見出し画像

諦めて進むということ

働こうとしてダメだった、という事実は想像以上に重たくわたしにのしかかっている。その大きな原因が「上司の無理解(もはやパワハラ)」という、あまりにありふれたものだとしても、だ。

わたしは人を見る目が無いらしい。よく言われる。上司についても「理解が追いついてないだけで、配慮はしてくれようとしてるんだな」くらいに思っていた。本当のところはわからないけれど、産業医さんや保健師さんの前で「本当に病気かどうかわからないのに配慮する必要があるのかわからない」と一刀両断されたときも、わたしはまだ「まあこういう精神疾患って理解は得にくいよな〜」と思っていた。その日の午後、保健師さんに呼び出されて「さっきの発言はパワハラだからね!」と言われてやっとそうなのかもしれんと思い始めたくらいだ。

復職訓練をしていたけど、そんな問題発言もあって体調はバカ悪くなり、何日も休んでしまって、それでも復職を諦めきれなくて、人事で設定されていた「本復職のための訓練中最低出勤日数」を切ってやっと、再休職を受け入れた。

そのまま休職に入るのも癪だったので、最終出勤日に部署の先輩たちに上記の発言をぶちまけたら、「やっぱりあの人たちおかしいよね!?」「もっとわたしたち(マネージャーではないけど平社員の中ではベテラン層)が間に入っておくべきだった…」と言われた。みんな言わないだけで心の中では上司をやべえやつだとちゃんと認識していたのだ。わたしは全く見抜けなかった。


わたしが休職に戻った後、元々いちばん仲良かつまたイケオジ(元部長)(つよい)が、「滝藪さんがまた戻ってきたときは100%僕が面倒見るからそういう配置にして」と上司に掛け合ってくれたらしい。
先輩たちは上司を飛び越えたさらに上の役員に諸々チクってくれて「次滝藪さんが復職するときは在宅勤務メインにしてもらうよう、役員経由で上司たちに伝えてもらう」ということになったそうだ。
みんなわたしが知らないところで色々動いてくれていて、本当に感激した。特に一緒に仕事をしたことがあるイケオジや先輩たちはわたしの働きぶり(?)を評価してくれていたみたいで「上司はクソだがそれを理由に滝藪さんがこの部署を離れるのはもっとクソだ理不尽だ」と、それぞれにわたしのことを思って動いてくれていた。
※ちなみに上司は普通に働ける人目線ではそんなにクソではなくて、むしろ本当に仕事ができて有能で、ただただワーカホリックすぎて「そうじゃない」人間のことが何一つわかんない、想像できないだけなんだと思っています。だから今でもわたしは心の底から上司をクソだとは思えないのです。

いちばん一緒に仕事をしていたであろうU先輩(女性)は、それこそ役員にまで掛け合ってくれていたメンバーの一人なのだが、それにとどまらず休職中に食事会(U先輩とその夫さん(初対面)とわたしという激烈謎メンツ)を開いてくれて、貧困に喘いでいたわたしにたらふく肉を食わせてくれた。夫さん(元弊社だけど今は転職して別会社,基本フル出社)は過去に精神疾患からの休職→完全在宅での復職を成し遂げていて、そのコツもたくさん教えてくれた。診断書の書いてもらい方とか、誰に出すかとか、諸々。そんな作戦を立てながら3人で美味しい肉を食べた。本当に本当にありがたかった。


わたしは働きたくない働きたくないと常に言っているけれど、別に誰かに養われたいわけではない。専業主婦にもなれない(料理洗濯以外の家事苦手だし)。
嫌々でもいいから自分のできる範囲で働いて、自分一人の力で生きていきたいだけなのだ。弊社は「そこそこの働きぶりでそこそこの給料、なかなかのボーナス、かなりの福利厚生」の古き良き日本の大企業。ここでそこそこに働いていれば、都内で一人暮らしができて、たまにうまい飯と酒が嗜めて、たまにリッチなランチも食べられて、ボーナスも合わせたら趣味にも思う存分邁進できる。わたしはこれでいい。これをやりたい。

どうして休職前までできていたこれができないのだろう。復職訓練での挫折は、わたしの心をへし折るには十分だった。時短勤務ですらやり遂げられなかった事実に、もうフルタイムでは働けないとわからせられてしまった。

色んな人がわたしのために動いてくれている。そんなありがたい状況なのに、わたしはもう一度復職のチャンスが与えられてもそこにありつける自信がない。少なくとも今は再休職して1ヶ月が経ったのに体調は悪いままで基本的に引きこもり生活だし、週5で7時間45分何かに拘束されることに耐えられる気がしない。

復職は諦めるべきかもしれない。

何度も頭をよぎっては、「いやいや、ワシは復職するんや」と振り払ってきたことが、現実として迫ってきている。残された休職期間も短い。この調子だと期限までに回復しない。


完全に諦めたわけではないが、諦めることを視野に入れて行動を始めた。

一番大きいのは引越しである。今は通勤と趣味のための立地だけに大幅課金した、ややデカ駅から徒歩3分のクソ狭い1Rオートロック付き8.7万円に住んでいる。しかし家賃補助がなくなるとさすがに身の丈に合わない。休職中に大いに苦しんだのが、収入の3割と家賃補助4万円が吹き飛んだことだった。もっと早く行動に移すべきだったかもしれないけれど、引越しなんてわたしにとって難易度1億レベルのイベントで元気なときですら本当にしんどい…甘んじて無駄に高い部屋に住み続けていた。結果一文なし、いやむしろ借金まみれである…そりゃ家賃だけが原因ではないが元々4万円無条件に引かれていた家賃がフルにのしかかるとえぐいことになるのは想像に難くないだろう。

