見出し画像

アイドルなんてそこに立って生きてるだけでエモなんだよ【女の子編】

「プレゼント何が良い?」

すんごい善人ぶったこと言うようだけど、私のことを思ってプレゼントを考えてくれているその時間こそが私にとっては十分幸せな贈り物だから、基本的に何をもらっても嬉しい。世界観強すぎて意味不明な絵本とか激辛シュークリームとか食らっても、そうやってふざけてもいい関係だと思ってくれてる友達を私も好きだ。ただ、親はそれに該当しない。両親からのプレゼントとは、シンプルに欲しいけど買えないものを気兼ねなくおねだりできる絶好の大チャンスだ。と言っても、極端に高価なものを買ってもらったことはないんだけど。おそらく親に買ってもらったもののほとんどが音楽に関する何かで、特にCDが多いような気がする。

BoA様は私の音楽オタク人生の中において超重要な人物だ。当時はBoAちゃんと呼んでいたが、こんなにキレッキレで踊ってても絶対ブレない音源みたいなボーカル、女の子なのに全然フリフリしてない衣装、一度聴いたら耳から離れない曲、その全てが小学生の私に「カッコいい女」という衝撃を与えた。その年の誕生日に「LOVE&HONESTY」のアルバムを買ってもらった
。(本当はこの「VALENTI」の音源が欲しかったんだけど、あんまりよく分かってなくてとりあえず一番上に置いてあったやつを買ってもらった。m-floのVERVALくんが参加している「SOME DAY ONE DAY」は隠れた名曲。)

もう一人、その頃の私に大きな爪痕を残した女性アイドルがいる。アイドルではなくアーティスト路線で活躍していたBoAちゃんとは真逆で、彼女は当時流行っていたアイドルグループではなく、たった一人でステージに立つ王道中の王道アイドル。それが松浦亜弥だ。

2002年、この時のあややは15歳だ。15歳でこのパフォーマンス力、歌唱力、そして絶えることのない120%のアイドルスマイル。ほぼサイボーグである。カラオケで「桃色片想い」を歌ったことがある人はわかると思うが、この曲、死ぬほど歌いづらい。サビで息継ぎができなすぎる。そもそもあややの曲は大体カロリー消費が半端ないのが多い。これを踊りながら歌えるだけでも結構マッチョだと思う。そして私はこういう、本当はマッチョなのに涼しい顔して踊って笑う女の子に惹かれるんだろうな、と思った。ちなみに、BoA様とあややは同じ1986年生まれで、日本でのメジャーデビューも同じく2001年だ(BoAの韓国での歌手デビューは2000年)。どんな同期だよ。

時は経ち、私が高校生の頃、私の音楽の師匠こと父はすっかりPerfumeに夢中だった。私は幸か不幸か、アイドルオタクにはならなかったので当時はバンドばっかり聴いていた。あんだけゴリゴリにパンクやハードロック好きな父だが、どれぐらいハマっていたかというと、娘に自分で作ったオリジナルPerfume Mixの音源を送りつけたり(スウィートドーナツ〜ポリリズムぐらい)、ラジオ番組の「JKかしゆか」の質問コーナーを聴かせてきたりと、今になって同じドルオタとして言うけど正直言って超痛いオタクだった。

私は歌唱力のいかついマッチョサイボーグアイドルが好きなのに、Perfumeはそもそもライブでは歌ってすらない。曲は全部ピコピコしてるしロボ声だし、振付もなんか変だ。どちらかというとガチのサイボーグ。でもなぜか、父のMixを何度もリピートしている自分がいた。父の影響ですっかりPerfumeの世界に引きずり込まれたおかげで、「Dream Fighter」を涙なしではやっぱり聴けない。広島のアクターズスクールで、それこそ私の見てきたような、みんなに愛されるマッチョサイボーグアイドルを夢見て歌もダンスも必死に頑張って、メンバー入れ替えやローカルアイドルとしての活動も経験し、大きな事務所になってグループ名の改名も受け入れると、気づけば「テクノポップアイドル」という肩書になっていた。アイドルにとって”歌って踊る”は鉄則だったはずなのに、Perfumeはその世界観を守るために生歌でパフォーマンスしない。それでも目の前のプロデューサーを信じて、自分たちを信じて、この道を切り拓いてきた。「Dream Fighter」は、彼女たちが初めて武道館公演を敢行したころにリリースされた曲だ。そこまでの決して平坦ではない道のりを思ってライブ映像を見ると…いや、めちゃくちゃ泣ける。歌ってないけど、歌ってないからこそエモい。私はもっと本質的なところ、女の子の中に秘められた「強さ」みたいなのが見えるアーティストやアイドルが大好きなんだと気づいた。

本格的に韓国ハマってしばらくは、女の子グループにはあまり興味が沸かなかった。超ライトにK-POPを聴いてた頃はKARAが好きだったけど、そもそも男の子アイドルから入ったからか、女の子を追いかけようとすら思ってなかった。K-POPは毎日、毎時間、濁流のように大量の情報が流れてくるので、初心者の私は目の前の推しで結構手一杯だったのもある。そんな状態の私に衝撃を最初に与えたグループは、Lovelyzだった。

