働くママ、大学院生になる 【ワーママのアメリカMBA挑戦 #1】
さかのぼること4年。
2020年はコロナ禍が始まったばかりの頃。オフィスが閉鎖され慣れないリモートワークに切り替わり、すべてが落ち着かない時期でした。
息子はその時まだ1歳。しかし迷うことなく、働きながらMBAに挑戦することを決めました。
そこから3年かかりましたが、去年の12月に大学院を卒業することができました。
コロナ禍の大変な時期にどうしてアメリカのMBAに挑戦したのか、そして3年間の育児と仕事と勉強のトリプル生活を振り返ってみて感じたことを何回かに分けて書いていきたいと思います。
漠然とした不安
私が働いているのはカリフォルニアにあるグローバル企業。元々日本支社で管理職として働いていましたが、アメリカ本社に移動して4年目の時にコロナ禍が始まりました。
出張が全てキャンセルになり、家で働きながら子育てをする毎日。
デイケアもよく閉まったので、グズる1歳の息子を抱っこしながらリモート会議に出ることもありました。
家から出ることもできず、新しいものを吸収する機会もなく、自分がどんどん擦り減るような感覚でした。
そしてテレビやSNSからは失業のニュースばかり…。
私は英語がネイティブではなく外国人なので、もし仕事を失ったらアメリカ人と競って仕事を勝ち取れるのだろうか…そんな漠然とした不安が募る毎日でした。
不安をなくすために出来る事
そんな中、会社が個人の教育費を一部負担してくれることが分かりました。その時にピーンときて、この不安を解消するには「自分への投資」しかないんじゃないかと。
不安な時期に更にお金を使うなんて…と一瞬思ったし、忙しい上に更に自分を忙しくするのは荒療治かもしれないけど、この機会に自分を不安にさせていることを解決してしまってはどうかと思いました。
私の不安の原因は、
完璧ではない自分の英語力からくる不安。アメリカ人ネイティブより常に劣っているように感じてしまう。
日本の英文科を卒業したためビジネスの学位を持っていない。管理職についている人たちの多くはすでにMBAを持っている。
アメリカでは今の会社以外に人脈やネットワークがほぼない。
これらがいつも私の不安材料で、もし今の仕事を失ったら次の仕事が決まらないのではないか…という考えがコロナ禍に入ってさらに膨らんでいました。
だから、"もう言い訳をするのはやめよう、未来の自分の選択肢を増やすために投資しよう!"と決断しました。
出願が最初のハードル
決意するまでは早かったのですが、いざ大学院に出願しようと思ったらコロナ禍ならではのハードルがありました。
日本の大学から成績証明書を取り寄せて、アメリカの評価基準(GPA)に変換する必要があったのですが、日米間の郵便配送がストップしていたので思った以上に時間がかかりました。
大学からの返答も遅かったのですが、それはコロナの影響でオンラインで勉強を始めようと考えてる人が多く出願が殺到していたからだそうです。
大学院によって全然違うMBA
調べ始めるとMBAって大学院によって勉強する内容も必要な出願書類も全然違うということが分かりました。
基本的な出願書類は、英語の試験(TOEFLのスコア)、GMAT、大学の成績、推薦状2〜3通、そして志望理由のエッセイなど。
働いてる経験が5年以上で大学の成績が良いとGMATは免除してくれる大学が多く、またアメリカの大学を卒業していたり在米期間が長い場合は英語のスコアが免除になることも。
私が大学院に求めた条件は、
GMATも英語の試験も免除してくれる
費用が500万円位内に収まる
オンラインMBAランキングが上位
実用的なクラスが多いMBAプログラム
…という条件で探して最終的に数校に絞り込みました。
第1志望校の結果は…
返事が全くない学校もありましたが、第1志望の学校からは申し込んでから2ヶ月後に合格通知をもらいました。
応募者が急に増えたためスタート時期は数ヶ月遅れるとのことでしたが、ついにアメリカでのMBAが始まることに胸が高鳴りました。
思い返せば大学時代に1年だけアメリカ留学をしていました。その1年があまりに充実していたのでいつかまたアメリカで勉強したいと思っていました。
あれから20年以上も経った今、あの頃抱いていた夢が現実のものとなるなんて考えてもいませんでした。
不安に駆られて始めたMBAへの挑戦でしたが、結果として学生時代の夢を叶えることができたんだと気づき、胸が熱くなりました。
大変なのはこれから
そんな喜びも束の間、よくよく考えてみるとただでさえ苦手な会計やファイナンスを英語で理解できるのだろうか?!と気になりだしてしまって。
事前準備のため日本からたっくさん本を取り寄せ、必死に読み漁りました。
オンラインMBAは仕事と両立できるように設計されているので、卒業までは平均的に2.5〜3年かかるようです。
ビジネスの学位がない私は基礎科目を多く取らなければならず、結果的には丸3年かかることになるのですが…。
【ワーママのアメリカMBA挑戦 2】につづく。
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