見出し画像

歌を信じろ「ラブライブ!スーパースター!!」肯定論:その7

2期の物語 #10

今回でやっと第10話に入ったと言うことですが、もうすでにこのエピソードで自分が言いたいことは他の記事や動画にあります。
ですから、言っていることは以前の繰り返しになる可能性が高いです。
コンパクトにしつつも、大事だと思うところや気づいたことは追加していく感じにしたいです。

ここで少しだけ簡単に2期のこれまでを振り返ります。
1期でLiella!は東京大会の敗退を受けて、自分たちのステージを表現するだけではなく、学校のみんなを笑顔にして喜んでもらう必要があると気づきます。そもそもLiella!の5人は「私を叶える物語」のためにスクールアイドルを始めました。「みんなで叶える」スクールアイドルだからこそ、彼女たちは「私を叶える」ことができました。
東京大会のステージはそのことを表現するには十分でしたが、ラブライブ!に勝つことができませんでした。みんなに喜んで終わって欲しいと思ったため、2期ではラブライブ!優勝を目標にします。
では、5人のままで優勝を目指すのかと言ったらそうはなりません。
Liella!の由来に結ぶやつながるといった願いが込められている通り、2年生となった5人は新たなメンバーを加入させることにします。Liella!の高いハードルに苦労しながらも、新たにきな子、メイ、四季、夏美が加わることになりました。しかし、優勝を目指すのでしたら経験や実力のある5人を維持した方が効果的と思われます。
1年生をLiella!に加入させる動機になった、色んな人と結ばれるというLiella!のテーマが、ラブライブ!優勝と矛盾しないのか。
この問題が2期のLiella!を悩ませていたわけですが、その答えが第10話でようやく描かれます。

それでは第10話の物語をサクッと追っていきます。
東京大会が目前に迫り、Liella!は冬休みに強化合宿を行うことになりました。部長らしく、どこが良いかまずはみんなの意見を千砂都は聞きます。
なかなか場所がまとまりませんが、きな子の提案にかのんが乗ったことで、場所は北海道に決まったようです。

かのん
「でも、こういう周りに何もないところの方が集中して練習できると思ったんだ。1年生とももっと距離を縮めたいなって思ってたから」
四季
「一体感」
かのん
「そうそれ!ここなら自然に全員の距離が近くなると思うんだ」
メイ
「それはわかるけど」
きな子
「でも、それだけで先輩に追いつけるとは」
夏美
「ですの!」
かのん
「ふふ。今回は一年生も一緒に!」

「ラブライブ!スーパースター!!」2期 第10話

合宿の目的はかのんいわく、2年生と1年生の距離を近づけるためです。
一緒に練習するだけで2年生に追いつけるようになるとは、1年生は思っていませんが、今回は練習だけではなく曲もダンスも合同で作成するようにします。この伏線としては、第7話の地区予選時の曲づくりの経緯がありました。
あの時のかのんも2年生だけで作るのではなく、せっかく入った1年生とも一緒に作りたいと思っている節がありましたが、初めて大会に挑む1年生からの反対もあって、その考えは見送られました。
今回の合宿はその時のリベンジと捉えることができます。

アバンが終わってOPが明けると、千砂都と四季はダンス、恋とメイは曲、かのんときな子は歌詞をそれぞれのペアに分かれて考えます。
これらの配置も第5話であった1年生の長所を生かしたものになっています。
2年生との差を感じてしまって最初は戸惑う1年生ですが、2年生に背中を押してもらいながら、徐々にアイディアを出すようになります。

東京大会の出場者のリモートの会見が行われると、かのんはLiella!が大会に挑む決意を述べます。

かのん
「私たちLiella!は去年、決勝には進めませんでした。それから1年、今年こそは全員で決勝に進もうって頑張ってきました」
「叶うことなら優勝を目指してみんなを笑顔にするライブをしたいと思っています」

「ラブライブ!スーパースター!!」2期 第10話

かのんは全員という言葉を使っている通り、新しくなった9人のLiella!で頑張ることを最初に強調します。そして優勝を目指しながらもみんなを笑顔にするライブをしたいという、Liella!の目標を宣言します。
2期のLiella!のテーマや方向性というのは、この時のかのんの言葉に過不足なく詰まっています。千砂都が話に詰まっている間に思わず話せるぐらい(でもこれまで見てきた人は分かっている通り)かのんの気持ちは強いということです。

