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先輩を信じろ「ラブライブ!スーパースター!!」肯定論:その5


2期の物語 #9

第9話の予告をはじめて見た時当然のように想像したのは、「可可が上海に帰らざるを得ない状況になる」というものです。
そのことを唯一知っているすみれが絡むことで、「クゥすみ」の感動するような展開がきっとあるのだろうと思っていました。
もちろん、本編も大方そうなるのですが、それに加えて2年生と1年生の実力差の開きにも焦点が当てられます。
2年生と1年生に実力の差が大きいことは、以前から分かっていたことですが、なぜこのタイミングで大きな問題になったかというと、マルガレーテがSunny Passionを破ったからです。
つまり、Sunny Passionの敗退がLiella!に与えた影響はそれだけ大きかったのです。そして第9話は、このSunny Passionのドラマにも短い時間ですが決着がつきます。
第9話には色々な要素が含まれていて、かつ一気に話が進みます。
大きく分けると、「2年生と1年生」「クゥすみ」「Sunny Passion」「マルガレーテとかのん」の4つあります。どれも大事なことなので、ここでは行ったり来たりしながら、一つずつ丁寧に追っていきたいです。

地区予選を突破して東京大会に進出したLiella!。
学校のみんなから祝福され、SNSでも評判が良かったことにLiella!のメンバーはとても喜びます。
しかし、東京大会でライバルになると思われていたSunny Passionが、東京大会に出場するグループの中にいないことが明らかになります。
何が起こったか分からず、まさか地区予選で敗退したのではと動揺するLiella!に、Sunny Passionの方から気を使って先に連絡が来ます。
そして去年と一昨年も予選はぶっちぎりで突破したSunny Passionを破ったのは、マルガレーテでだったことが分かります。
なぜ彼女たちは負けてしまったのでしょうか。「ご都合主義だから〜」はしたくないし、するべきではないと前に書きました。
そんな安易な考え方には逃げたくありません。
Sunny Passionの敗退には、そうなった理由というものがあるはずです。
ですが、第9話のシーンだけを見ると確かに短い退場劇なのは事実です。
ですから、Sunny Passionについて理解するにはこのシーンだけを切り取るのはではなく、1期を含めた活躍まで遡って考える必要があります。
特にSunny Passionがスクールアイドルとして、Liella!やマルガレーテとどう違うのかについて考えてみたいです。
まず直接的な敗因をこの時のSunny Passionの言葉から探します。

可可
「何があったのですか!?」
メイ
「去年も一昨年も地区予選はぶっちぎりで突破していたはずなのに」
悠奈
「だよね・・・」
摩央
「慢心、と言われても仕方ないかもしれないわね」
「手を抜いたわけじゃないのだけど。少し、油断していたのかもしれない」

可可
「ああ!代々木スクールアイドルフェスの!」
かのん
「マルガレーテちゃん・・・」
悠奈
「そう、私たちの後に歌ったんだけどね。聞いた瞬間、”しまった”って思った。圧倒された」
可可
「サニパ様が・・・」
かのん
「圧倒されるなんて」

