見られること、郷里のお嬢様学校を卒業していることが自慢、人前で恥をかかされると逆上します。他人である私のパートナーの説明になると、母の逆ギレモードがひき、きちんと話を聞きます。パートナーは冷静に、母の理解度に合わせて重要でない所は省略しつつ、説明を続けました。
 パートナーに手伝ってもらい、1時間半かかって、今のカード支払額が収入に見合うものではないことを母は認めました。病気で入院した際に必要なお金が無いことも認め、貯めないとならないことも了承しました。
 すぐにわすれてしまうだろうけど、さらに認知症が進行する前に、一瞬でも納得してもらうことが、今後のために必要でした。

 今度はカードの利用明細を見て、買物のほとんどが洋服であることを確認しました。そして私と一緒に、今度は母の洋服ダンスの中を見ます。似たような色の、似たような素材のジャケットが3~4着あったり、洋服ダンスの隙間に大手デパートの紙袋に入ったままの服やバックが大量に突っ込まれていることを確認しました。入りきれない服はデパートの手提げ袋に入れ、床にいくつも置いてあります。
 私が昔使ってた洋服ダンスには、母の冬用の高級カシミアのロングコートが2着、他ロングコートが5着…、ロングで無いコートはざっと見ただけで15着以上…。
 私:「洋服がこんなに必要?紙袋から出していない物も沢山あるよ。」
 母:「あけてないのは、そのうち使う。」
 私:「私があけるまで、中に何が入ってるか知らなかったじゃない。
    永遠に使わないよ。」
 母:「着ない物は(マンションの)掃除のおばさんにあげるからいい  
    の。」
 私:「着ない物を買っているんだね。洋服がこれ以上必要?(洋服をベッ  
    トの上にずらりと並べて見せる)」
 母:「沢山ある。死ぬまでもういらないかも。」
 私:「じゃあ、“洋服は買わない“と約束して。」
 母:「……買わない…。」

 この約束はすぐに忘れて、翌週にはいつもどおり買い物をしていました。
 約束後もカード会社から下記の請求がありました。
  2019年9月 9万4,699円
       10月   7万   596円
 2019年10月にはカード会社1社からは、支払いの遅滞を何度も重ねたため、1ヶ月間はカードを使用しないよう電話があり、母は言われたとおり1ヶ月間は使用控えました。私の言うことは全くきかないのに、カード会社からの警告には応じるんかい!

 母との浪費バトル、この後もず~っと続きました。とほほ。
「認知症の母の浪費対策 守られない“約束“2」に続く)

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