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日本で「中東」が、もっと身近なものになっていくために

このたび、「日本で食べられる中東料理ガイドブック」を出版しました。タイトル通り、日本のレストランで食べられる中東各国の料理を写真入りで紹介したものです。全62ページ、大項目で86種類、小項目も合わせると144種類の料理をとりあげました。

中東といっても、いわゆるアラブ圏から、イラン、トルコ、イスラエルと、言語も文化も異なる多様な地域ですが、多少の無理は承知で、ひとつのくくりととらえて紹介するという、大胆な試みでもあります。

ご存じのように、パレスチナ・ガザでは今、イスラエルの民間人に対する攻撃が激しさを増し、未曽有の人道危機が起きています。日本からすると、中東は地理的にも、もしかすると多くの人にとっては心理的にも遠い場所であることは否定できませんが、少しでも多くの人が、それを我が事としてとらえてもらうために、何ができるのか、ということを自分なりに考えた結果がこの冊子の出版です。
11月11日の「文学フリマ東京」という同人誌イベントでお披露目し、おかげさまで、開幕後2時間で売り切れるなど、好評をいただきました。

中東料理ガイドブック

このガイドブックを手に、日本の中東料理レストランに足を運び、日本では珍しいものも多い、さまざまな料理に驚き、楽しみながら、ほんの少しでも、今、中東で起きていることに思いを寄せていただけたら、と思っています。

私は、今から20年近く前の2004年、「カフェバグダッド」という団体を設立し、中東の奥深い文化や歴史を日本に広める活動をさまざまな機会を通じて実践してきました。

ここ数年は、コロナ禍という社会状況もあり、同人誌(ZINE)の発行をメインに据えています。その一つが、最近、日本でも認知度が拡大している中東菓子バクラヴァのガイドブックの出版でした。比呂啓さんとじょいっこさんの3人で作ったものです。

菓子などの物質に限らず、中東の長い歴史に根付いたさまざまな要素には我々が知らない深い魅力が眠っています。
バクラヴァ本に先行して、それまでnoteに書いた記事をまとめたZINE「カフェバグダッド アンソロジー」を作り始めたのも、自分自身が、合計9年間にわたる中東での生活で得た感動や驚きを、より多くの人にも知って欲しいと思ったからでした。

心を揺さぶられる感動があった時、人々はさらにその周りにあることにも関心を寄せていくのではないか、と思います。料理は、「この広い世界」に飛び込んでいく、格好の入り口になるのではないでしょうか。
中東料理ガイドブックをはじめとしたZINEは、以下のBOOTHというウェブストアにあるカフェバグダッド・ストアで入手可能です。

また、紙に印刷されたZINEを補完するために、たとえば「中東料理ガイドブック」については、X(旧ツイッターの)に作ったコミュニティーも活用して情報を発信していきたいと思います。

この、noteでも、引き続き、特に日本でアクセスできる中東関連情報を発信していきたいと思っています。自分自身も楽しみながら続けていきたいと思いますので、気軽にお立ち寄りいただけたら幸いです。

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