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気まぐれ自転車旅行 その4

気まぐれ自転車旅行 3日目

広島のしまなみ海道から四国に渡る予定が、温泉に入るためだけに岡山からフェリーで小豆島へと渡ってきた。

前夜は念願の温泉につかり、誰もいないキャンプ場に泊まった。

この日は島の反対側にある港から再びフェリーに乗って高松へと渡る事に。
11時に池田港を出発するフェリーに乗船する。

もう一時間後には久々の四国である。
時計回りの短めルートではなくて、高知県を通るガッツリ四国一周ルートを取ることにした。

しかし、なぜかまったくと言っていいほど気持ちが高まってこない。
フェリーの座席で四国の地図を開いてみても、
「あぁ、あそこで温泉に入って、あそこで野宿して、何日くらいで高知に着いて、、、」
と、なんだか事務的に考えているのである。

そもそも8年前に日本一周した時の記憶もそんなに薄れておらず、日程も泊まる場所もなんだか似たり寄ったりになってしまいそうだ。

「こんなんでいいのか?」
と思った。

数年ぶりの自転車旅行で四国をガッツリ走ってスーパーサイヤ人状態になって帰り、その勢いのままに新たな仕事をしようという気持ちがあった。

大体1〜2週間くらい自転車で走る生活を続けると、体が慣れてきて疲れをあまり感じなくなり、エネルギーで溢れたスーパーサイヤ人状態になる。

しかし今回は、どういうわけか出発した初日から不思議なほど元気でスーパーサイヤ人状態だった。
そうなったらもう自分にとって四国を自転車で走る必要は無いのではないかとさえ思えてきた。

高松港で下船しても、そのモヤモヤは収まらなかった。
そして、猛烈に北海道に行きたくなった。
秋の冷たい空気の匂いを感じたくなった。

一度冷静に考えようと思って、少し自転車を走らせた所で見つけたマクドナルドに入る。

冷静になるどころか、ビッグマックセットをパクパクしながら頭の中では
「どうすれば1日でも早くに北海道に行けるか」
ということばかりを考えていた。

そして私は、四国に上陸してから1時間たらずで、翌日の夜に京都舞鶴港から北海道に向かうフェリーの予約を取るという暴挙に出てしまった。

つづく。

みなさまのご支援で伝統の技が未来に、いや、僕の生活に希望が生まれます。