「ラブライブ!スーパースター!!」2期 第9話

この短いやり取りの中でも、わかることは次の2点です。

  1. Sunny Passionは手を抜いていないが、少し油断や慢心があった

  2. マルガレーテのパフォーマンスは圧倒的だった

順番に見ていきます。
1について分かるのは、地区予選でのSunny Passionはベストのパフォーマンスではなかったかもしれませんが、少なくとも不調ではなかったということです。
前回優勝者であることを考えれば、経験も積んでいる彼女らは手を抜くことなくいつも通りのライブをしたでしょうし、彼女自信に何か大きな変化や落ち度があったわけではないと考えられます。
ただ、今までの結果からくる余裕かはっきりとは分かりませんが、少しの油断や慢心があったかもしれないと彼女らは語ります。
つまり、Sunny Passionは何も変わっておらず、去年の5人でのLiella!を破った、あの強かったSunny Passionのままにも関わらず負けたということです。
しかし、王道の物語展開から言えば、「過去と変わっていない」状態であることは現状維持ではなく、緩やかな衰退を指したり表すことが多いです。
手を抜いていないが油断したという言葉から感じるニュアンスを想像すれば、まさにこの状態のことを指していると思います。
Sunny Passionは第3話でも語っていた通り、優勝をまた目指したいと宣言していました。もちろん、ラブライブ!を連覇するという目標が大きなことであることは理解していますが、彼女たちがかのんに自分たちのことを話した、1期の第12話と2期の第3話の間で、言葉の内容にあまり質的な変化がないことには注目したいです。
目指すものは確かに変化したかもしれませんが、そのことが彼女たち自身を何か劇的に変えたというわけではありません。物語が進展したりキャラクターが進歩するには、それらがある状態から違う状態に変化しなければいけません。Sunny Passionが物語上のどこかの段階で敗退することは、このことから考えれば自然であり、不自然とは思えません。
それが2のマルガレーテのパフォーマンスが圧倒的だったということに繋がります。純粋に考えて、Sunny Passionよりもマルガレーテの方が強かったという、身も蓋もない現実です。前回チャンピオンが「新星」に引導を渡されることは、数多ある物語を見れば決して珍しいことではなく、普通によくあることだと思います。(それは少し言い過ぎか・・・)
Sunny Passionが去年と同じ気持ちのままラブライブ!の連覇に挑むことが、彼女たちの何かしらの成長や前進を描いたと考えるには少し弱く、むしろLiella!との差異を強調する結果になったと考えます。

しかし、ここで当たり前のようにひとつの疑問が出てきます。
「なぜLiella!ではなくマルガレーテに負ける展開になったのか」
言い換えれば、
「なぜLiella!がSunny Passionに直接勝つ展開にしなかったのか」
ということです。

それを理解するには、まずSunny PassionがLiella!にとってどういう存在なのかを整理する必要があります。
上のような疑問が出るということはつまり、1期の頃から競い合っているSunny PassionとLiella!はライバル関係であると捉えているからです。
ライバルである以上は勝負して決着をつけてしかるべき、ということです。
実際にこの第9話の中でも、ライバルという言葉は出てきます。

可可
「ほぼグループが出揃っていますが、ライバルになるのは当然、前年度優勝のサニパ様」

「ラブライブ!スーパースター!!」2期 第9話

ただ、注意したいのはここでのライバルという言葉は因縁の相手である「宿敵」という意味というよりかは、出場グループの中で最もLiella!と実力が拮抗している「好敵手」という意味合いの方が強いです。
自分も正確に記憶しているかは怪しい部分もあるのですが、Liella!がSunny Passionを「宿敵」として見なしている描写はほとんどありません。
思い出せる中で唯一それに該当しそうなのは、2期の第1話の冒頭において、Sunny Passionがラブライブ!に優勝したことが街中の大型スクリーンに映っているのを、かのんが険しい表情で見上げていた時です。
このシーンだけを切り取れば、かのんがSunny Passionに次はリベンジしたいと考えているのか、それともラブライブ!の優勝に目を向けているのかは見る側に委ねられています。
ただ、第1話の物語の展開から考えれば前者のよりも、後者のラブライブ!の優勝について想いを巡らせていたと考えるのが自然でしょう。
そもそも第1話の段階ではSunny Passionが次のラブライブ!に出るとははっきりとは分からず、第3話になって優勝を目指したいとかのんに話したことで、はじめてLiella!の優勝への道の障害になる可能性が示唆されます。
しかも、ここでのかのんはSunny Passioinをライバルと見なすどころか、Sunny Passionの勢いに圧倒されて逆に応援している始末です。
当然ですが、これはSunny Passionを軽く見ているというわけではありません。むしろこれまでの色々なメンバーの対応を考えば、尊敬の念の方が強いわけです。そうです、Liella!にとって、Sunny Passionはライバルとはまた少し違う関係性なのです。
では、Sunny Passionとはライバルではなければ何なのでしょうか。

もったいぶらず言えば、Liella!の「先輩」です。
Sunny Passionが自分たちから、そう発言していることをまずは確認します。

悠奈
「一回、一回をこれが最後って気持ちで挑んだ方がいいよ」
「じゃないと、気づいた時には終わってる・・・」
かのん
「悠奈さん・・・」
悠奈
「というのが、お節介な先輩からのアドバイス」
摩央
「優勝目指してね」

