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ドリッパーの形から味を考えてみよう!

 形が変われば味も変わる。

 ハンドドリップでは欠かせないドリッパーですが,その形状によって出る味の特徴は変わってきます。今回は円錐形のドリッパーに焦点を当てて,細部の違いを見ていきます!

円錐ドリッパーとは

 ドリッパーの形状は大きく分けて2種類あります。一つ目はカリタが代表的な台形型(扇形と呼ばれることもある)。そしてもう一つがハリオをはじめとする円錐型。

 一般的には円錐型の方がドリップが速く上級者向きと言います。また,円錐型で有名なのはハリオですが,最初の円錐型はKONOドリッパーです。

 KONOの特許が切れて,ハリオが作り始めると,そっちが世界的にヒットしてしまったという感じですね。うーんKONOが少しかわいそう笑

 そして今回紹介する中で一番新しいフラワードリッパー。長年コーヒーのペーパーフィルターを作ってきた三洋産業という会社が作ったドリッパーです。珈琲業界に長くかかわってきた技術がうかがえます。

 V60(ハリオのドリッパー)が注目されることによって様々な国でいろいろな種類の円錐形ドリッパーが作られるようになりました。私は持っていないのですが,ORIGAMIやキーコーヒーのクリスタルドリッパーも有名ですね!

 今回はV60とKONO名門,フラワーの01サイズ(1~2杯)の比較をしていきます。

重さ,素材

 まずは重さ素材から

V60 AS樹脂 77.5g

KONO名門 アクリル樹脂 98.0g

フラワー AS樹脂 78.5g

 こう見るとV60とフラワーは素材と重さがほとんど同じなんですね。

 そしてKONOはアクリル樹脂でずっしりしています。アクリル樹脂にする理由はあるのでしょうか?御覧のようにクラックというヒビが,落としたわけでもないのに入ってしまうのが残念です。

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 素材について調べてみました。興味がある人以外は飛ばしてもらって大丈夫です笑 比熱(25℃)の単位は【x10^3 J/ kg・K】です。どちらも熱可塑性(加熱すると軟らかくなる)です。

AS樹脂(アクリロニトリルスチレン)

→耐熱温度 80~100℃ 比熱 1.34から1.42

アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート)

→耐熱温度 70~90℃ 比熱 1.37から1.47

(参照:https://www.toishi.info/sozai/plastic/hr.html)

 比熱と重さから,KONOはほかに比べ熱を奪いやすい(つまりコーヒーを冷ます)性質がありそうですね。また,アクリル樹脂の耐熱温度がマックスでも90℃なので,コーヒーを淹れる際には注意が必要です。

 ちなみにメーカー表記の耐熱温度は,フラワーが101℃,V60とKONOは90℃です。また,KONOに関してはドリッパー種類が変わると,使用している樹脂が違ったりします。謎です笑

底穴とリブ

 私の考えでは円錐ドリッパーの速さは,底穴の大きさとリブの深さによる影響が大きいと考えています。一口に円錐型と言っても底穴の大きさは違うので比較していきましょう!

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 計測方法はまず①を測ります。これが底穴の直径になります。次に②を測ります。リブの高さは(①-②)/2で求めることができます。

V60 底穴 19.5mm リブ (19.5-14.0)/2=2.8mm

KONO 底穴 17.5mm リブ (17.5-11.0)/2=3.3mm

フラワー 底穴 19.0mm リブ (19.0-15.0)/2=2.0mm

 この比較によりKONOのリブが一番高いことがわかりました。リブの太さは測れなかったのですが,見た目と触った感じはKONO>V60>フラワーの順で細くなっていきます。

 KONOはリブが短い分,太く高くすることで速さを調節しているのかもしれませんね。

 フラワーはリブとは逆にくぼんだ部分があるため,この計測結果よりもリブが深い性質を持つかもしれませんね。

 底穴に関しては,使っている感覚とのズレは特になかったです。ただ,上の図の①ではV60>フラワー>KONOなのに対して,②ではフラワー>V60>KONOなのでこの辺がどのように影響するのでしょうか。楽しみです!

まとめ

結果としてこんなことが言えそうです。(抽出が速くなるとすっきり,遅くなるとしっかりした味になるという仮定のもと)

すっきり       しっかり

素材,重さ     KONO   V60 = フラワー

底穴①       V60   フラワー   KONO

底穴②       フラワー   V60   KONO

リブ        KONO   V60   フラワー

またこれ以外に,以下のようなそれぞれの持ち味があります。

V60のスパイラルリブ 落ちる経路が長くなることでしっかり方向へ

フラワーリブ 花びらのようなえぐれた形状で,張り付き防止&蒸らし効果。膨らんで粉同士の空間が広くなるのですっきり方向へ。

KONO 上部のリブがないことで紙が張り付き横から漏れなくなる。お湯と粉と触れ合う時間が長くなりしっかり方向へ。

KONOの話は,YouTubeのタイゾーさんと河野社長のコラボ動画とつながる部分がありますね。お湯さんこんにちは。粉さんこんにちは。(わかってもらえるかな笑)貼っておきますね!

おわり

 今回は長くなってしまったのでこのくらいで。次回は実際にドリップして比較してみます!最後まで読んでいただきありがとうございます。こんな感じで比較検証等,じゃんじゃんやっていくので気になる方はフォローしてください!モチベがブチ上がります!()

それでは,皆さんのコーヒーライフに幸あれ!

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