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梅雨を楽しむための音楽

梅雨が訪れた。天気予報をあまり確認しない私にとって、季節の変わり目はいつだって唐突に訪れる。梅雨らしき湿度と雨の長引き方をもって、私は漸く梅雨の訪れに気づいた。

梅雨は人々に憂鬱な気分をもたらす。じめじめとした湿度に対して私たちは思わずため息をついてしまう。傘を持ち歩くことはストレスだ。ただ、幸か不幸か、今年の梅雨明けは早いらしい。そのニュースを知った私は「今年の夏は水不足にならないだろうか」と、風情という言葉からかけ離れた感想を抱いた。

我ながら合理的な感想を抱いたものだと感心する私ではあるが、私自身は梅雨がそこまで嫌いではない。洗濯物を外に干せない、部屋中蒸していてカビが心配だ、寝苦しい。そんな不快感を私も抱く。これらの感情とは裏腹に、安直な言葉で言い放ってしまえば、梅雨に「エモさ」を感じなくもない。前置きが長くなってしまったが、今日は"梅雨と音楽"について話してみたい。

モーツァルト

少しでも梅雨を趣深く過ごすための音楽として、まず取り上げるのはモーツァルトである。クラシックに精通する御仁たちからすれば解釈が違うと怒鳴られるかもしれないが、私にとって梅雨が最も映えるのはモーツァルトだと思っている。中でもおすすめはモーツァルト: ピアノ協奏曲第23番だ。家でじっと過ごすのであれば、この曲をかけながら紅茶でも淹れると、いつの間にかあなたは丁寧な暮らしに溶け込んでいる。コロコロと軽快に音が踊るモーツァルトのピアノが、じめっとした気分を爽やかに打ち消してくれるだろう。

Giga, Reol

次に推したい1曲はGiga, Reolの《drop pop candy》である。こちらは売れっ子作曲家Gigaが曲を書き、同じく売れっ子ボーカルReolが歌っている。この曲は発想の転換が鮮やかだ。「雨」を「飴」へとイメージを転換している。曲調もポップで耳馴染みがいい。鬱屈とした雨の日こそ雨を明るく楽しむ曲を聴く、というのも雨の日を過ごすひとつの方法だろう。

ショパン

最後の1曲は再びクラシックである。ショパン: 雨だれ前奏曲をおすすめしたい。「雨」という標題ゆえに、やはり雨の日こそふさわしい。濡れた窓ガラスを伝う雨水を見遣りながらこの曲を聴けば、退屈な雨の日もきっと味わい深いものになるはずだ。実際、静かに奏でられるピアノの調べがこれまで幾度も私の苛立ちやストレスを和らげてくれた。あなたがもしこの曲を聴いてくれたのなら「この曲は心の棘を丸め込んでくれるサウンドだ」と言われてもきっと理解できるだろう。ぜひ癒されてほしい。

ざっと3曲ほどおすすめさせていただいた。興味を持たれたらぜひとも聴いてみてほしい。しばらく続く梅雨を、この記事を最後まで読んでくれたあなたが穏やかに過ごせますように。

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