マルガレーテも会見を行い、前話でかのんに話したことと同じで、ここでもラブライブ!のレベルが低いこと、自分が本当の歌を見せることを宣言します。他のメンバーはこの時に初めて聞いたので、マルガレーテの発言に前話のかのんと同じく憤りを見せますが、かのんは前回に比べて冷静に受け止めていました。
かのんはマルガレーテのいう「本当の歌」に疑問を持っていました。
マルガレーテは圧倒的なパフォーマンスを見せながらも、彼女から感じるは勝つ気持ちだけで、それが胸に刺さるとかのんは千砂都にいいます。
一方、1年生はマルガレーテに触発されたからか、夜も自主的に練習を行なっていました。しかしそれを見たかのんは明日の練習メニューを考え直すことにします。

次の日、かのんは練習を休みにしてみんなで楽しく遊ぶことにしました。
歌や練習のことを忘れてでも、大切なことがあると思っているからです。
楽しく遊んだことで、かのんは新しい曲のヒントを掴み、他のメンバーもみんなで一つのものを作って完成させることに前向きになります。
そして1年生は前よりもより力を発揮して、それぞれが担当した曲ダンスなどが完成します。その中でLiella!はスクールアイドルの良さを再発見し自分たちの「本当の歌」を見つけます。

かのん
「一生懸命頑張ってみんなに応援してもらって、みんなと一緒に成長できる。スクールアイドルって本当に素敵だと思う」
可可
「すっごく楽しくて」
メイ
「すっごく大変で」
すみれ
「でもここにしかない喜びがあって」
四季
「その気持ちが歌になって溢れる」
千砂都
「Liella!って思えばずっとそうだったよね」
かのん
「それが私たちにとっての本当の歌なんじゃないかな」

「その言葉、マルガレーテさんの」
夏美
「本当の歌」
かのん
「そう、本当の」

「ラブライブ!スーパースター!!」2期 第10話

ここでLiella!は焚き火の前で、それぞれの気持ちを言葉にします。
ただ自分が思うに、この時の言葉はどこか抽象的に感じて、「本当の歌」というのがイマイチはっきりとは分かりません。
それもそのはずで、Liella!が思う「本当の歌」は言葉だけで表現されるものではありません。それはステージ上で具体的に、そしてマルガレーテと比較できる形で、明確に表現されます。
かのんが言い切る前に東京大会の日にすぐ移り変わったように、演出の意図から考えて、「本当の歌」はライブシーンを見た上で考えるのが正しいと思われます。

大会当日、自分たちが積み上げたものに自信を持ちつつも緊張しながら待っているところに、マルガレーテがかのんに声をかけます。
他のメンバーには目もくれずにかのんだけに声をかけたところを見ると、この舞台が「本当の歌」をめぐってのかのんとマルガレーテの対決でもあることが分かります。

先に披露したマルガレーテの「エーデルシュタイン」は高い完成度と力強いパフォーマンスで観客を圧倒しました。そのパフォーマンスにLiella!も衝撃を受けますが、かのんは自信を持っていました。
そして見事決勝に進出したのは9人のLiella!でした。
理由を端的に述べるならLiella!の方が「みんなを笑顔にする」ライブができていたからです。マルガレーテのライブは終わった後、拍手や歓声が上がる前に観客が静まりかえって圧倒されている様子のカットが連続します。このことから彼女のライブは観客の鳥肌を立たせることはできても、観客を心から楽しませて笑顔にすることはできなかったことが分かります。
実際には彼女の方がパフォーマンスのレベルは高かったのかもしれませんが、ラブライブ!で勝つにはそれだけでは足りなかったということです。