「ラブライブ!スーパースター!!」2期 第9話

Sunny Passionは残念ながら地区予選で敗退してしまいましたが、彼女らが最後にLiella!に送ったのは先輩からのアドバイスです。もちろん、Liella!と戦いたかった上で勝ちたかったのでしょうが、それでもLiella!のためを思ってエールを送ります。
Sunny PassionとLiella!の関係を言葉で表現するならば、それはライバル同士ではなく先輩後輩の間柄が正しいでしょう。
1期の頃からLiella!にとって、Sunny Passionは自分たちの一歩先を行く存在であり、憧れの存在ではあっても倒すべき敵ではありませんでした。一緒に島で合宿を行なって、練習終わりには仲良く温泉に浸かるような関係です。
μ’sとA-RISE、AqoursとSaint Snowにあった緊張感はここではあまり見られません。それに比べてLiella!とSunny Passionはより近い関係で、切磋琢磨してお互いを高め合っています。
Sunny PassionはLiella!のことを認めてはいますが、だからといってLiella!をライバルとみなしているかと言われると少し違うと思います。
これがA-RISEならば、TVアニメ2期の第10話「μ’s」で、リーダーのツバサは穂乃果に「なぜμ’sに負けたのか」と詰め寄ります。
それぐらい、μ’sに負けたことをある意味根に持つわけです。
全く同じように「ラブライブ!スーパースター!!」でも、人気のないベンチに座って二人が語り合うシーンが2期の第11話で出てきます。
その時の関係は、ご存知のようにかのんとマルガレーテでした。
お分かりの通り、Liella!もしくはかのんにとって、ライバルになるはSunny Passionではなくマルガレーテだということです。

また1期のかのんが優勝を目指すと決意したのは、Sunny Passionに直接負けたからではなく、敗退したことで学校のみんなの期待に応えられなかったからです。1期の第12話で東京大会前にSunny Passionがかのんに語ったことが、Sunny PassionとLiella!を勝者と敗者に分けた要因ですが、そのことが打倒Sunny Passionへと、Liella!の意識を向ける結果にはなりませんでした。
Liella!は敗因をSunny Passionの方が強かったからではなく、あくまで自分たちに何かが足りなかったからだと考えているわけです。
つまり、2期の物語の中でLiella!が乗り越えなければいけないのは、Sunny Passionではなく、1期のLiella!だということです。そして、「1期のLiella!を乗り越えること」=「Sunny Passionに勝つこと」ではないのです。
Sunny Passionが敗退した第9話では明確にはなっていませんが、先回りして言えば「1期のLiella!を乗り越えること」=「マルガレーテに勝つこと」になります。ですから、自分の結論は言い方こそ悪いですが、Liella!の成長を描くことに関して言えば、Sunny Passionとの直接対決を描く必要はないということです。
Sunny Passionに勝ったとしても、そのことがLiella!の成長を描いたことになるとは、これまでの関係性から考えると少し弱いと思います。
Liella!とマルガレーテとの対決に物語の焦点をしぼったことで、描きべきテーマをより明確にさせたということです。

Liella!がSunny Passionと直接戦わない展開になった理由は以上から説明できます。しかし、「1期のLiella!を乗り越えること」=「マルガレーテに勝つこと」になるという理由はまた別にあります。
そのことに関してはここでは詳しくは触れずに第10話のところで話したいです。というのも第9話は、あくまで第10話の前振りをする回であって、その問題の答えは第10話に持ち越されるからです。

