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オリンピックボランティアと英語の話。

東京オリンピックがもうすぐ始まる。私はボランティアとして参加している。ボランティアに応募し面接を受け、2020年にはオリンピックファミリーと言われる所謂VIPのアテンドにアサインされた。多分英語が話せるという理由からだろう。しかし1年大会が延期され、私はあるスポーツの練習場所でのボランティアにアサインされた。私としては英語が使えるアテンドのボランティアに心ときめいたけれど、ボランティア活動をすることが希望だったので、辞退することもなくボランティア活動を行なっている。

実際にボランティアが始まると、やはり英語が使えないとどうにも困る場面が多々あった。まず大会スタッフに外国人が多く、指示も説明も英語でされる。質問があれば英語でしなければならない。もちろん一緒に活動しているボランティア仲間に助けを求めることも可能だけれど、英語ができないボランティアが大多数だろう。

そして練習場にやって来るアスリートやチームは勿論日本語など話さない。リエゾンと言われるチームと大変スタッフの間に入るスタッフは一応日本語ができる人を採用しているらしいが、実際コミュニケーションを取ってみると英語で話した方が話しが早かった。そして監督やコーチたちからのドリンクや練習場所での要望を聞くにはやはり英語力が必要だった。大会スタッフは平気でボランティア達に、「何が欲しいかコーチに聞いてきて」と言ってくる。英語ができなければ無理な話だ。手振り身振りでもどうにか通じるかもしれないけれど。

私は、誰にでも英語が出来ることを前提に仕事を振る人があまり理解できない。「英語力必須」なんて、オリンピックボランティア募集要項にはなかった。ボランティア仲間は戸惑っていた。そこはボランティア同士の助け合いを求められているのだろうか?私は日本なのに英語のメニューしか置いていないレストランを思い出した。ご年配の方々は多分注文なんてできない。ボランティアには年配の方も多かった。大会スタッフにはもちろん日本人もいるのだから、せめてボランティア参加最初の説明くらいきちんとした日本語でしてはどうか?と思った。もちろん別の会場では違う状況なのかもしれないけれど。

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これからも数回ボランティア活動に参加する予定だ。外国からやってくるたくさんのアスリートやチームを目の前に、どんなことを感じるだろうか?とワクワクもしている。オリンピックの開会式は明日だというのに、なんだか辞任やら解任やらとバタバタとしているけれど、アスリートたちは本番に向けて粛々と練習を続けている。英語のことになるととても敏感になってしまう私だが、私もボランティアの仕事を粛々と行おう。自分の語学力が少しでもオリンピックボランティア活動に役立てば、それはそれで嬉しいことだ。


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