それに対して、Liella!は9人が笑顔で歌う「Sing!Shine!Smile!」を披露しました。マルガレーテが見せた周りを圧倒するようなライブとは違って、会場の観客と一体になれるように振り付けや歌い方が工夫されており、Liella!が誰のために何のために歌うのかが明確に強く主張されていました。
そして聞いている人の胸に届いて高く評価されたのは1人の世界観で築き上げられたマルガレーテのライブではなく、見ている人も一緒に笑顔になる、みんなで作り上げていくLiella!のライブでした。
Liella!が目指した「本当の歌」とは自分たちも含めた「みんなを笑顔にする」歌とステージのことだったのです。
このことはステージ上の表現だけではなく作り方にも反映されています。合宿で得た経験はステージ上のパフォーマンスに直接繋がったのです。
つまり、かのんは歌に対する想いを曲だけではなくLiella!にも体現したことで、Liella!を決勝に導くことができて、マルガレーテとの対決にも勝利しました。9人全員が一つになってみんなに歌を届けたいと思ったこと、その想いの強さがマルガレーテを上回ったのでした。

このLiella!の勝利で描かれたことは、「みんなを笑顔にすることでラブライブ!に勝つ」ということです。一見するとこのことのどこに面白みがあるのか、どういう展開になったのか分かりにくいかもしれません。自分がどこに面白さを見出したのかというと、それは考え方を反転させているからです。
Liella!は今まで「勝つ」ことと「みんなを笑顔にする」ことを両立させることを目指していました。そして「勝つ」と「みんなを笑顔にする」ことを両立させるのは困難であり、それを叶える一番良い方法は「勝つことでみんなを笑顔にする」ことだと思われていました。
ですが勝つことを最大限に目指せば2年生だけで出場することになりかねず、それは第9話で否定されました。この困難を乗り越えるために第10話でLiella!が目指したのはLiella!の「本当の歌」であり、それは「みんなを笑顔にする」ライブとして表現されました。
ここで起きていることは、言うなれば手段と目的の入れ替えです。
「みんなを笑顔にする」という当初の目的を、ラブライブ!に「勝つ」ための手段に応用したのです。もちろん勝ちたいがために上手く利用したとはLiella!も思ってないでしょうから、手段と目的を同一化したと言う方が正しいのかもしれません。みんなを笑顔にしたい気持ちがラブライブ!に勝つための最大の要因になったと考えれば、この展開は何ともダイナミックな展開だと思います。
みんなで喜びを共有したい、かのんの願いをLiella!や歌に表現すること自体がスクールアイドルとしてのLiella!の揺るぎない価値観につながったのです。
1期のLiella!とほぼ変わらずに挑んだフェスでマルガレーテに負けた後も、1年生を新たなメンバーに受け入れてLiella!の絆を深めました。2期ではこの1年生を加えることで、物語のテーマにも説得力を持たせることができ、
「マルガレーテに勝利すること」=「1期のLiella!を乗り越えること」を描くのに相応しい展開だったと思います。

Liella!は1期から自分たちのことをステージ上で表現していました。1期を乗り越えたと言っても、その姿勢自体は2期でも変わっていません。1期の最後では東京大会に負けたことでみんなに喜んでもらうことが大事だとLiella!は学び、自分たちが歌えるだけで満足していたその姿勢が敗退を招いたとも思われました。
しかし本当の答えは勝ちを直接目指すこと(ともすればSunny Passion的な考え)ではなく、Liella!がどういうグループなのかを突き詰めた先にあったのです。Liella!のことをもっと表現するため、そして1期のLiella!を乗り越えるために1年生の加入は大きな力になりました。自分たちのことをステージ上で表現する、その姿勢自体は決して間違いではなかったのです。

少し余談をして、マルガレーテとSunny Passionの違いについて話したいです。なぜマルガレーテはLiella!に負けてSunny Passionに勝てたのかについてです。それはSunny Passionの方がLiella!よりもスクールアイドルの在り方はマルガレーテに近くて戦いやすい相手だったからです。
グループの良さを武器に戦うLiella!ではなく2人のグループで挑むSunny Passionの方が、彼女が得意とする純粋なパフォーマンスの勝負に持ち込みやすかったと思われます。この物語におけるマルガレーテの立ち位置は究極のパフォーマンス至上主義だと言えます。マルガレーテは第10話では分かりませんが、自分の夢のためにラブライブ!の優勝を目指していたことが第11話で明かされます。Sunny PassionやLiella!のように学校の期待を背負っていません。自分の目的だけでラブライブに出場するソロアイドルです。
スクールアイドルとしての価値観みたいなものはほとんどないかもしれませんが、その分彼女の圧倒的なパフォーマンスを最大限に発揮できます。もし、Liella!が5人のままでしたら、Sunny Passionと同じようにマルガレーテに敗れていたかもしれません。
マルガレーテのパフォーマンスの追求とは違って、スクールアイドルのグループとしての価値を目指したことでLiella!は勝利しました。ここまで来ると、Liella!とマルガレーテはそれぞれ目指す方向は違っており、同じ土俵で戦っておらず勝敗を簡単につけることができません。しかし、それでもLiella!が勝てたのはLiella!の方がラブライブシリーズが大切にしている価値観により近かったからと結論づけます。

