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自分軸の作り方#12 ~【不登校】13歳からの、育ちなおし。~


 子供への言葉がけを変える「コンプリメント」を始めてから、子供はすこしずつ、少しずつ、心のコップに自信の水を溜め始めた。と思う。

 この本の中に、コンプリメントを始めると子供返りをすると書いてあったので、どんなふうに子供返りするのかなと楽しみにしていた。本によると、お湯たっぷりのお風呂に浸かって、羊水につかっているところからやり直したり、布団に潜り込んで、生まれるところからやり直す子もいるらしい。

 我が家の2人の息子たちは、言葉がけを変えて1か月後くらいから、長男(当時中1)は、膝枕を求めてきたり、手を握ってきたり、じーっと私の顔をみるようになったりした。膝枕をしながら、ただ頭を撫でていると、とてもリラックスした表情を見せてくれた。こんな時期は2~3カ月続いただろうか。そのあとは、通常の中学生男子に戻っていった。
 ただ、この子は中3になってからも、受験勉強や塾がつらくなってきた時にも、「どうしよう〜嫌だ〜行きたくない〜」と、私の膝に頭を乗せて手を握ってきた。私はその時、そっと長男の頭を撫で、握られた手を握り返して見守りながら、いやぁ・・・幸せだなぁ・・・と感じていた。

 次男(当時小5)は、調理中の私の背後からよく、急に抱き着いてきた。抱き着いてきた次男には向き直って、思い切り「大好き!」とハグをした。キスしようとすると「うげえ、やめて」と言われるけど、キスする真似をして、よく笑った。次男は、中1の今も、面白い動画やツィッターを見つけては、家事をしている私の後ろにしつこいくらいについて歩いて、「見て見て!」と、笑いを共有したがる。そこで私は作業の手を止めて、一緒に見て味わい、一緒にケラケラ笑う。読書家の次男は、読んだ本に感動すると、「グッとくるから、読んでみなよ」と持ってくる。そして、私がグッときて泣きながら読んでる姿を、満足そうに眺めている。時々抱きついてきて、照れ隠しのように私を抱き上げて、力がついたことをアピールする。

 2人には、幼少期にやり残した事をさせてもらえて、ほんっとに幸せだ。そして、子供たちもオキシトシン不足になると、照れずに親にスキンシップを求めることができてるので、心の安定につながるんだろうな、と思っている。

 コンプリメントのすごいところは、「何歳からでも子育てのやり直しができる」というところだと思う。親の会参加者には、高校生や予備校生の親御さんもいる。時間はかかるけど前進していて、親子関係建設中の方々の笑顔には、毎回励まされている。
何歳までに、これをやりましょうって本はたくさん出てるけれど、
何歳からでも、脳は日々細胞分裂をして成長してるんだし、アラフィフの私でさえこんなに変わっちゃうんだから
大丈夫、と自信を持って言える。

 息子たちの保育園時代、私はフルタイムで働いていた。私自身、段取り障害かと思えるほど、効率よく仕事をすることが苦手で、帰宅後は気持ちの余裕がなく、急いで食事してお風呂に入れて、洗濯機を回して・・・邪険にしたつもりはない。でも、子供たちには、とにかく早く寝てほしかった。自分の時間がすごく欲しかった。だって、私はもともと誰かに合わせて行動するのが、苦手なのだ。

 添い寝をしてほしがっていた次男には、おもちゃ売り場で次男が選んだ肌触りの良いぬいぐるみを、「この子がいれば、一人で寝られるよね!」と抱っこさせて、さみしがっているのに、添い寝をせず一人で寝かせていた。世の中のワーママは、いったいどうやって両立しているのか、当時は想像もつかなかった。

 当時、子供とちゃんと向き合う時間を確保していなかったことを反省はするけれど、「自分軸で生きる」と決めた私は、自責の念を持たないことにした。

 その時その時、私はできる限りのことを精一杯やっていた。それは事実で、その時に時間を戻せない。だったら、クヨクヨ思い悩むよりも、今できることをやる。

 子供たちは、幼少期に甘えることができずにスルーしてしまった部分を埋めるように、今、やり直しの時間を与えてくれている。これは天からのプレゼントに他ならない。

 幼少期に駄々をこねなかった分、今になって時々泣いたり怒ったり蹴とばして壁に穴を開けたり、めちゃめちゃ反抗することも出てきた。体が大きくなったので受け止めるのはちょっと大変だけど、不登校という出来事がもしなかったら、こんな風に子供が感情をぶつけてくることも、経験できなかったかもしれない。

思春期にこんなふうに、親子が向き合える時間を与えてくれて、ありがとう神様。

「優秀な子供を育てたい」とか

「誰もが認める理想の母親」とかいう、他人軸の目標を手放して、

「自分を生きる」をとことん追求することに集中できると、人生に起こるすべての出来事を、もう誰かの責任にしなくていい。全部が自分の栄養になって自分を形作っているんだ、と、無理してるわけじゃなく、素直に考えることができるようになってきた。

子供に育ててもらってるんだなーと、その喜びも噛みしめながら
今日も、子供の笑顔に癒されている私がいる。


オキシトシンについての参考文献はこちら↓

コンプリメントで子育てする東京親の会ブログはこちら↓



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