25.未来のビザ
ウィーン旅行の次の日。
さっそくマリウスに会いに行った。
ロンドンも夏日で、夕方5時くらいはまだまだ明るい。夜10時くらいまで夕方。
「夏の間にたくさんビタミンDを貯めなきゃ!」
と言ってだだっ広いリージェントパークの芝生でマリウスは寝っ転がった。
日光浴でビタミンD補給するんだと。
紫外線の方がやばいでしょ。と私は長袖のジャケットを着て太陽光から避けて少し離れた木陰から彼を見ていた。
彼は「太陽浴びなよ!健康になるよ!」と言っていた。
少し太陽光の強さが和らいで、彼の横に座った。
そのときに、彼がこんなことを言い出した。
「あれから考えたんだ。君が、どうやったらなるべくイギリスに長く居られるビザがあるのか。
それで、閃いたんだよ!
僕はいつか、個人事業主になるからそれで君を雇えばいいんだって!!
僕がスポンサーになってワーキングビザ発行してあげる。 だから一緒にビジネスパートナーになってね!写真撮ったりしてデザイン担当でもすればいいよ。」
と。。
「え?!」
「ええぇえぇ?!」
まず、驚いた。
そんなこと考えててくれたことに、感謝の気持ちが沸いたし、私の写真の実力も何にも知らないし、英語もズタズタなのに真剣な顔してこんなこと壮大なこと考えててくれてたとは。
けど、実際問題イギリスのワーキングビザは、私の英語力が証明かれる試験テストを合格しないといけないし、年収うん百万と結構な額を、ビザスポンサーは支払わなければならないというような決まりがあるんです。
詳しくは知らないけど、簡単に取れるもんじゃないのは確か。特に2018年の頃はめちゃくちゃ厳しかった。
だから「またまた〜」と半信半疑だった。
それよりも、そうやって考えてくれたのが嬉しかった。
それから、彼は思い立ったように
「あと僕のモデル写真、仕事用の撮ってくれない?」と言う。
私もかねてより、ロンドンでモデルさん相手に撮影したいな。人物撮りたいなと思ってたから、喜んでOKした。
マリウスは時々モデルもしてて、その宣材写真なんだと。
(アンジーさんは元カメラマンとして働いていた経験があります)
決まったらさっそく、衣装を買いに街へ向かった。
彼の服を選んで、2パターンの服を用意した。
どっちもカッコ良かった。
元がカッコいいから何着てもカッコいい。
衣装も揃ったし、近くのスーパーでお惣菜やサラダを買って、ナショナルポートレートギャラリー前で腰掛けながら食べ飲みした。
日本だったら、地べたに座って食事なんて下品だー!と思われるけど、ここはみんな座って休憩してる。
石段の高さがちょうど良い。
食べ飲みしてても、みんながみんなしてるから変に思われない。
そこでいろんな話をした。
つづく
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