今はSunny Passionの敗退によって、Liella!がどんな影響を受けたのかについて考えてみたいです。直接的にこの敗退劇を受け取るのでしたら、マルガレーテがSunny Passionを超える強敵であることが明らかになり、このままではLiella!は優勝することが困難な状況に追い込まれたということです。
だからこそ、このままではまずいと感じた千砂都は2年生と1年生の間にまだ差が大きいことを問題にしたり、すみれは2年生だけで出場することを提案します。
ただ見逃してはいけないと思うのは、1期のLiella!に勝った「Sunny Passion」がマルガレーテに負けたという事実です。
前回優勝者としての「Sunny Passion」ではなく、1期のLiella!に勝った「Sunny Passion」であることに注目したいです。なぜ1期のLiella!がSunny Passionに負けたかと言えば、自分たちのステージを表現できることにどこか満足して、「みんなの期待を背負って勝ちたい」という気持ちがLiella!よりもSunny Passionの方が優っていたからです。
かのんもそのことを前回から学び、2期ではみんなに喜んでもらうために優勝を目指すことにします。
しかし、そのSunny Passionがマルガレーテに負けてしまいました。Sunny Passionは前回から大きな進歩があったわけではなく、むしろ1期から特に変わっていないことは既に確認した通りです。ということは、1期のLiella!のままではマルガレーテに勝てないだけではなく、Liella!をSunny Passionが目指した方向に進歩させても結果は変わらないだろうということです。
マルガレーテに勝つには、島のため学校のためといった「みんなの期待を背負って勝ちたい」気持ちだけでは足りないのです。
この時のLiella!に求められているのは、それを超えるスクールアイドルの価値観を見つけて、ステージ上でいかに表現するかということです。そしてかのんは、Sunyy Passionから学んだことを参考にして、ある程度は彼女たちをお手本にはしていますが、その姿勢や考えは全く同じではありません。
それは序盤の第2話、第3話で語られていた通りです。
かのんは、スクールアイドルが楽しいことをみんなに(特に1年生のようなスクールアイドルを知らない人)知ってもらいたいと思っています。
Sunny Passionから学べることは学んでいますが、自分の気持ちは大切にしており彼女たちとは少し違う道を歩んでいます。1期のLiella!を超えることは、前回負けたSunny Passionに勝つことではなく、1期の頃から大切にしてきた気持ちや願いをさらに発展させて、新しい姿のLiella!を表現することに他ありません。
それはつまり、5人のLiella!から9人のLiella!になることです。
それができて初めて、1期のLiella!を超えることができたと言えます。
Sunny Passionが敗退したことは、このようなLiella!が置かれた立ち位置という観点からも考えるべきだと思います。

もちろん、この時点では「1期のLiella!を乗り越えること」=「マルガレーテに勝つこと」とはなりません。なぜならマルガレーテについては第9話では物語の中でも深く言及されていないからです。
マルガレーテについては第9話でも謎が多く、スクールアイドルとしてのマルガレーテの抱えるテーマも分からないままでは、Liella!とそもそも比較することはできません。かのんとの対話から分かることは、ラブライブ!の大会を馬鹿にしているということだけです。つまり「1期のLiella!を乗り越えること」と「マルガレーテに勝つこと」についてはセットとして描かれているので、第10話を見なければ分からないのです。
ですから、この話は一旦ここでやめときます。
一つ、この段階でも言えることがあるとすれば、マルガレーテはSunny Passionよりも何かしらの部分では優っていたので、勝てたということです。
純粋なパフォーマンスのレベルがマルガレーテの方が勝っていたからとは思いますが、問題はなぜ純粋なパフォーマンス勝負にマルガレーテが持ち込めたのかです。純粋なパフォーマンス勝負でしたら、Sunny PassionだけではなくLiella!にも勝てるはずです。
しかし、結果的にマルガレーテはSunny Passionに勝ててもLiella!には負けてしまいます。それが何だったのかについても後で振り返ります。

