見出し画像

ワーママ、共働き夫婦がそれぞれのキャリアを尊重する働き方についての考えをアップデート。柔軟な働き方とは?

二十歳の頃、イギリスの大学に留学したとき知り合った男性の友人に、先進的な考えの持ち主がいた。

子どもがたくさんほしいと言っていた彼はまだ30くらいで念願叶い既に3人の子どものパパとなり、言った。

「僕のおくさんはそのへんのおじさんより全然稼げるサラリーマンだから、仕事は続けてもらう。僕は資格もあるし(某難関資格、プラス英語)、辞めても次の就職は可能だから夫婦で手が回らなくなったら僕が勤め先を辞める」

その頃私はまだ30手前。結婚もまだ。
歳はそう変わらないのに、人生レベルの高すぎる彼にぽかん、と口をあけて言葉が出なかった。
実際、残業まみれの会社から子育てのしやすそうな会社へ移って行った。

辞めても、子どもがいても、また職につける人。

うらやましいと思った。

私はサラリーマンだけど、家庭で何かあって辞めたらもう、収入を保つのはおろか、子どもでもいようものなら再就職も難しいんだろうなとも思った。そして、彼のおくさんがちょっとうらやましいなと思った(もし、仕事を続けたいと希望するなら)。

時を経て。
私の結婚相手も似た様な考え方の持ち主だ。
サラリーマンの私より、有資格者の彼の方が離脱は容易だという考え方だ。


けれど、子育ても2人、それも、発達凸凹やら健康上繊細な子どもたちで修羅場を潜り抜けると思うところがある。

母親がこどものケアに回るほうがうまくいく場面がかなり想定されると。
もちろん、個人の資質や意向によるけど、細やかなコミュニケーションや事務手続きや雑用、健康管理や保護者のネットワークなど、従来女性が多くになっている家庭関係労働は膨大。

そうなってくると、もし夫婦とも同じサラリーマンや公務員などといった立場だと、どちらかがキャリアで他方に先を譲るという場面も出てくるかもしれない。

職場では「男性」が子育てで離脱しがちなより「女性」がそうするほうが認めてもらえたり、学校や幼稚園保育園や塾なんかが「ママ」を家庭代表者の前提に色々進めたりするとそうなるのが自然かもしれない。

ならば、サラリーマン対「自営業、フリーランス、有資格者(士業など)」というペアが理想なのか?

これまで、そうなのかな?と個人的に考えたりもしてきたけどここで罠がある気がした。

歯科医師のママ友はお子さんの登校しぶりや親の介護を理由に「休みの日」を増やした。これはまさに柔軟な働き方の例。なんなら、いったん全てやめて、バイトで収入を得ることさえできるだろう。医師も似た様な感じかもしれない。

すばらしい!なら、医師や歯科医師となり、休みを増やしたり、一旦全ての職を辞す自由を得るのが正解か?

これには、少し首を傾げることになる。
なぜなら私がこれまでサラリーマンとしてぶち当たってきた2人育児や小1の壁は、一日の中の時間の使い方について柔軟性の必要を感じることが多かったから。

例えば、息子が帰宅する時間に家にいて塾に送り出すまでに宿題を終えさせるとか、予約の時間にお医者さんや役所に書類をもらいに行くとか。急遽、雑巾を買いに行くとか、足りない文房具を買い足すとか、保育参観に参加するとか。

一日の中に自由にできる時間を作る。
1週間の中で帳尻を合わせる。
締め切りに合わせて月単位で仕事を調整する。
打合せを自分で決めた時間に実施する。

こうした、一日の中の時間の使い方に自由があり、それが連続的に続いていることが勤続持続性を高めていた。

つまり、私の場合の理想的な働き方は、「仕事の実績を会社にリターンするタイミング」に自由がある、簡単に言うと裁量がある、ということかもしれない。

決められた期日までに成果を出せば時間の使い方は自由、まさにこれが裁量労働だろうか?もちろん、休みの日に何かをしないといけないこともあるけど、逆に仕事の日に成果に結びつかない労働時間稼ぎをする必要がない。

その代わり、数ヶ月を見据え、数年を見据えて計画を立てて働き続けないといけない。

しかし、こちらのやり方の方が私には助かる気がする。夫婦ともこんな働き方ができたら家庭はギスギスしないかもしれない。せめて片方でもこうした働き方がかないそれを夫婦が数年単位で交互にできたら…。

どちらかが「諦める」とか「犠牲になる」感覚は薄れるかもしれない。

どこで働くとしても、決まった時間に勤務先にいる必要がある、といったように「時間」「場所」の拘束があることが子育て中ハードルを上げてしまうことは多い。

なかなか、しかし、この柔軟な状態は難しいと思う。求人自体が多数派ではないだろうし、特に、コロナ禍があけてからは、多少コロナ前の働き方に戻す動きがありそうだ。

でもひとつ、柔軟な働き方、と考えるとき、サラリーマン対その他(辞めやすい、勤務日を選べる)の他に、「時間や場所の自由度」を選択する考え方もあると便利かなと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?