さて、物語の開始に掲げられていた2期のテーマはこれで決着がついたと言えます。自分の思う答えはまとめると以下の通りです。


「勝つことだけにこだわるのは、Liella!にとって正しいことなのか」
→ パフォーマンスレベルを追求して勝ちだけを目指してもSunny Passionを上回るマルガレーテには勝てない。スクールアイドルが持つ価値を追求した方がLiella!にとっては良く、それが結局は勝利につながる。

「Liella!のテーマである、いろんな人と結ばれることと優勝を目指すことは矛盾しないか」
 「みんなを笑顔にする」ライブを行うことが結果としては優勝につながる。そのことを表現するために1年生を加入させるといった、いろんな人と結ばれるというLiella!のテーマは大きな意味を持つ。


2期の物語 #11 part1

ここからは第11話の途中までを振り返りたいと思います。
最初見た時、自分はマルガレーテが勝つのかLiella!が勝つのか分かりませんでした。北海道の合宿で良い雰囲気や流れをLiella!が出していたので、さすがにLiella!が勝つかと思っていましたが、第10話を最後まで見た時には、負ける展開もあり得るのかとも考えるようになりました。あと第11話の予告が寂しそうな感じだったことも負ける展開を想像してました。

マルガレーテは大会には勝ったけど本質的な勝負ではLiella!が勝った、みたいな展開になって、勝ったはずのマルガレーテはLiella!のステージを見て心が動かされ、最終的にかのんとマルガレーテは仲直りしてめでたしめでたし。
Liella!の戦いはここからだ、2期 完。
(ここまで妄想)

そんなことはなく、Liella!はマルガレーテを破って決勝に進出します。
自分も結構ドキドキしました。いやLiella!は本当に勝ったのかと素直に驚きました。それぐらい分からないように演出していたと思います。
(あのカウントダウンはずるい、2ndの画面とかのんを交互に映したら、そこにLiella!が入るんじゃないかと錯覚してしまいます)
喜ぶLiella!とは対照的に、マルガレーテはマイクを奪って結果に異議を唱え出します。それを見たかのんは、この結果が観客の出した答えであること、そして一人ではなくみんなで作り上げるスクールアイドルの正統的な在り方を持ち出してマルガレーテの意見を否定します。ラブライブ!というは純粋なパフォーマンスを競う客観的な評価の大会ではなく、観客のそれぞれの主観的な評価が勝敗を決める大会です。ですから純粋なパフォーマンスでは劣っていたとしても、それ以外の価値を示せば勝ち上がれるということです。
ラブライブ!は歌、作曲、ダンス、衣装だけを競っているのではなく、あくまでスクールアイドルとして競っています。Liella!の勝利もラブライブ特有の大会のフォーマットから見て考えれば妥当だと思います。

マルガレーテはかのんに強く言われたからか、その場からは退場します。
場面が変わるとLiella!も決勝進出を祝うため、かのんの家に集まって祝賀会を開きます。マルガレーテという強敵が新たに現れても乗り越えることができたのは1年生のおかげであると、千砂都と可可はいいます。これは第6話できな子が夏美に話した、1年生が入ったことで1期のLiella!を乗り越えるという、自分たちの夢がここで叶ったということです。
「ラブライブ!スーパースター!!」を注意深く追ってみると、物語の展開をキャラクターが自分で話したりするので面白いです。

