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63.世界的指揮者サイモン・ラトル氏を拝めた日

いろいろあったけど、かなり充実した北イングランドの旅となった。
のちに私はこの一人旅を「ドリームトラベル」と呼んでる。

たった3泊4日、ロンドンの部屋を空けただけなのに、久しぶり感があった。たった3泊。。
私が帰国したら、この日々はあっという間に幻のような、眠って夢を見てただけのようなものになるんだろうな。
この部屋の空間、この街では私の存在はゼロ。いてもいなくても変わらない。私のことを待ってくれるような、帰国したらまたわざわざ会いに来ようなんて思える友達や第二の家族みたいなのはできないんだろうな。と、虚しさが漂う。

マリウスからメールが来た。
「BMW Classics、聴きに行こうよ」

BMW???車?全然わからず、何なのか聞いてみると。。。
London Symphony Orchestra(LSO)の無料コンサートがTrafalgar Squareであるのだという。

なんだって!!!

「5時からだから、それくらいになったらTrafalgar Squareにおいで。」

と。

ウキウキで、セントラルに向かった。
4時45分に私は会場入りした。

LSOのメンバーが舞台に上がる。夏日でめちゃくちゃ暑くても、黒い燕尾服をみんな着て、豪勢なコンサートホールのような雰囲気になった。

そして、アンジーさんの大好きなイギリス人指揮者、指揮者サイモン・ラトルさんが登場!!!おおおおお!有・名・人!笑
ロンドンオリンピックの開幕式で指揮されてて、素敵でユーモアある姿に惹かれ、それから彼の指揮するチャイコフスキーが大好きだった。

一曲目、ドヴォルザークのスラヴ舞曲から。

曲中、マリウスからメールが来た。
「来てる?」
「今いる。」
「前のブロックの中央にいるから、この曲終わったら来てね」

マリウスは前回のスワンレイク同様来ないと思ってたから驚いた。
華やかなドヴォルザークが終わり、席移動。

会場は地べたに座った状態。少し立てば会場全体が見渡せる。
手を振ってくれるマリウスを発見。

笑顔がイケメンだ。

となりに座る。

二曲目、、、美しいハープの音色、、、あ、、、、
チャイコフスキーだ!!!!
くるみ割り人形のPas de deuxだった。

大好きな一曲を、サイモンさんの指揮で聴けた喜び

嬉しくて、幸せだった。


隣に座るマリウスから肩を抱き寄せられて、私も身体を寄り掛けた。
側から見たら完全にカップルに見えるだろう。

4曲目くらいで、マリウスが耳元で

「ケーキ食べる?」

と聞いてきた。

「いらない」

「食べてもいい?」

ん?????

意味わからず、マリウスの笑顔に目を映すと、
彼のカバンの中に、ワンホールのヴィクトリアケーキが入っていた。笑


なんで?!笑

小さなカバンの中になぜ、ワンホールのケーキが入ってるのだろうか。私の常識を超えてきた。

victoria cakeとはイギリスのポピュラーなスポンジケーキ。ずっしりと重たいスポンジケーキにベリーのジャムが挟まってる。日本のケーキを知ってると、物足りないように思えるかもしれないけど、これが意外とハマる美味しさ。特に紅茶にぴったり。時々無性に食べたくなるやつ。

彼はお腹すいてて我慢ならんから、といってカバンからケーキとフォークを取り出しホール食いを開始。

見たことない光景で、私のこのコンサートの思い出半分は、イケメンが笑顔でケーキをホール食いする思い出に染まっていくのだった。


コンサートも終わり、散歩しながら話す。
「久しぶりだけど、なにしてたの?連絡しても返事なかった」

とマリウス。

私はスコットランドに行ったことを言えなかった。

というのも、前に二人の会話で私がいつかスコットランドに行きたいという話をしたら、マリウスもずっと前から行きたい場所がスコットランドといってて、「今度一緒にいこうよ」という会話をしたから。

私は遠出や泊まりは一人旅派。誰とも一緒に行きたくない。それに約束を待ってたらいつになるかわからん。私は9月には帰国してしまう。

だから、この誘いには乗り気になれないのと、どうせ口約束で終わるだろうと思って、「行けたらね。」と伝えてた。

それもあって伝えられず、「宿題で忙しかった」と伝えた。


プロポーズまであと465日

当日の様子が公式YOUTUBEにアップされてます。

これは5曲目?だったかストラヴィンスキーの火の鳥。この頃、マリウスは私の横でめっちゃケーキ食ってた。

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