成れの果て
青くて若い夏の
細くて熱い腕に
後ろから抱きつかれながら
道を歩けばカマキリが
胸で口づけするように押しつぶされている
汗のとろりという声は
ほとんど聞こえず蝉の声だけが響いて
淡く揺れる灰色に
黄緑がよく映えている
あれは自分の成れの果て
生誕を否定した自分の
踏みつぶされた言葉となって
夏の燃える足元で
ぎらぎらと濃く溶けていく
ふらふらとやってきた目玉に
じっと見つめられながら
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?
青くて若い夏の
細くて熱い腕に
後ろから抱きつかれながら
道を歩けばカマキリが
胸で口づけするように押しつぶされている
汗のとろりという声は
ほとんど聞こえず蝉の声だけが響いて
淡く揺れる灰色に
黄緑がよく映えている
あれは自分の成れの果て
生誕を否定した自分の
踏みつぶされた言葉となって
夏の燃える足元で
ぎらぎらと濃く溶けていく
ふらふらとやってきた目玉に
じっと見つめられながら
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?