マルガレーテについてあれこれ話していると、いつの間にか年が開けたそうなのでLiella!は初詣に出かけます。
(自分も気付けば年が明けてしまった・・・)
去年はクリスマスの日に敗退してしまい12月以降は描かれなかったので、この正月があるおかげでLiella!も2年目であることを実感します。今までのシリーズはちょうど1年で終わっていたので、なおさら時間の流れを感じます。

正月の休みでもかのんはマルガレーテのことが気がかりでした。マルガレーテの発言には何かあると考えていましたが、連絡先も知らないので簡単には会えません。気になったかのんはマルガレーテのSNSを見つけ出して、なんと彼女の来歴を簡単に明らかにします。(SNS怖すぎ)
しかしマルガレーテが姉の通う音楽学校に落ちたことは分かっても、ラブライブ!に出場した理由までは分かりませんでした。そしてマルガレーテが直近に投稿した写真から、かのんは急いでその場所に向かいます。

ベンチで座っていたマルガレーテを見つけると、その隣にかのんは座ります。かのんは自分の境遇を話してマルガレーテの気持ちに理解を示そうとしますが、マルガレーテはラブライブ!に負けたことで自分の夢が奪われたことをかのんに話します。いわくラブライブ!に優勝できていれば、家族の推薦でウィーンの音楽学校に編入できたと語ります。
ここで注目したいのは、ラブライブ!の大会よりも上のステージが物語に登場したということです。マルガレーテがラブライブ!を見下しているという話の時でも同じことを言いましたが、やはりこの物語においてラブライブ!やスクールアイドルは絶対的なものではあるとは描かれていません。
ラブライブ!は自分の夢の通過点に過ぎないとマルガレーテは認識しています。ですがこの時のかのんはマルガレーテの発言をラブライブ!を見下しているとしか感じていません。自分の将来にも関わる話ではありますが、かのんの心の中には結ヶ丘やLieila!以外の自分の場所は想像できていません。

かのん
「くだらなくはないよ、ラブライブ!は」
マルガレーテ
「くだらないわ!私よりあなたたちの方が上だなんて。そんな評価を下すステージも観客もみんなくだらない」
「あなたなら分かるでしょう。どっちの歌が上手かったか。なんなら今から、決勝を辞退してもいいのよ」
かのん
「それはできない。だって私たちの方が勝っていたと思うから」
マルガレーテ
「何をいうかと思ったら」
かのん
「私たちは全員、みんなに歌を届けたいと思って歌っていた。一つになれたらと。その想いはあなたより強かった」
マルガレーテ
「ふん、意味わかんない」

「ラブライブ!スーパースター!!」2期 第11話

マルガレーテは2期が終わっても、かのんの話に納得できていたとは思えません。かのんはマルガレーテがそういう態度をとっても、これ以上特に何かを言い返すわけではありません。
結局、価値観の違いはそう簡単には乗り越えられないということです。
そして、画面は暗転し、物語は次の展開を迎えます。この暗転から分かる通り、1期から続いたLiella!のラブライブ優勝を目指す話はここで終了しました。ここからの物語でLiella!が優勝するかどうかはメインテーマではありません。マルガレーテに勝った時点で1期のLiella!を乗り越えたということであり、それ即ちLiella!はラブライブ!に優勝したも同然だと言えます。実際、今のLiella!と対等に戦える相手は残っていないでしょう。
Liella!についてはかのんがマルガレーテに話した内容が全てであり、そのことがマルガレーテを変えることはありませんでした。A-RISEのツバサに問い詰められた穂乃果と違って、かのんは聞かれなくても勝因は理解しています。
マルガレーテに勝てたのは、かのんがLiella!やスクールアイドルについて時間をかけて考え、深くまで理解していたからです。

ですが、この先でかのんが問われるのはLiella!のことではなく、自分のことです。それはかのんがLiella!を作る前から抱いていた「私」の夢についてです。


第11話の途中ですが、文章量と物語の展開的に切りが良いと思われるので、今回はこの辺で終わりたいです。次回は物語を無事に完走させた後、2期の総括的なものと各キャラクターについても話せれば良いなと思います。

それが終われば完結編としてシリーズの総括をしたいです。最後ぐらいは自分の思ったことを好きに言いたいです。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?