散々申し上げている通り私はサイボーグドルが好きだ。そのプロ意識と怖いくらいの完全性に感動する。Lovelyzには、ケイちゃんというまさにアイドルサイボーグの名にふさわしい子がいるのだ(↑のサムネイル中央)。小さい顔にキラキラの瞳、華奢な手足。そこにいるだけでも人形みたいなのに、ケイちゃんは、どんな曲を歌ってもまず表情が変わらない。あと個人的に思うのが、アイドルがこういう番組収録のときに、カメラアングルが変わって視線移動する瞬間が大好きなのだが、ケイちゃんはカメラを見つけるのが異常に早い。その上、目の中の光量が多いので、どこから見ても目線が合っているように感じやすいところも、よりサイボーグみを感じる。ちなみにこの「Destiny (나의 지구)」は楽曲も日本の歌謡曲(というかアニソン)っぽい上、MVは一説によると「ぼくの地球を守って」という日本のSF少女漫画をモチーフにしているらしい。つくづくサブカル心をくすぐるグループだ。

K-POPアイドルにおいてそのグループの「世界観」は生命線だ。ハマれば当たるが、売れるために路線変更するとなると180°変わった雰囲気で振り切る必要があるので、はじめから的を絞りすぎると後から苦しくなったりする。「LOONA」というグループは、1ミリのズレも許されないような完璧な世界観と、あまりにも大きすぎる前フリを経てデビューした。緻密に作りこまれるK-POPアイドルの中でも特にそれが顕著なアイドルだと思う。

説明するとキリがないので興味があればぜひググって調べてほしいのですが、LOONAこと「이달의 소녀(今月の少女)」は、1ヶ月に1人ずつソロ曲と共にメンバーがお披露目され、1年かけて揃った「12人の選ばれし少女たち」としてデビューした。もはやサイボーグと言うよりは宇宙人っぽい。ちなみに、お披露目される間に既出のメンバーのユニット曲などもリリースされたりしているので、正確には12人がそろったのは1番目の子が公開されてから1年半後だった。つまり、ファンはグループとしてのデビューまで最長1年半待たされているのだ。だからこの記念すべきデビュー曲「Hi High」のMVは、12人全員が揃った奇跡みたいなシーンの連続だ("favOriTe"のほうが先だけどこっちのほうが好き)。

宇宙少女はもう特に触れなくてもこのサムネイルだけでサイボーグ感があると思うので大丈夫だと思う。というか、ちゃんと説明するとこのブログが終わらない。なのでサクッといきますが、フルメンバーは13名というこちらも大所帯グループ。人数の多さもあるけど、彼女たちのパフォーマンスはなんかこう、命が迸ってる感じがするのだ。ダンスが上手い、歌が上手い、見せ方が上手い、ヴィジュアルが凄いとかはもちろん、それらのスキルやポテンシャルを超えてくる果てしない情熱みたいなものを感じる(推しフィルターが濃度高めにかかっている可能性もめちゃくちゃある)。全然上手く表現できないけど、とにかく歌って踊る宇宙少女はそこにいる全員がめちゃくちゃエモいのだ。生でステージを観て泣いてしまった女の子たちはこの子達が初めてだった。宇宙少女さん、早く会いたいです。

"デビュー"という記念すべき瞬間から見ているグループは、私の場合あんまり多くはないが、最初から知っているとその後がどうあれ結構愛着が湧いてしまうものである。

「fromis_9」は「アイドル学校」というデビューサバイバル番組を勝ち抜いた女の子たちで結成された。私はサバイバル番組が個人的な理由で嫌いなので、彼女たちのデビュー直後に答えを知っている状態で最終回だけ見たんだけど、プログラムそのものがどうであれ、可愛い女の子の”デビュー”という夢が叶う瞬間は感動的だ。しかも、fromis_9のデビューメンバーは練習生の期間が短い子が割と多く選ばれている。だからこそ、デビューしたあと戦わなくてはならないライバルたちの強さを知っているファンとしては、がんばれよ…!と後ろから見守りたくなるアイドルなのだ。(まあ、権力の塊みたいな大人たちが作ったグループなのでそこまで大きな心配はいらなかったような気もするけど、、、、黙)ちなみにツインテールのジホンはこのステージの時点では14歳、中学生だ。なんと恐ろしい美貌。。。

最後に私が今もっともデレデレな「EVERGLOW」を。

何をどう訓練してきたらこれが「デビューステージ」になるのか、彼女たちの努力とポテンシャルを思うとすごすぎてちょっと引くんだけど、本当にすごい。まったくもって”初々しさ”とかがない。唯一デビューっぽいな〜といえば、このなんともいえない衣装ぐらい。ダンスのクオリティはもちろん、こんなにテンポも展開も速い曲なのに視線や表情管理・カメラへの見せ方が完璧すぎる。6人中6人が美少女サイボーグだなんて、私が夢中にならないわけがなかった。あと単純に曲が死ぬほど好き。本当はKCONで会いに行くはずだったのに、KCON自体が延期になったのでお預けをくらってしまった。早くバキバキのEVERGLOWさんのステージをこの目で見たい。

書いてみたら意外とボリュームたっぷりになったので、これは第二弾を絶対にやります。男の子編もやります。アーティスト編もやりたいです。では。


この記事が参加している募集

私のイチオシ