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認知症の母 今のうちにしたいことは何だろう?

 2019年に認知症だとわかった母、いまだに自分が認知症であることを認めていません。けれども物忘れがひどい自覚はあり、大切と思ったことはメモに書き残すのですが、最近はそのメモが妄想混じりで間違っており、それは違うと説明しても、メモに書いてあることを根拠に正しいと言い張ります。認知症は着実に母を蝕んでおり、いつか本当にわからなくなってしまう日がくるのだと、最近実感することが多くなりました。

 母はわかるうちに何がしたいだろう、会っておきたい人はいないのかな、食べたい物は何だろう、観ておきたい所はどこだろう…、まだ印象的なことであれば記憶に残る時があるのです。残された大事な時間をどう過ごしたらいいのか…。

 先週、特養での2泊3日のショートステイをしました。感想を聞いたら、「一人で自由にできて良かった」。施設からの報告では、日中は個室で自分のペースで過ごしていた、そうです。テレビを観るくらいのことしか、してないはずなのですが、気ままに過ごせる時間に、母は楽しさを感じていたようでした。今の母にとって、幸せって何なんだろう。

 昨日実家に行き、部屋の中をいつもどおりチェックしたら、棚の上に『開運!黄金のウサギの置物』の購入申し込みハガキが、記入されて置いてありました。キンキラキンで安っぽいけど妙に高額、品の無いウサギの置物、何これっ!

 コロナ禍で家で一人で過ごす時間が長くなった母は、デイサービスに通う前まで、通販であれこれ注文しては支払いをせず、壊れてもいない床を、剥がれてきたから自分で剥がしたので修理しないと、とリフォーム会社に電話したり、次から次へと問題を起こし、すべて私が尻拭いしました。思い出した、この人家に一人でいるとロクなことしないんだった!

 黄金のウサギの購入申し込みハガキとチラシ、母には黙って廃棄したのは言うまでもありません。母よ、“楽しい料理教室”のデイサービスに、今日もいってらっしゃい!施設で風呂に入り、美味しい昼食を食べてきてください。家にいて余計なことを考える時間はいりませんっ!

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