言葉の温度
「やさしい言葉は、寒い冬の三ヶ月を暖かくしてくれる」
もう何年も前に読んだ本で知った、中国のことわざです。
それが誰の手による作品かも忘れてしまっても、この一節は心に深く残っています。あまりに気に入り、何度も復唱したせいかもしれません。
この言葉自体が、心の内を暖めてくれるような魅力を備えているとも感じます。
どうせ口にするなら、私も誰かの心を少しでも暖められる言葉を。その考えはいつも頭の隅にあります。
かといって何か大げさなことを心がけるのでなく、たとえば何気ないあいさつやお礼の言葉でも。誰しもが使う日常の言葉で、まずは十分な気がします。
練りに練った特別な言葉より、相手への気遣いや感謝を込めたシンプルな言葉のほうが、じんわりと相手の心に沁み込み、うれしい温度を持つかもしれない。そんな風に思うのです。
本格的な寒さがやってきた今、行き交うやさしい言葉で、多くの人が暖かに過ごせるように願ってやみません。
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