新型コロナVSスーパーコンピュータ「富岳」 これから期待できること
スーパーコンピュータ「京」の後継機となる「富岳」が新型コロナウイルス飛沫感染予測の大規模シミュレーション解析を開始しています。
出展記事:https://univ-journal.jp/31886/
※トップ画像はイメージ図です
2021年〜稼働開始予定であった計画を前倒して運用。
以下の4つの事業で使われるそうです。
・新型コロナ治療薬候補の探索
・新型コロナのタンパク質の構造予測
・パンデミックのシミュレーション解析
・新型コロナ関連タンパク質に対するフラグメント分子軌道計算
スーパーコンピュータを使うと何がすごいのか?
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結論:圧倒的な計算力ですべての組み合わせを計算できる
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囲碁の世界で人工知能が世界トップのプロ棋士に勝ったと話題があったAlphaGo(アルファ碁)
代表的なボードゲームの中で、組み合わせ数は囲碁がダントツで多いため19×19の盤に白黒が存在し、約10の360通りと言われています。
※観測可能な宇宙全体の水素原子の数は約10の80乗個と言われているので半端ない数です。
人間ではできませんが、計算機であれば途中の局面から1手先の局面〜最後の局面まで全通りシミュレーションして勝率を計算することができます。
そして、一番勝つ確率が大きい手を正確に選ぶ。
これでは人間は太刀打ちできません。。。
※実はアルファ碁が強くなった理由としてはディープラーニンングの技術が大きく貢献していますが、ここでは説明を省かせていただきます。
計算機のない時代とこれからの時代
計算機のない時代には、科学の分野で新しい材料を発見しようとすると、地道で大変お金がかかりました。
ひと昔前:
AとBを混ぜる、BとCを混ぜる ➡︎ 解析する ➡︎ どっちもダメ ➡︎
じゃあAとCを混ぜる ➡︎ 解析する(なんか良さそう) ➡︎
AとDを混ぜる ➡︎ やっぱAとCがいいね! ➡︎ ノーベル賞
どんだけプロセス長いねん。。。
計算機がないので、人の感覚でやらざるを得なかった。これでは開発費がいくらあっても足りない。組み合わせを実験する度に材料費や解析費がバカにならない。
「なぜそうなのか」理論・理屈を計算式で証明する作業は後付けでOKな時代でした。
一方でスーパーコンピュータの時代:
時間もあるし、全通りやるか ➡︎ 1秒経過 ➡︎
一番いいものはA+C ➡︎ 確かにすごい!
圧倒的すぎる。。。
計算対象によっては1週間とか計算し続けることがありますが、1時間、1日もあればだいたいの計算は終わります。このように圧倒的な速さと正確性(人間のような計算ミスはしない)を兼ね備えた計算機がスーパーコンピューターです。
「富岳」に期待すること
今回のコロナ関係の解析で、「富岳」が新薬などの新しい知見を得られることができれば世界中が一気に注目します。
これだけ世界中がコロナに苦しめられている状況からすると、人工知能が囲碁の世界プロに勝った衝撃を超えるのは間違いないと考えています。
そして、計算機シミュレーションの一大ブームを迎えることになるでしょう。
科学の世界で新しい知見が次々と見つかってくると世の中はあっという間に進歩していきます。
私が期待している進歩の一つがこちら。
【計算機シミュレーションが世界中で流行る】
➡︎ 量子コンピュータの量産化、CPU・GPUの技術躍進、メモリ系容量UPの後押しとなる
➡︎ 高性能PCが一気に普及し、家庭用でもスーパーコンピュータ並みのものが使えるようなる(その頃には)
➡︎ 個人でいろいろ計算するようになる
・株価、競馬予想 (今でもできるが。。)
・アウトレットモールの最短ルート導出(必要なの私だけ?)
・一番自分にあった化粧のやり方を導出(すでに論文あり)
という流れかなぁと考えています。
もし、そんな時代になれば
・プログラミング
・英語(プログラミングは大半が英語です)
・計算をすべき対象を見極める力、専門的な知識・経験
が重要になってくるので、今のうちに備えるのもありかもしれません。
最後に・・・
もし、あなたがスーパーコンピュータを手に入れたらどんなことに使いますか?
面白い?使い方として、「コーヒー豆における焙煎中の組織変化を予想する」があります。
スーパーコンピュータを使ったコーヒー豆の組織シミュレーションについて、導入編を公開しているのでぜひ見ていってください。
コーヒーの味・香りにこだわる方必見です!!
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