このトピックの最後にSunny Passionのドラマについて再度取り上げたいです。早い段階で敗退したSunny Passionは確かにかわいそうではありますが、そこにはどんな物語が最後に残ったのでしょうか。
彼女達はただ都合よく負けてしまっただけで終わったのでしょうか。
まず押さえておきたいのはSunny Passionは自分たちのためだけではなく、島のため学校のためにスクールアイドルを行っていたことです。
彼女たちは地元を盛り上げるために、一緒に準備してくれた学校のみんなの恩返しも含めて、ラブライブ!に勝つことを目指していました。
それは以前かのんにも話していた通りです。
ですが、そうなればラブライブ!に勝てなければ目的を果たせないということです。負けてしまえば意味がないということになってしまいます。ましてや今回は地区予選の段階で敗退してしまいました。彼女たちの基準で言えば、大失敗ということでしょう。(逆に目立つ可能性もあるのか・・・)
しかし、Sunny Passionは何も得るものがないまま、最後の大会を終えてしまった・・・ということではないと自分は思います。
というのも、Liella!を励まして通話を切った後のシーンに理由があります。
二人が寂しくしているところに、どこからか少女らが駆け寄ってきます。
負けてしまったことに責任を感じたからか、二人は謝ってしまいますが、それでも少女らは笑顔で感謝の言葉を伝えます。
確かにSunny Passionは負けてしまい、ラブライブ!を連覇するという偉業は達成できませんでしたが、彼女たちの島を大切に想う気持ちは次世代へと届いているのです。もしかしたら、この少女たちがSunny Passionの想いを引き継いでくれるかもしれません。それこそがSunny Passionが成し遂げた大きなことだと思います。
思えば、可可もSunny Passionのライブを見たことが、スクールアイドルを始めるきっかけになっています。何もラブライブ!に勝てなければ全く意味がないというわけではありません。負けてしまったとしても、彼女たちの残したものは大きいと思います。
逆に負けてしまったことでこれまでの貢献が際立ち、彼女らの思惑とは反対に必ずしもラブライブ!に勝つことが全てではないと証明する結果にもなったと思います。
最大限ポジティブにSunny Passionをここでは擁護していますが、少女らが駆け寄るシーンの天気が曇りから晴れになったこと考えると、Sunny Passionの敗退には決してネガティブな意味合いだけが込められているわけではないと考えます。


今回はキリが悪いですが、この辺りでやめときます。
第9話の残りの要素は次回にまとめます。
気づけばサニパだけで終わってしまった今回ですが、やっぱり誤解されている部分も多いと思うので、脱線しまくってでも長々と書いたつもりです。
ワールドカップもようやく終わったので、次はもう少し早くなりそうです。
実を言うと、空き時間はエルデンリングばかりしていたので、こちらの作業をサボってました。PS5が急に手に入るのが悪いです。
年末にはこの企画も終わらせたいですね。


今後のざっくりとした予定のメモ
 その6:2期の物語 第10-12話(第9話の残りも・・・)
 その7:キャラクター編
 完結編:「ラブライブ!シリーズ」の功罪について 

間違いないのは、第12話まではしっかりと追いかけることです。文章量によっては、10と11-12で分かれるかもしれません。
キャラクター編では、物語を追っていく中で散漫になったキャラクターの動きを整理するつもりです。本当にかのんだけが物語を動かしていたのかを検証します。多分、短くなると思いますが、そうなったらまた考えます。
それが終わると最後に、物語を飛び出してシリーズ全体について書きたいです。ここでは「ラブライブ!スーパースター!!」だけではなく他のシリーズ3作も一緒に考えて、できるだけ物語の外側にあるものを、自分の言葉で書きたいです。これまでのシリーズの歩みで何を得て何を犠牲にしたのかをテーマにするつもりです。
その功罪がどう影響して「ラブライブ!スーパースター!!」ができているのか、そして、これからどういう作品やプロジェクトになっていくのかについて、現段階の自分の考えを残しておきたいです。
なんで最後にこんなことしたいかというと、ただの感想だけで終わりたくないからです。

押井 
 僕がすでに知ってること、わかってることを批評家に言葉にされてもうれしくもなんともない。そもそもそれを批評とは言わない。それは感想だよ。

ー感想もしくは紹介ですね。

押井
 よかった大会か百叩き大会。だから誉めるのも叩くのもそういう意味では同じことだよ。語って欲しいんであってさ。自分の無意識を探り出して欲しいんだよ。

「勝つために戦え!監督稼業めった斬り」押井 守

要するに作品を叩くのも誉めるのも、本質的には感想の域からは出ておらず、同じことをしているわけです。
自分がこうして長々と書いていることも、作品の感想がほとんどを占めています。やっていることは、自分が苦手な人らと何も変わりません。
別に批評家として振る舞いたいわけではありませんが、「作品を叩くこと」を否定したいもしくは超えたいと思っているのなら、少し大きな視野で語ることも必要だと思っています。

自分にできるか分かりませんが、やれるだけやってみたいです。

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