見出し画像

アメリカ人女性の強さよ!

私はまだ十代の頃、家で母の手伝いをしていると、「女の子を作っておいて良かった」と父から言われるような家庭で育った。父にしたら私への感謝の言葉、または褒め言葉の一種だったのかもしれないけれど、今でもかなりの衝撃を受けたことを憶えている。「女の子を作っておいて良かった」が、「蝶子が娘で良かった」ならまた別の印象に代わっていただろうけれど、「女は家事をするために生まれてきたわけじゃないのだよ。」と私は心の中でつぶやいた。私はなぜか家の中で「一人では何もできない子」として見られていたように思う。確かにそんな人間だったのだろう。でも、一人でなんでもできる女性になりたいとずっと思っていた。だれにも頼らず一人で生きていける女性。既に20代も半ばだった20年ほど前、Destiny's Childが“Independent Women"という歌を出した時はこの歌詞に心酔したものだ。

画像1

"The shoes on my feet, The clothes I’m wearing, The rock I’m rocking, The Watch I’m wearing, The house I live in, The car I’m driving ➡ I bought it ‘Cause I depend on me"
「履いている靴も、着ている服も、揺らしている宝石も、付けている時計も、住んでいる家も、運転している車も、全て私が買った。だって私は自立しているから」

この曲をまるで自分のテーマ曲の様に何度も聴きまくったものだ。そう、アメリカの自立した強い女性に憧れてならなかった。今でもこの曲を聴くと体中の血が滾ってくる。そして同時期にヒットした、 Britney Spearsの “Stronger”がまた私に強い女性への憧れを増幅させた。

画像2

“But now I’m stronger than yesterday, Now it’s nothing but my way. My loneliness ain’t killing me no more”
「私は昨日より強くなった、もう私の道を行くわ。私はもう孤独に苦しまない」

20代は日本とアメリカを行ったり来たりでなかなか思ったような仕事も収入も得られず、私の理想とする自立はどうしても叶わずにいた頃だ。故に余計にこの歌が胸に響いたのかもしれない。自分一人でなんでもできる、自立したとにかく強い女性。うーん、この時の私は一体何を目指していたのだろうか・・・・。きっと精神的な自立より、物質的な自立を目指していただけなのだろう。とにかくアメリカ人女性が歌い上げる強い女性に心底惹かれたのだ。

そして時は経ち、数年前に映画『SEX and the CITY』を観た時のサマンサのセリフが頭に残っている。かなり年下の恋人、Richardに別れを切り出す時のセリフだったように思う。

画像3

"I love you too, Richard, but I love me more"
「私もあなたを愛しているわリチャード、でも私は自分をもっと愛しているの」

こんな事を言えるサマンサが悲しくも強くそしてとても美しく見えた。これまでの様々なアメリカ映画や音楽を見聴きする度、女性の強さを感じる歌詞やセリフにシビレテきたが、愛してやまない恋人より自分を愛しそして自分が選んだ人生を歩むなんて、私から見ればとんでもない勇者だ。そしてこれが、今の私から見たアメリカ人女性の強さだと感じるのだ。強くなければ言えない言葉だと思う。自分を誰よりも愛することは、何よりも勇気がいることだと思うのだ。自分の人生の権限は自分が握る。それがこのセリフから私が受け取ったメッセージだ。

なぜ私はアメリカ人女性の強さにこれほど惹かれるのか分からないけれど、日本で暮らす私はこれからもその美しく強いマインドにインスパイアされていく事だろう。これからもアメリカのドラマや歌、映画を観ては胸を突かれハッとさせられるセリフや歌詞に刺激され、画面に映る彼女達にうっとりする事だろう。また、逆に生身の人間の弱さも感じ取れる年頃にもなったので、その弱さをアメリカはどう描いていくのかも興味深く観ていきたいものだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?