重い腰を上げて引越しという選択を取れたのは、ちょうど今の部屋の更新のタイミングで関東に転勤になった友人がルームシェアに誘ってくれたからだ。人を見る目が無いとは言われるが、友人には恵まれていると思っている。
新居はクソデカ駅まで徒歩20分(笑)、一応クソしょぼ駅までなら徒歩1分、オートロック付き2DKで9万円という破格の部屋である。これを折半。ぶっちゃけ今の部屋がほぼ9万円なので、半額になった感じだ。あまりに適当に内見をしたため独立洗面台が無いことを見逃してしまったが、まあ何とかなるやろ。そもそもビョーキで身なりが限界なので、鏡を見ることも無いのだ。今の部屋の独立洗面台だって宝の持ち腐れである。
引越し業者の繁忙が落ち着くGW明けに引越し予定なので、今からちょこちょこ部屋を片付けているはずなのだが、一向に片付いた感じがしないのでウケている。段ボールが届いたらもっとがんばりたい。

2つめの諦め行動は障害者手帳と障害年金の申請である。むしろ何で今まで取ってなかったんやという感じではあるのだが、年金には初診日から1年半経たないと申請できないなどの縛りがあってやる気があるタイミングと申請できるタイミングが合わず、全体的に診断書代もバカ高く、何となく後回しになっていた。手帳が取れたら都営交通が無料になったり税金やら光熱費まで安くなったりするらしいので、限界生活においては大いに役立つと信じている。
障害年金については申請までがなかなかに難易度が高く、相談窓口の予約は3週間先しか空いておらず、現地に凸しても「閉館まで待ったとしても無理でーす」と追い返される始末で(その日は泣きたくなるほど心が折れたが)、大人しく予約して3週間待った。待った甲斐あって、非常に親切に書類の書き方やら書類の集め方をご教示くださり、相談時間1人につき1時間枠を取ってあるだけあるな〜と感心した。
わたしは初診から現在まで同じ病院なのでそんなに複雑な状況ではなく、頑張れば自力で申請まで漕ぎ着けそうだったので気合入れて書類作成しようと思った。医者の診断書と自力で書く自分史のような書類で等級が左右されるらしく、窓口の社労士さんからは「2級目指して頑張りましょうね!」と言われたので、3級は手堅いのかなぁ〜と思ったりしている。自分語り書類の作成がんばるぞ!
ちなみに手帳のための診断書7700円、年金のための診断書8800円である。おかげで今わたしのお財布にはお札が1枚も入っていない。福祉に縋るにも金がかかる……

諦めるための障害年金。
わたしはフルタイムでの就労を諦めつつある。しかし実家に頼ることは到底できず、何とか自活せねばならない、となったときに、「働ける範囲でのお賃金+障害年金」で生きている人がいるということを知った。障害年金なんて3級だったら月5万円程度。これだけじゃ到底暮らせない額である。でも週3のバイトで月10万ちょっと稼いだとして、それにプラスの5万円と考えたらどうだろう。格安部屋でのルームシェアであれば成り立つ範囲ではないだろうか。完全に働かない人のための年金ではなく、働ける範囲で働いて自活したい人のための制度なのかも、と思ったら、やたらに煩雑な書類たちもやたらに高い診断書も許して頑張ってみようかなと思ったのだ。

ルームシェアが上手くいくかもわからないし、手帳や年金の申請が通るかもわからないけれど、諦めるなりに進んでいる。
今の職場の先輩方もイケオジも色んなところに働きかけてわたしを待ってくれている。
一方で次行くかもしれない職場の先輩方もシャチョーさんも、「いつでもいいよ〜」と言ってくれている。
わたしはきっとどうにかなる、食いっぱぐれはしない、と信じて悲観的になりすぎず生活を立て直しています。


現在の金欠と借金(カイシャにすら払えていないお金がたくさんある)を打開する策が、退職金しかないのはちょっと笑えない状況なのだが、どうせ復職できないのであれば、休職満了を待たずに退職して退職金で借金完済してさっさと次の職場に行くのもありなのかな、と考えてみたりもする。
うつ状態のときに大きな決断をするなというのは精神疾患界隈での常識ではあるのだが、大きな決断なしに今の状況が変わる見込みは薄く、むしろ悪化する一方。引越しは決まったことだし、ここはもうエイヤーッと決断をやりまくるのも手かな、と考えたり、いや休職満了までは待とうよ、と思ってみたり、思考もパッパラパーである。

まあとにかく最近は生きるためにどうするか考えたり、元気な日はそれに向けて行動したりしているので、何かオススメの福祉があれば教えてください。


つづく

新居ではこんなベッドに寝たいなあ〜

追伸
みなさん桜は見ましたか。わたしは花粉がヤバすぎて夜桜しか見られていないです。(ヘッダー参照)

鼻うがいキットも何種類か持ってるけど、もはやこれでいいのではと思い買ってみたやつ。鼻取り外してジャバジャバ洗いたい。

いただいたサポートはラーメン二郎に使わせていただきます!!!