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Netflixで今さらSHERLOCKに嵌ってしまった:次はA Very English Scandalお願いします

プラトンの「饗宴」を読んでいても、登場人物の声がSHERLOCKのキャストの声で聴こえてくるという病に侵されました

Netflixで、いまさらまんまとドラマSHERLOCKに嵌ったわたくし。どれくらい足をとられたかというと、プラトンの『饗宴』を読んでいて、宴会になかなか現れないソクラテスのことをさがしに行った召使いが

「ソクラテス様は、そこにいらっしゃいました。お隣の玄関先に立っておいでなのです。わたくしがおよび申し上げたのですが、お入りになろうとはなさいません」と、いう場面、

隣の家の玄関先で動かないソクラテスの姿が、ベネディクト・カンバーバッチ演じるホームズの姿に変換されて脳内に浮かぶ。カンバーバッチはその時代の衣装をまとっているけれども、紛れもなくシャーロックのカンバーバッチなのだ。でもって、ほったらかしにせずすぐにお呼びしなさいというアガトン(宴の主催者)に対して

「いや、その必要はないんだ。そっとしてやってほしい。よくあることなんだよ。ソクラテスは時々ところかまわず足を止めて、じっと立っていることがあるんだ。なに、すぐにやって来ると思うよ」

と口を挟むアリストデモスの声は、当然のことながらマーティン・フリーマン(ワトソン)の声。アリストデモスもその時代の衣装をまとってはいるけれど、顔も形も、紛れも無いドクターワトソンなのである。

しかし幸せは長くは続かない。先週とうとう最後の一話(シーズン4)を観終えてしまい、覚悟していたとはいえいきなり心に隙間風が吹いた。涙ぐみながら考えた結果、もう一度シーズン1の第一話に戻って見直すという名案を思い付く。で、やってみるとこれが!

最初に見たときにはわからなかった伏線が全部見える。セリフのひとつひとつ、ちょっとした動作までが以前は気づかなかった意味を帯びてあらわれてきて、実に感動的であった。

しかし、二度目の第一話を観終えたところで、憑きものが落ちたように喪失感が消えた。いつでもこうして見直すことができるし、そのたびに発見があるのだと思うと不安や焦燥感は薄らいだ。いやー、よかったよかった。これ、最後まで行くのだったらけっこう時間とられるなぁとは思っていたのだ。

しかし、こうなると次にNetflixさんにお願いしたいのは、「A Very English Scandal ~英国スキャンダル セックスと陰謀のソープ事件」である。
どうかどうかお願いします。ベンちゃんがゴールデングローブもらったソープ事件のドラマ、そろそろ私にもみせてください。仏壇の前で両親の位牌にむかって般若心経をあげながら、このお願いだけはかかさないこの頃である。まことに海外ドラマは恐ろしい。


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