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【書評】 サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術

サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術

サイゼリヤ成功の秘密:レストラン版ユニクロの驚異的な戦略

この本では、国内最大規模のイタリアン外食チェーンであるサイゼリヤの経営戦略とその背景にある哲学が、分かりやすく解説されています。

創業者の正垣泰彦氏が築き上げた堅実な理念と、2代目社長である長男の正垣英憲氏がそれを受け継ぎながら展開した革新的な施策の数々が紹介されています。

サイゼリヤの最大の強みは、バーティカル・マーチャンダイジングを徹底的に追求していることにあります。

食材の生産から店舗での提供に至るまですべての工程を一気通貫で自社で手がけることで、徹底的にコストを抑え込み、一方で品質を保つことができるようになっています。

このシステムを構築するために莫大な投資と努力が重ねられ、その賜物として、リーズナブルな価格でおいしい本格的なイタリアン料理を提供することが可能になったのです。

価格設定は、サイゼリヤの経営において根幹をなす極めて重要な意思決定プロセスです。

創業者の正垣泰彦会長は、まず価格を決めてしまい、その価格で提供できるよう原価を絞り込む施策を講じてきました。

例えばミラノ風ドリアは当初480円でしたが、一番売れている人気商品だったため、お客様に喜んでもらおうと半値の300円に値下げしました。

しかし既存の方法では原価が下がらないため、ホワイトソースやミートソースの内製化、専用工場の新設など、大胆な投資を行い、ようやく原価を抑えることができるようになったのです。

広告費をかけずに価格そのものがPRになるというスタイルも、サイゼリヤならではの独自の戦略です。

チェーン店の相場として売上の5~8%を広告費にあてるのが一般的ですが、サイゼリヤにはそれがありません。

「安いレストランの代名詞」としてブランド力があり、提示している価格そのものが最高の広告になっているためです。

広告費の分を原価に還元することで、質の高い食材を使えるようになり、おいしさを追求できるのです。

「当たり前品質」を変わらずに提供し続けることが、サイゼリヤの目指す究極の目標です。

基本的な味の良さと満足度を一定に保ちながら、値ごろ感とおいしさでリピーターを獲得し続けてきました。

競合とは一線を画し、お客様視点に徹底的にこだわり続ける姿勢が高く評価され、「レストラン版のユニクロ」と形容されるに至ったのです。

他社を意識したり競合に勝とうとするのではなく、お客様満足のために本来あるべき「当たり前の品質」を提供し続ける。

このシンプルでありながら原点に忠実なスタンスこそ、サイゼリヤ経営の根幹をなす理念なのです。料理の質を追求しながら、値ごろ感を失わないバランス感覚が際立っています。

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本書を読んだ感想として

この本を読んで、私は改めてサイゼリヤの経営哲学の卓越性と合理性に感銘を受けました。

創業者の理念を受け継ぎながら、次世代が果敢に革新的な施策に踏み出していく姿には、大いなる敬意を覚えずにはいられません。

バーティカル・マーチャンダイジングの徹底は、経営資源の無駄を省きながら品質を保証するための大変有効な手段であり、その先見性には眼を見張るものがあります。

このシステムを構築するために、多大な投資と努力が長年にわたり継続して払われてきたことが、よくわかりました。

価格設定を最優先し、その価格で提供できるよう原価を徹底的に絞り込むという発想は、正に常識を覆すチャレンジングな姿勢であり、経営者の大胆さと先見性が感じられます。

ミラノ風ドリアを半値の300円に値下げる決断には、お客様重視の姿勢が現れています。

そのためには大規模な設備投資が必要となりましたが、コストダウンを実現する手段として、ここまで突き詰めていく姿勢には感服するばかりです。

広告費をかけずにお客様への還元を最優先するあり方も、とてもサイゼリヤら しい戦略だと感心しました。

お金をかけて宣伝をするのではなく、価格そのものにブランド力を込める独自の発想には、改めてビジネスの原点を見た思いがしました。

ブランディングよりも実直なサービスを心がける姿勢が伝わってきます。

読者の皆様に、ぜひこの好著を手に取っていただきたいと思います。

外食チェーンの成功例から、経営の原理原則を学ぶことができる良書であり、ビジネスパーソンはもちろん、一般の読者にも自身のライフスタイルを見つめ直すヒントが数多く得られるでしょう。

価格や品質へのこだわり、お客様第一主義といった、普遍的な考え方に触れることができます。


本書を特におススメしたい人

・外食業界やフードビジネスに従事する方
・リーズナブルな価格設定に興味がある経営者
・顧客満足を第一に考える企業人
・マーチャンダイジングに関心のある方
・質素でありながら本物を大切にする生き方を知りたい人
・ビジネスの原点を学びたい方


本書とあわせて読みたいおススメの書籍

・「無印良品の夢」(松井忠三 著)
・「ユニクロ店長の答え」(柳井正 著)
・「富裕層マーケティング」(宮本雅史 著)
・「お値段を心がけない。」(ビィー・アンデルセン 著)
・「リーンスタートアップ」(エリック・リース 著)


本書のまとめ

サイゼリヤは、顧客満足を第一に考え、バーティカル・マーチャンダイジングを徹底することで、リーズナブルでおいしい料理を提供し続けてきました。

価格設定を最優先し、広告費を抑えてお客様への還元を重視する独自の経営戦略が成功を収めています。

「当たり前品質」を変わらずに提供する姿勢は、「レストラン版のユニクロ」と評されるゆえんです。

サイゼリヤの哲学は、単なるコストリーダーシップを追求するものではありません。

価格と品質のバランスを絶妙に保ちながら、お客様の満足度を追求し続けるところに、その本質があります。

質素でありながらおいしさを追求する姿勢は、創業以来変わらぬ理念なのです。

多くの外食チェーンが広告に費用をかけ、見た目の印象づくりに走るのとは対照的に、サイゼリヤはひたすらお客様本位の価値提供を貫いてきました。

そうした地道な努力の積み重ねが、今日の成功につながっているのです。


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