たまったCD【音楽のお話】
高校生の頃、BUMP OF CHICKENのCOSMONAUT(コスモノート)というアルバムを買った。
それが私の初めてのアルバム購入だった。
COSMONAUTはすごい。
ボイジャーのゴールデンレコードを模していて、
金ピカに光るCDを見て、
音楽を聴くことだけでなく、アルバムを買うことの楽しみ、価値を知った。
そこから、好きなバンドのアルバムが出るたびアルバム購入を買うようにした。
学生時代はとことん貧乏だったので、
シングルは買わない。
シングル曲はアルバムに入るはず！！
と自分に言い聞かせ、
アルバムが出るのをひたすらに待った。
初回限定盤だとオマケが付いてくることも知り、
どのオマケがいいか、CDショップごとに異なるオマケを比較して、ワクワクしていた。
買ったCDはもちろん、プレイヤーで聴いた。
いきなりWALKMANに落とすのはご法度だと思っていた。
これまたバンドの工夫が凝らされた歌詞カードを読みながら、
バンドの世界観に浸っていた。
初めての曲はアルバムから聴きたいので、
可能な限り新しい曲は出会わないように、
自分からは聴きにいかないようにしていた。
WALKMANに移したあとは、
たまーに聴いたり、
まだサブスクが主流じゃない間は、
友人に貸し出して、いわゆる布教をしていた。
「アルバムを持っている自分」というものに
どこかかっこよさ、
偉いんだぞとまではいかなくても、
少し上を行っている感覚があったのだと思う。
段々と、音楽はサブスクで聴く時代になっていった。
私もアルバムを買うだけでは趣味が追いつかず、
AppleMusicと併用していた。
でも、どのバンドもサブスクでの音源配布を解禁しだしたため、
徐々に自分でアルバムを買うことはなくなっていった。
使用頻度が低くなったプレイヤーも売ってしまった。
WALKMANよりiPhoneで音楽を聴くようになった。
集めたアルバムも売ったり捨てたりしようかと考えた。
でも、これを手放すと、自分には何も残らない気がした。
きっともっと歳を重ねるにつれて、
「なんであの時手放した....」って後悔する気がした。
もともとあんまり収集癖のない自分が
唯一集めたこのアルバムたち。
絶対に手放してはいけないと思った。
保管場所はとるが、
私が歩んできた軌跡としてこれからもそばに置いておきたい。
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